最近、どのメディアにも記事が増えてきた青年の雇用関連案件。珍しく、右側と左側のメディアの問題指摘が一致する案件でもあります。個人的に、「中国の韓国化か、韓国の中国化か」ともっとも強く思っているのが、青年問題と不動産問題だったりします。6月~8月にまた各メディアの記事が増えましたが、簡略にまとめてみたいと思います。まず、タイトル回収ということで、就職する青年の約31%が「1年未満の契約雇用」という話です。7月21日デジタルタイムズというメディアの記事ですが、5月基準で、就職した経験がある青年(学生はカウントせず)は376万5000人でした。しかし、そのうち、『初めての雇用が契約期間1年以下の賃金労働雇用だった青年』が118万1000人で、全体の31.4%にもなる、とのことでして。
韓国では、「契約期間を定めずに契約した職員」を一般的に正規職としますが、「法律的な定義は無い」とも言われています。各メディアが主に区分するのは、「常用職」「臨時職」「日用職」で、その中の常用職が、「良質の就職とする一つの指標になる」とのこと。常用職とは、「契約期間が決まっていない(韓国で言う正規職)」と、「1年以上の期間の契約をした職員」を意味します。一般的に1年未満の契約の場合は「臨時職」といい、1日だけの雇用の場合は「日用職」と言います。すなわちこれは、「1年ちょうどの常用、そして臨時と日用職」が31%にあたるという意味です。以下、まずこちらから引用してみます。
<<・・就職も求職活動もしない大卒者が今年上半期400万人を超えた。最初の雇用が契約期間1年以下の青年(15歳~29歳)の割合が初めて30%を超えた・・・・21日(※7月)、統計庁の国家統計ポータルによると、今年上半期の大卒以上(専門大学を含む)の学力を持つ非経済活動人口は月平均405万8000人で、前年同期比7万2000人増えた。1999年に関連統計が始まった後、上半期基準で最も多い数値だ・・・・全体の非経済活動人口において、大卒者が占める割合は今年上半期25.1%で、これも初めて25%を超えた・・・・5月基準の学校を卒業したり途中でやめた後に就職した(※学生はカウントしないという意味です)経験がある青年は376万5000人だ。これらのうち、最初の雇用が契約期間1年以下の賃金労働雇用だった青年は118万1000人で31.4%を占めた。前年比2.4%ポイント高くなった数値だ(デジタルタイムズ)・・>>
次は、本ブログでも何度か取り上げた『ただ休んだ』関連です。体の問題など相応の理由もなく、ただ求職活動もなにもせずに、『休んだ』としている人たちのことで、彼らは失業率など各種データにもカウントされません。こちらも多くのメディアが記事を出していますが、政府などが関連対策を出してはいるものの、どんどん数値が思わしくない方向へ向かっているとのことでして。こちらは18日の朝鮮日報の記事ですが、主に『青年たちが望むレベルの仕事が無いから』という側面を強調しています。先のデジタルタイムズの記事と合わせて読んでみると・・『雇用といっても、1年以下の契約が多い』という、実際に仕事のレベルの問題があるのは間違いありません。最低賃金とかここまで急激に上げたし、各企業の債務はどんどん増えているし、そもそも『人件費』がどれだけ大事なのかについての認識が弱いし、そうもなるでしょう。ただ、青年たちが『(総合的な意味での)現実』よりあまりにも高いレベルを求めているのではないでしょうか。そもそも、「休んだ」さんたちの7割以上が、就職したいとも思わなかった、とのことでして。どうやって生活しているのでしょうか。
<<・・先月(※7月)、仕事も求職活動もせずに「ただ休んだ」という青年が7月基準で最大値を記録した。「休んだ」とは、非経済活動人口の中で、病気などの問題が無いのに休もうとする状態にある人々をいう。求職活動をしないので失業者にも分類されない。18日の統計庁によると、7月の青年層(15~29歳)の中で「休んだ」人口は昨年同月より4万2000人増えた44万3000人と集計された。これは、同月基準の統計を作成して以来、最も多い数値だ。青年層の人口は減少しているのに、「休んだ」青年は増え、その比重も最高水準だった。先月、青年層人口815万人のうち休んだ青年(44万3000人)が占める割合は5.4%だった。青年層の「休んだ」割合は新型コロナだった2020年に5.0%に増え、2022年に4.2%まで減ったが、昨年(4.8%)から増えて、今年再び5%台に入った・・
・・休む青年は働く意思もないと調査された。これらの中で「働きたかったのか」という質問に「いいえ」と答えた人が33万5000人に達した。75.6%が求職意思がなかったという意味だ。残りの、「仕事をしたかったが、休むことにした」青年たちを対象に、なぜ今は求職活動をしていないのかと聞いてみると、「希望する賃金水準や労働条件が合う仕事がない」が42.9%だった。続いて「以前に探してみたが仕事がなかった」(18.7%)、「教育・技術経験が不足して」(13.4%)、「近所に仕事がなさそうで」(11.1%)の順だった(朝鮮日報)・・>>
1行でまとめるなら、 「親『うわあぁ』」 といったところでしょうか。近所に仕事がなさそうだったから、っていったいどういうことなのか・・ で、最後に、先の「常用職」ですが、こちらは特に大幅に減少しています。聯合ニュースなどによりますと、5月基準で、1年前(2023年5月)と比べ青年常用職が19万5000人も減少しました。19万5000人は、同年齢代の全常用職の約7.6%です。関連データ(マイクロデータ)が作成されてから最大の減少幅だ、とも。
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