韓国の対日貿易収支データから見えてくるもの・・無数に報じられた「国産化」はどうなったのか

ちょっと古い記事を読み返してみて、「そういえば・・」と思ったので、調べてみたデータを紹介します。対日貿易収支に関するものです。2023年3月7日の明日新聞というネットメディアのもので、メディアそのものがあまりチェックしないところですが、データがまとめられていたので記事をチェックしておいた・・と記憶しています。内容は、いつもの内容で、「中国との貿易で稼いだ分が(金額の単純比較として)そのまま日本に流れている」というものです。

文在寅政権では国産化などの話で盛り上がっていましたが、実はその前から韓国の対日本貿易収支はよく記事になっていました。基本的には、日本のほうが黒字になる構造だという内容です。数年前までは、「中国との貿易で(韓国が)黒字を出す」のが、日本と韓国の貿易で日本が黒字を出す構造と似ていると言われていましたが、去年は韓国の対中貿易が赤字になったので、一部から「構造そのものが変わりつつある」という指摘が出るきっかけにもなりました。今年は再び韓国の対中貿易は回復しつつありますが(上半期基準で赤字金額は去年の半分ぐらい)、この構造についての指摘はまだまだ続いています。

 

ですが、最近になって、この対日貿易収支関連記事が目につかなくなりました。こんな話をするときにはいつも書いていますが、私の気のせいかもしれませんし、私が関連記事を見つけられなかっただけかもしれません。旅行収支で~ゴルフ用品輸入が増えて~とかそんな記事は結構ヒットしますが、全体データを扱う記事は、最近は見た記憶がありません。ひょっとすると、一時「国産化」関連記事が多かったので、それをまだ維持したいだけ(実際のデータを見るとあまり変わってないことがわかる)かもしれません。あとで、私が韓国関税庁サイトから得た最新データも紹介します。まずは、<<~>>で明日ニュースの記事を引用してみます。

 

<<・・日本と国交を正常化した1965年以降、両国間の貿易に関する資料を見てみた・・・・昨年(※2022年)まで57年間、日本との貿易取引から7000億ドルに達する赤字だった。正確には8271億5590万ドルを輸出し、1兆5204億3090万ドルを輸入し、6932億7499万ドルの貿易赤字を記録した。2022年の平均為替レート(※ドルウォンで)1292ウォンに換算すれば、895兆7113億ウォンに達する規模だ。韓国名目GDPの半分に迫る水準だ。同じ期間、我々は一年も日本に対して貿易黒字を記録できなかった。対日本貿易赤字はこれまで中国で稼いだ規模とほぼ一致した。中国とは1980年代から貿易関係が本格的に始まり、昨年まで6980億6372万ドルの黒字を見せた。「中国で稼いだ分が日本に行く」と評価してもいい数値だ。対米貿易黒字(3583億4958万ドル)などを通じて、貿易でプラスを維持してきたわけだ・・

・・(※前政権が国産化を強調したという内容の後に)一部の素材と部品で成果を出したとしても、素材・部品・装備産業の日本依存関係は全く改善されなかった。政治家たちがいくら高く評価しても、経済は数値で語る。実際、昨年の対日本貿易収支赤字(マイナス241億ドル)は日本の輸出関連措置があった2019年(マイナス192億ドル)に比べてさらに増えた。赤字の多くの部分は素材部品装備から出ており、我々は一部の農産品などで黒字を見た。日本の前では、私たちは一次産業国家になる格好だ(明日ニュース)・・>>

 

で、上の画像が、2018年から2024年(7月まで)の韓国の対日本貿易収支です。確かに、マイナス(-)が続いているのがわかります。2019年から国産化~と言ってましたから、2018年から今年(7月まで)のデータを調べてみました。ドル基準なので、円安のことも考える必要があるでしょう。「件」の単位は件数で、「金額」の単位は1000ドルです(「10」が1万ドル)。ソースは韓国関税庁のサイト「輸出入貿易統計」。もう少し大きな画像はコメント欄(下にリンクがあります)に用意しました。2023年は円安が話題になっていた時期で、2024年もそうですが7月までのデータになりますので・・2019年の下半期、2020年の上半期あたりから国産化記事が増えてきました。やはり、先の記事も言ってますが、ほとんど変わってない・・というか、2020年からすでに、再び増加傾向になっていたことがわかります。記事になっただけでも数多い、国産化案件。いまはどこで何をしているのでしょうか。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます

 

ブログのカテゴリー、タグ分けを細分化しました。本エントリーの場合は「韓国経済の話」になります。ただ、細分化は2024年8月19日からで、その前はほとんどが『ユン政権の大冒険』『文在寅政権の行く末』あたりにあります。ブログ内検索なども併用してくださるようお願いいたします。

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。