2005年「ナノ・イメージセンサー開発しました」と政府支援不正受給した科学者、2024年「量子イメージセンサー開発しました」で家宅捜索される

2006年にナノ・イメージセンサーを作ったとして100億ウォンの政府支援を得て、それから何もせずに海外にいた科学者が、今年量子・イメージセンサーを作ったとして100億ウォン以上の資金を公募、家宅捜索されました。これだとどういうことかよくわからないし、個人的に懐かしい話でもあるので、ちょっと取り上げてみます。2005年、ナノイメージセンサーというのが話題になりました。日本製ばかりのイメージセンサーにおいて、画期的な性能を発揮、どれだけ暗い場所でも鮮明に撮影できるセンサーの開発に成功したというのです。作った人は、キムフン博士です。

ちょうど、ES細胞などで国中が盛り上がっていたこともあり、『私たちの時代が来た』など、かなり盛り上がりました。そんな流れがあったから、でしょうか。ちゃんと確認もせず、政府はキム博士に100億ウォンを支援することになります。結論から書きますと、それからこのイメージセンサー技術は偽物だと明らかになりました。ソース記事のKBS(25日)によると、100億ウォンのほとんどは回収できないでいる、とのことです。回収するにも相応の立証が必要だが、博士側が全然応じなかったので仕方なかった、とも。それから博士は海外にいましたが・・今年、「量子イメージセンサー」というものが出てきました。

 

暗いところでも鮮明に撮れるのはもちろんのこと、針なしに血糖値をチェックできるなどまさに魔法のような使い方ができるセンサーで、こうもすごいああもすごいという内容でした。そしてこのセンサーを利用した新しい事業を始めるとし、関連会社などはこれだけで90億ウォンを得た、とのことですが・・実はそのトップにはキムフン博士がいて、検察が家宅捜索に乗り出しました。まず、2005年11月10日韓国日報の記事から振り返ってみましょう・・って、7月24日にも超伝導体関連エントリーで、まったく同じ趣旨を書いた記憶がありますが・・最近特に多いですね、こういうの。LK-99が有名(?)ですが、その制作者の1人が、もっと高い純度と大量生産が可能な超伝導体LKK-17を発表したという内容でした。「すでに超伝導体として確認されているので、サンプルの抵抗チェックはしていないし、実験も不要だ」と主張していて、さすがに各メディアも「へーそうですか」モードでしたけど。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・量子力学を応用して4年間110億ウォンをかけて開発したこのチップ(※2005年、ナノイメージセンサー)は、従来のセンサーの500倍を超える高感度を持っており、暗闇の中でも鮮明な写真を撮影することができる。キム博士は「すでに国内外に50件余りの特許を出願した状態」とし「国内電子部品メーカープラネット82が50億ウォンを出して技術を移転しただけで3ヶ月以内にチップを量産できるだろう」と話した。これにより、日本企業に依存している既存のイメージセンサーチップに代わって年間1兆ウォン以上の輸入代替効果が発生する見通しだ。また、無人航空機、夜間透視装備など軍事装備や内視鏡、ロボット、閉回路テレビ、各種警報など医療および産業施設にも適用でき、370億ドルの外貨を稼ぐことが期待される。 50億ウォンの技術移転料のうち20億ウォンは研究チームに戻り、このうち10億ウォンは研究責任者の金博士に成果給として支給される(韓国日報、2005年11月10日)・・>>

 

<<・・同社の実際の所有者は「量子イメージセンサー」という革新的な技術開発で正常な投資誘致を試みたと主張しています。しかし、この技術はすでにKBSがいままで数回も取材して、実体がないと判明された技術です。「クォンタピア」社の内部情報提供者も、この技術が実態がないと述べました。量子イメージセンサー技術の開発者キム某博士。昨年、量子産業カンファレンスでの発表がメディアに報道され、新技術革新リーダーとして注目されました。【SBS 12時ニュース/2023年11月6日:「イメージセンサーだけで血糖をリアルタイム測定するモニタリング機器を開発…」】・・・・ところがキム博士、2005年にもイメージセンサー技術を開発したと言論の注目を集めた人物です。【キム○博士、KBS 9時ニュース/2005年11月10日「暗闇の中でも高感度センサーさえあればカラーで具現できる…」】・・

 

・・キム博士は当時、第2のファン・ウソクと呼ばれ(※まだ事実が明らかになる前なので、褒め言葉でした)、100億ウォンに近い政府支援も受けました。しかしKBSが2007年から疑惑を提起し、韓国産業技術評価管理院はキム博士の技術を実態がないものとし、支援金の回収を決定しました・・・・その後、米国にいたキム博士がまた戻ってきて、イメージセンサー技術でまた事業を行ったのですが、内部情報提供者は今回もキム博士の技術は実体がないと話します。【内部情報提供者/音声変調:「技術をもうちょっと把握しようとしても、全く何もありません。KBSで2016年に報道した内容。その時はナノイメージセンサーと呼んでいましたが、あれと同じです。その時も根拠がなく、今も根拠がなく」】。取材陣はキム博士側に数回も連絡しましたが、届かず、会社役員たちも公式な解明をしていません(KBS)・・>>

それから、事実と異なる内容で公示をしたなどの理由で、検察が動きました。というか、株価上昇などですでに90億ウォン以上残せたとのことですが、株買った人たちどうなるのか、と。長かったイメージセンサーシリーズも、ついに終わるのでしょうか。それとも、いつか「超伝導イメージセンサー」として帰って来るのでしょうか。超伝導ならすでにありましたので、ネタがかぶるかもですが。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます

 

ブログのカテゴリー、タグ分けを細分化しました。本エントリーの場合は「いつもの社会像」になります。ただ、細分化は2024年8月19日からで、その前はほとんどが『ユン政権の大冒険』『文在寅政権の行く末』あたりにあります。ブログ内検索なども併用してくださるようお願いいたします。

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。