更に進化する、日本・米国の半導体協力・・韓国メディア「このまま見ていていいのか」

半導体関連の輸出や企業の実績がいろいろ好調の韓国ですが、各メディアの報道は前とは異なる流れを見せています(もちろん記事によりますが)。相変わらず多いのが、サムスン電子関連です。現状では半導体輸出などが好調だけど、サムスン電子の今までのやり方が通じなくなってきたこと。いろいろありますが「大量生産のための大規模投資でなんとかなる時代ではなくなった」などです。今からの半導体は「注文生産に近づいた人工知能(AI)時代の新しい半導体になる」と予想されるが、うまく対応できずにいる、と。

メモリー以外に弱いという話はずいぶん前からありました。韓国産業研究院の資料によると、国別の非メモリー半導体のシェア(売上基準)は、韓国が3.3%で、台湾(10.3%)、日本(9.2%)、中国(6.5%)などです。54%が米国。また、HBMで好調のSKハイニックスの場合は、SKオンという会社(電気自動車用バッテリー関連会社です)の大幅な赤字と、そのためにバッテリーとはこれといって関係もない子会社を合併させつつあり、「グループ全体の流動性に問題が生じるのではないか」という話まで出ています(毎経エコノミー7月25日)。そして同じくらい多いのが、日本、または日本・米国・台湾の半導体協力に関する記事です。

 

一時は「~な動きがある」「成功は難しい」などの意見が主流でしたが、最近は明らかに「対策が必要だ」とする主張も多く、今回紹介するデジタル関連メディア電子新聞(7月9日)は、日本の動きを「このまま見ていていいのか」としています。じゃどうしろっていうのでしょうか。なんというか、「成功が難しい」だけで済ませる流れに見えなくなったから、でしょうか。もちろん、まだ成功を楽観できる状態でもありませんが。このメディアは前にも複数の記事で「JOINT2」「US-JOINT」などを取り上げており、本当に気をつけないといけないのはこちらだ、との見解を示してきました。日本でもそこまで話題になりませんでしたが。というか、初めで聞いたという方も多いのでは。

簡単にいうと、「次世代半導体パッケージ」のための、日米協力体のようなものです。日本と他国の半導体協力は、日本と台湾の協力ではTSMC熊本第1工場、日本と米国の協力ではラピダスと米国IBMなどが報じられていますが、実はそれだけではありません。ロイターが2月時点で集計したところ、2年間で少なくとも9つの台湾半導体会社が日本に拠点を確保、または事業を拡大しました(2月22日聯合ニュースなど)。米国との協力もまた、ラピダスだけではなかったということでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・日本の半導体攻勢が、ただごとではない。自国半導体産業復活のために政府と民間が緻密にそして堅固に動いている。次世代パッケージング技術協力のために団結した日本企業連合体「JOINT2」が米国の素材・装備企業と協力するというニュースが、9日伝えられた。 「US-JOINT」を作って米国カリフォルニアに研究開発(R&D)センターを構築し、クリーンルームと装備を導入して来年から稼働する予定だ。US-JOINTに参加する企業を見てみると、重さがある。日本ではレゾナック(旧昭和電工)、メック、アルバック、ナミックス、TOK、TOWAが、米国はAzimuth Industrial、KLA、Kulicke and Soffa Industries、moseslake industriesなど全10社が参加した。いずれも各分野の専門企業だ・・

・・表向きの目的は、高度なパッケージング技術の開発だ。素材に強みがある日本と、半導体製造工程で先駆けた米国企業が力を合わせ、未来の半導体パッケージング技術を商用化しようというものだ。半導体製造の最終段階で行われるパッケージングは​​、それまでの露光やエッチングなどの回路を作る全工程に比べてそこまで重要ではないと考えられてきた。しかし、回路の微細化が一定の限界にきてしまい、半導体の性能を引き上げる核心として、パッケージング技術が注目されるようになった・・

 

・・US-JOINTの発足はただごとではない。次世代市場の先取りのために日本と米国が手を合わせたということだ。次世代半導体は、開発の難度を見据えたとき、いままでなかった素材、部品、装備を活用しなければ実現できない。これは一人ではできないという意味で、特に先行している会社が集まるほど、より有利である。日本の素材会社が米国に手を差し伸べたのも、このような先制的な協力研究開発を通じて解決策を提示し、顧客を確保する戦略だ。懸念されるのはわが国だ。日本が米国と力を合わせてパッケージングを主導するようになれば、日本の素材や部品への依存度は高まるしかない。ここで止まらず日本と米国がより深い協力関係に進んでいけば、私たちの半導体産業は競争力が担保できなくなるだろう(電子新聞)・・>>

「うわあぁぁ」と書けばいいのにちょっと長いな、とは思いました。今現状、好調ですから・・一時は、韓国の半導体輸出は、40%近くが中国への輸出でした。最近は中国が技術力を身につけたなどの理由でその比重は減少しているものの、それでも今年上半期、半導体輸出において中国比重は35.5%でした(7月8日国際新聞)。まずはこういうところを気にしたほうがいいのでは・・そんな気もしますが。しかし、そういえばチップ4という言葉、最近ほとんど聞こえてこなくなりました。

 

 

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