韓国メディア、パリオリンピックで再び『日本の生活体育文化』に注目

本ブログでも何回か取り上げましたが、2~3年前から、複数の韓国メディアが「エリート体育(エリートスポーツ)の問題点」について記事を載せています。本ブログでエントリーした内容の中でも特に印象的なのが、2019年2月15日オーマイニュースの記事です(本ブログでは11月6日に紹介しました)。実際に学校でスポーツ選手を目指したことのある、オーマイニュースの市民記者が日本を訪れて、その『部活』文化に感動して書いた記事です。記事は、そもそもエリート体育という単語そのものが現実と合わないとしながら、こう指摘しています。

「スポーツ選手を目指す人たちは、授業にも出ず、運動だけさせられる形で育成される。その中で実際にスポーツ選手として選ばれるのは10%にもならない」、「日本のように『甲子園まで行って、普通に大学に進学する』ようなことは夢のまた夢だ」、「エリート体育? 誰が作った言葉だろうか。10%だけエリートを作って、残りの90%は社会に適応できない人にするものなのに、それのどこがエリートシステムだ」、と。最近、パリオリンピック期間ということもあるし、日本の好調もあって、韓国日報などがまた同じ趣旨の記事を載せています。記事は日本の『生活体育』を取り上げ、これがあるべき姿ではないのか、としています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・2024年パリオリンピックが始まったが、大して盛り上がっていない。それもそのはず、韓国国家代表選手団の規模が以前に比べて著しく小さい。新型コロナ中に開催された2020年東京オリンピックの時にも232人の選手が参加したが、パリオリンピックにはたった144人だけが出場する。1984年ロサンゼルスオリンピック以来初めて選手団が200人を超えなかったという(※この部分だけニュー1の29日の記事からですが、開会式の地上波視聴率が、日本は12~14%台、韓国は0.6%~1.4%でした)。大衆的に人気を集めるサッカー、バスケットボール、バレーボールなどの種目の大部分が、今回のオリンピック出場できなかった。団体球機種目では唯一女子ハンドボール代表チームだけ本選舞台に上がった・・

 

・・生活体育に対する日本と韓国の社会的認識は、異なる。学校教育における体育やスポーツ活動の地位からして明らかに異なる。入試教育を重視する韓国では、体育を必ず必要な学業の一部ではなく、課外活動として見る傾向がある。体育を、体育による進学やプロ進出を望む一部のスポーツエリートのための特殊科目として見ているわけだ。一方、日本では教育過程で一貫して体育が重要な科目として認識される。例えば、水泳の場合、小学校から中学校2年生まで必ず教えなければならない科目となっている。小学校の87%、中学校の72%がプール施設を備えている。韓国でもセウォル号の件から、小学校教科に水泳科目が追加されたが、1950年代から着実に水泳教育を推進してきた日本と教育内容では比較にならない・・

 

・・青少年が放課後にスポーツクラブに参加することも活性化されている。日本の大学に在職していたときには、毎年入試する高校生と面接する機会があった。彼らに高校時代で楽しかった経験を聞くと、誰もが、10人のうち6人はスポーツクラブに参加した経験を語った。サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールなどよく知られている球技種目クラブで活動した学生が多かったが、その中には、名前も聞いたことがないスポーツ種目に情熱を注いた学生もいた。多くの学生が高校時代に自らを最も多く成長させた経験としてスポーツクラブに参加したことを挙げた。運動能力を育てただけでなく、その中で良い友達を作ることができ、チームワークの重要性も学んだという・・

・・日本では、大人のための生活体育インフラも発達している。大都市の市内中心部でも、照明設備が整った屋外野球場を簡単に見つけることができる。安価に利用できる公共プールや地域運動施設も比較的細かく揃っている。多様な年齢層と階層が積極的に生活体育に参加しており、スポーツが日常生活の重要な部分として位置づけられていると言ってもいいだろう。韓国に比べて、日常的に体を動かすことを当たり前だと思う雰囲気もある。日本では、買い物に行くときにも自動車を利用するのではなく、自転車に乗ったり歩くことを好む人がはるかに多い。夏には野外活動で肌がチョコレート色になった子供たちが制服姿で街を賑やかに走りまわる姿をよく目にした。日本では、専門的なトレーニングを受けていない市民が全国大会や世界大会で良い成績をあげることも度々おきる(韓国日報)・・>>

 

引用部分にはありませんが、記事には「私は泳げない(学校で学ばなかった)」としがら学校教育問題だったとしていますが・・私の場合、それはちょっとどうかな、とも思いました。実は私も泳げませんが、それは学校教育やインフラ(プールが無い)の問題もあるかもしれませんが、それより、私が泳ごうとしなかっただけでしょう。

 

 

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