韓国政府、来年も「半導体補助金」出さず・・「半導体産業などに、日本・米国のような補助金が必要だ」との要望が相次ぐ

ちょっと出かける用事があって、いつもより早い時間帯に更新です。半導体だけでなく、先端技術(のようななにか)関連ニュースが補助金ください祭りになっていたので、一つ紹介します。どうやら20日、国会議員や経済・産業学会関係者たちが集まって、「グローバル競争力強化のた会」を設立したそうですが、そこで各技術分野での補助金関連の話がかなり出ていた、とのことでして。しかもほぼ同じタイミングの21日、ソウル経済紙が「企画財政部(日本でいうと財務省)が半導体補助金に反対している」という記事を出して、政府が「そうではない」とブリーフィングを行ったりしました。さらに、来年の予算にも、半導体産業などへの補助金は入ってない、とのことでして。

そういえば、本ブログも半導体関連で結構記事を載せましたが(韓国側に「日本」「半導体」関連の記事が多いこともありますが、個人的にも興味があって)、もう数ヶ月前から補助金が必要だという話は出ていました。それから、日本熊本県TSMC工場の開所式から、一段とパワーアップ(?)しました。今回、アジア経済(28日)がまた補助金関連記事を載せたので、エントリーしてみたいと思います。早い話、じゃユンたんも出せばいいじゃないか、ということになりますが・・半導体メガクラスター構想などで『民間が投資する』ということを、まるで政府が造成するような形で発表したことはありますが、いままで補助金を直接出したことはありません。

 

ついこの前にも、来年度の予算案に半導体業界へのなにかの支援が盛り込まれるということで、『今度こそは補助金か』と期待されていたものの、『低利ローン』を提供するというものだけでした。ほかは、税額控除などはありますが、補助金を直接支払うという内容はいままでもないし、発表されているものもありません。本当に企画財政部が反対しているのか、それは分かりません。ただ、似たような話は前にもありました。去年、いわゆる「K半導体法」のために与党と野党が対立していたときの話です。税額控除を増やすという内容において、与党はもっと税額控除を大きくすべきだと、野党は「大企業の場合はもっと少なくすべきだ」としていました。いつもなら与党と同じ(税額控除拡大)意見を出すはずの企画財政部は、野党よりも少なくする案をだして、野党が「お、おぅ・・」と賛成、そのまま決まったことがあります(後でユン大統領が反対してやり直し)。

 

今回も、政府はソウル経済の報道内容について「そうではない」としていますが、なにか具体的な論拠はなく、ちゃんとやっているとか、そんな内容だけでした。補助金関連の話なのに、ブリーフィングに補助金出したという話はないのも、ちょっとどうかと。理由は分かりませんが、とにかく補助金の話が出てこない韓国。これは個人的な考え(ソース記事などに書いてある内容ではない)ですが、韓国政府が発表した通商政策ロードマップにおいて、「WTOの機能回復」が強調されています。本ブログでも23日に紹介しました。実はこれ、WTOが機能していれば、今回のような「補助金競争が起こることはない」という見方も入っています。前から関連記事を読んでみると、日米の補助金を取り上げながら『WTOが機能していたらこんな補助金はできなかった』とする内容が結構載っていました。多分ですが、無関係ではないでしょう。以下、アジア経済から<<~>>で引用してみます。

 

<<・・政府は来年度予算の中で半導体業界に資金が迅速に調達できるように4兆3000億ウォン規模の低利貸出を供給することにした。しかし政策発表以後、業界では歓迎するとともに物足りなさの声が同時に出ている。ローン支援だけではグローバル半導体市場で競争力を維持するには不十分だからだ。現在、主要国は半導体産業を未来の国家競争力の核心とみなし、莫大な補助金をもとに競争的に投資を拡大している。米国は2022年「半導体支援法(Chips and Science Act)」を制定し、約73兆ウォン規模の補助金、融資、保証財源を設けた。これにより、米国内の半導体生産と研究開発(R&D)、人材養成に積極的に投資しており、主要グローバル半導体企業にも相当な補助金を支援した。例えば、マイクロチップは1億6000万ドル、グローバルファウンドレスは15億ドル、Intelは200億ドルに達する補助金を受けた。このような大規模な支援は、米国が半導体産業でグローバル主導権を握るための強力な意志を示している。

日本も半導体産業の競争力を強化するため、大規模補助金支援に乗り出している。日本政府は2021年「半導体産業基盤緊急強化パッケージ」を設け、約15兆ウォン規模の製造施設補助金財源を造成した。これにより、2022年には台湾のTSMCが日本に設立した第1工場に約4兆4000億ウォン、2023年には米国のマイクロンに約1兆9000億ウォンの補助金を支援した。このような積極的な補助金政策は、日本が半導体産業で競争力を回復し、グローバル市場での立地を強化するための戦略的選択だ・・

 

・・一方、韓国政府の今回のローン支援は、低資金提供という点で短期的なキャッシュフローを改善するのに役立つこともできるが、企業がより積極的な投資を誘導したり、グローバル競争で優位を占めるには限界がある。したがって、韓国政府が半導体産業を支援するために追加の補助金政策を考慮しなければならないという声が出るのは自然なことだ。補助金は、企業の財政的負担を減らしながらも大胆な投資を​​誘導する効果的な手段となることができる。最近、与党・野党議員と専門家たちは、半導体産業への直接補助金支援を検討しなければならないと提案している(アジア経済)・・>>

 

 

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