バッテリー書いたから半導体にしよう(すなわち単純な連想以外に何も考えてない)と半導体関連ニュースをいくつかチェックしてみました。一つの案件でエントリーするには「うわあぁ度」が低いので、いくつかの記事から私見などを書いてみたいと思います。一時、『日本半導体』関連で、韓国メディアには、日本からは想像もできないほどの数の記事が出ていました。最近になって、やっと落ち着いてきた感じです。しかし、日本より韓国メディアのほうから『そんなことがあったのか』と知ることが少なくありません。EUV(極紫外線)露光装置関連においてもそうです。
この装置は、オランダのASML社の『1社』(1強ではなく1社です)体制ですが、その分ものすごく高いし、注文してもすぐには手に入らないと言われています。いまこの装置を使っているのは、サムスン電子、インテル、TSMCだけだとされています。確か、予定通りなら今年中にラピダスにもこの装置が入る予定だと聞いています。韓国では、このEUVが、関連記事はもちろん国会で取り上げられるほど(なにか法案が通った記憶はありませんが)話題になっています。米国側は、サムスン電子やSKハイニックスの中国工場への装備搬入リストをチェック、管理しています。ですが、一部国会議員の主張によれば、このEUVだけは最初から搬入できないとハッキリ示されている、とのことでして。
この装置に入る部品などの国産化についても、前の文政権からいろいろ話がありました。ちなみに、他にも多くの領域でそうですが、日本メーカーの素材・部品などが使われていて、EUVの核心部品「ペリクル」は、三井化学の製品が100%だと言われています。5年ぐらい前、韓国のいくつかのメーカーがこのペリクルの国産化に挑戦しましたが、6月14日朝鮮日報(朝鮮BIZ)の報道によると、まだなにかの形で納品できた韓国メーカーは無い、とのことでして。そんな中、沖縄科学技術大学院が、革新的なEUVリソグラフィー(半導体基板に回路パターンを転写する技術)を開発した、というニュースもありました。去年~今年にかけて、キヤノンからも似たようなニュースがありました。こちらは今日のニューシースなどが報じています。EUV光源の消費電力を画期的に少なくできるとのことで、日経新聞によれば「各企業と協力して国産化を目指す」とのことです。ニューシースは外国専門家や国内関係者たちの見解を引用しながら、『実際に装備の量産化までいくかは見守らないといけない』としながらも、『成功したら半導体産業そのものの再編に繋がる』としています。
次に、TSMC関連ですが、アリゾナの工場が思った通りに進まないでいる、との話です。元ソースは米国のニューヨーク・タイムズが報じているとのことですが、台湾式の勤務環境に、アメリカの人たちが適応できないでいる、とのことでして。すなわち、「文化」がその理由だというのです。韓国では朝鮮日報(朝鮮BIZ、今日)が報じています。日本での第一工場、確か年末からの稼働だと聞いています。同じようなことが起きるのかどうか、もし日本では何の問題もないとなると、工場建設というのは補助金やインフラ環境だけでなく、「文化」もこれまで以上に重要な判断材料になるかもしれません。結局、全ての話が「メイドロボがいつ出るのか」に集約されるわけですが(ドールドレス洗濯機能付き)・・そこはともかくして。以下、各紙、<<~>>で引用してみます。
<<・・業界では新型EUV機器が量産される場合、ASMLだけの供給構図がひっくり返る可能性があると見ている・・・・米国のITメディア・トムズハードウェアは、「新型EUV機器が大量生産されると、チップ機器産業だけでなく半導体産業全体を再編することになるだろう」と明らかにした・・・・日本のフィルムメーカーもASMLのEUV機器1社体制に挑戦している。キヤノンは昨年、ASMLのEUVよりも安価で90%少ない電力を使用する「ナノインプリント・リソグラフィ」技術を公開した。EUV投資に消極的だったニコンも、EUV機器の新技術開発に飛び込んだという。業界関係者は「新しいEUV機器の開発は、半導体メーカーの先端半導体競争構図にも影響を与えることになる」とし「ただ、実際に機器の量産まで行けるかどうかは見守らなければならない」と伝えた(ニューシース)・・>>
<<・・世界最大のファウンドリ(半導体委託生産)企業である台湾TSMCが米国アリゾナ工場建設計画を発表したのは2020年5月。しかし、今でもTSMCはアリゾナで生産された半導体を販売していない。2021年半ばから工場建設に入ったTSMCは当初、2024年から先端4ナノメートル(nm)プロセス技術を利用して半導体を生産する計画だったが、アリゾナ工場施設を台湾と同じにすること自体に問題が起きている・・・・8日(現地時刻)ニューヨークタイムズ(NYT)は、「台湾で通じてもアリゾナでも通じるものではないという事実を、半導体大企業が悟った」という記事で、「複雑な製造工程を米国にもたらすことは予想より大きな挑戦だった」と指摘した・・
・・NYTがインタビューしたTSMC職員12人は、台湾の管理者と米国の労働者が文化的に衝突していると口をそろえた。TSMCの勤務条件は厳しい方だ。真夜中に緊急事態が発生した場合、従業員は直ちに会社に戻らなければならない。しかし、米国の労働者はこのようなTSMC文化に適応するのが容易ではなく、一部のアメリカ人職員たちは退社した。これまで工場稼働日を数回も延期したTSMCは、当初計画していた2024年ではなく、2025年上半期までにアリゾナ工場で半導体生産を開始する予定だと発表した。これにTSMCは職場文化の違いを解決するために努力している(朝鮮日報)・・>>
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。