サムスン電子のファウンドリー半導体が3000億ウォン台の赤字と報じられる中、韓国メディアはASE九州進出など日本・台湾半導体の動きに注目

本ブログで取り上げただけでも結構な数になると思いますが、韓国メディアの「日本半導体」への関心は想像を超えています。25日の「半導体以外はマイナス」、26日の「企業バリューアップ政策、スタートダッシュできず」などもそうですが、いま半導体の新しい拠点として日本が台頭するとどうなるのか、その懸念の反映だとも言えるでしょう。ちなみに、半導体好況と言ってるけど、サムスン電子のファウンドリー事業は4~6月期で3000億ウォンの赤字だったと見られる、とのことでして。そんな中、先月末からつい数日前まで、またまた日本、台湾の半導体関連記事が増えています。後工程最大手「ASE」の北九州進出、などなどです。

こちらはまだ確定したわけではなく、まだまだ多くのクリアーすべきハードルが残っているものの、土地の仮契約を結んだ、とのことでして。他に、ASEジャパンがある山形県のパッケージング工場にも先端ラインを新設することを考えているとか、そんな話もありました(これは6月27日聯合ニュースの情報です)し、各メディアは「前工程」のTSMCだけでなく、「後工程」のASEまで九州に拠点を置くのかと、大いに注目しています。現在、熊本県のTSMC工場は、後工程は含まれていません。ASEが進出するなら、九州内で『完結』できるとも言えます。また、ラピダスも、予定通りなら「2024年中に」ASMLのEUV装置を導入、ASMLも千歳市に拠点を開設、数十人規模でラピダスのパイロットライン構築を支援することになっています。また、自動化を進めるという内容も、記事になっています。

 

いろいろ、いまのところは順調です。日本だけで全てを解決しようとせず、日本が一つになって、その一つに台湾(TSMCなど)や米国(IBMなど)との協力、及び拠点開設などがまた一つ、さらなる一つとなって、三つのちから一つのこころでグローバルサプライチェーン再編に向かってほしいと、次の総理も、これはちゃんと続けてほしいと願いたいところです。こういうのは国際情勢とともに動くものだから、次のチャンスがいつ来るかも分かりませんし。 で、長くなりましたが、本題、毎日経済(18日)、ソウル経済(14日)の、日本半導体関連記事です。その内容は「海外メディアの記事を紹介する」ものがほとんどですが、ただならぬ緊張感が漂っている・・気がします。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・台湾の世界的な半導体後工程メーカーASEグループの日本子会社ASEジャパンが、日本九州の北九州市進出を検討中だという。熊本県に進出した世界最大のファウンドリ企業である台湾のTSMCの製品量産を控えて、ASEの進出がTSMCとの製造連携や、九州内での完結生産体制の構築につながるか注目される。14日、朝日新聞によると、ASEジャパンは先月31日、北九州市と約16haの市所有土地を取得する家契約を結んだ。北九州市若松区の「北九州学術研究都市」分譲地で取得額は約34億円と知られた。ASEは日本国内の生産能力拡大を検討しており、工場建設を念頭に置いている。

ただし、ASEジャパンは「まだ決まったことはなく、様々な条件を判断するために時間が必要だ」という立場を明らかにしたと朝日は伝えた。半導体関連工場の建設には、巨額の投資が必要なだけに、日本政府の補助金支給と規模が進出に重要な判断材料になるだろうと思われる。前工程委託生産世界最大手TSMCは、後工程技術も保有している。しかし熊本県菊陽町で年内に量産を始める第1工場と、建設準備が進行中の第2工場は、前工程のみに該当する(ソウル経済)・・>>

 

<<・・日本の半導体業界も復活の狼煙を上げています。日経新聞によると、ラピダスは人工知能(AI)などを活用した自動化生産設備を構築しています。ここで2ナノ半導体を生産するというのがラピダスの目標です。ラピダスは自動化により生産時間を大幅に短縮できると期待しています。ファウンドリ競合他社の3分の1レベルに時間を短縮できるということです。ラピダスの工程がTSMCとサムスン電子より2年遅れているが、2ナノのオートメーションで足場を設けるということです。TSMCとサムスン電子より2年遅い2027年から量産しても、生産時間を減らせば勝負できるというのがラピダス判断ですが・・

・・問題は時間です。ファウンドリ業界において、2年という時間は長すぎます。TSMCとサムスン電子が2nmを越えて1.6nm、1.4nmのロードマップを次々と出しました。ラピダスが大量生産を目指す時点が2027年です。サムスン電子が1.4ナノ量産に乗り出すと宣言した年です・・・・サムスン電子を見てみましょう。誰もが知っていますが、サムスン電子の状況も良いとは言えません。TSMCに追いつくために戦略を打ち立てたものの、4~6月期には、ファウンドリ事業で赤字であることが分かりました。業界では、3000億ウォン台の赤字だろうと見ています(毎日経済)・・>>

 

 

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