本ブログ、『他人と比べる社会』について無数のニュースをエントリーしてきました。小学生たちが、海外旅行、家の種類(マンションなのかどうか)や価格、着ている服の値段などで『等級』をつけているという話、本ブログだけでなく韓国メディアの記事から見つけるのも、そう難しいことではありません。そういえば去年も、学校に皆勤する子は(家族での海外旅行は平日にも休むことになるという点で)「海外旅行に行く『力』がないから」と言われてしまうという、そんな小学校の事情を朝鮮日報など複数の大手メディアが報じて、結構話題になったりしました。
この心理は少子化問題とも繋がっており、去年12月、結婚はしたけど子をもたない夫婦たち(DINKsと言います)を相手に韓国保健福祉部がセミナーを開催しましたが、そこでもこの話がもっとも話題になりました。赤ちゃんが「いつから歩けるようになったのか」からはじまって、学校はどこに入ったのか、職場はどうなったのかまで、車、家、全てを比べられる、他の人ではない自分自身のそのような経験があるからこそ、もう自信がなくなったというのです。毎日経済(2023年12月9日)など関連記事を読んでみると、夫婦たちは「子を外国製自動車に乗せて学校に通学させる必要がある」と、まるで当たり前のように言っていました。
そんな中、ソウル大学発展財団というところが、ソウル大学に通う生徒たち・・の親・家族に、「私は誇らしいソウル大学生の親」「私こそはソウル大学生の父(母)だぞ」などと書かれたカーステッカーを配布、問題になっています。朝鮮日報など多くのメディアが報じており、結構話題になっています。駐車の際の何かの簡易証明(かなにか)のために生徒本人にくばるならともかく、なんで家族に配るのかよく分かりませんけど、自分で自分の車に貼るなら別にいいじゃないか、な気もします。フレーズがちょっとあれなんで、私なら貼りませんけど。で、これが、『学歴主義社会をヒートアップさせる行為だ』などで、結局は人権委員会(国家機関)行きになりました。市民団体が問題を提起したからです。笑ってしまうとそれだけですが、今まで書いてきたことを考えると・・大勢の人たちが、こういうのを『自分への攻撃』と認識しているから、と書くこともできます。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ソウル大の公式募金機関であるソウル大発展財団が、「ソウル大生の家族」という事実を明らかにすることができる車両ステッカーを配布したことに関連して、ある市民団体が国家人権委員会に陳情を提起した・・・・「今回のグッズ(記念品)は入試成功の頂点にあるソウル大ロゴを活用し、その保護者に子どもの入試成功は親の業績であることを存分に披露せよとしているもの」だとのことだ。市民会は「学閥主義に苦しんだ社会では、特定の時期に先占した大学の名で社会的身分が決まる。こうした社会では、能力と努力よりも特別な権利が日常化するリスクが大きいため、これまで人権委員会は学閥主義を助長する行動に厳重に対処してきた」と述べた。
市民会は「代表的に、一時『特定大学の合格横断幕』について、人権委員会は特定大学以外の学校に進学したり、上級学校に進学していない学生、保護者などに疎外感を与えるなど教育的面では望ましくないと何度も勧告したことがある」とした・・・・市民会は、「私たち団体は、配慮のない事業で論議を招いたソウル大に遺憾を表明する一方、国家人権委員会に陳情を提起する」とした。先立ってソウル大発展財団はオンライン広報ページで「ソウル大発展財団でソウル大学生の家族の方々に・・・SNU Familyステッカーをお送りします」と案内した。
申請者はソウル大生の家族であることを認証するために、親と子の名前、子供の入学年度、学科名と連絡先、住所・・・・申請すると財団側ではお土産として車両ステッカーを贈呈する。この車のステッカーはソウル大ロゴと共に英語で「誇らしい家族」「誇らしい親」「私はソウル大学生の母だ」「私はソウル大学生の父だ」のようなフレーズが書かれている。ソウル大学の関係者は「両親に、子を育ててソウル大学まで入学させたことの苦労について感謝するという意味が込められたお土産」とし「米ハーバード大学、スタンフォード大学など有名大学でもこのようなステッカーを作っている」とした(朝鮮日報)・・>>
気になるのが、~大学に合格したという内容の横断幕や垂れ幕などが問題とされている、という部分ですが・・別にいいじゃないでしょうか。頑張っていい大学入ったなら、祝っていいでしょうし。「私は~だぞ」と自己紹介するカーステッカーならちょっと貼りたくありませんが、貼りたい人は貼ってもいいでしょう。賛成か反対かは人それぞれだとして、これが国家機関に問題提起されて、しかも横断幕などで勧告が出たことがある、とかなんとか。なんでしょうね、これ。いつものことですが。あと、つい「同じフレーズの偽物を作って自分の車に貼る人、いるのでは」と思ってしまったのは秘密にしたいと思います。
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