驚いたというべきか、思ったより遅かったというべきか。韓国検察が、文在寅前大統領を被疑者と摘示して捜査を始めました。昨日、娘さんの文多恵(ムン・ダヘ)さんとその夫(文大統領の婿さん)を捜査したというニュースがありましたが、その数時間後、関連した件で、2億2千万ウォンの賄賂のことで文大統領を捜査していることが明らかになりました。最初はMBCが報じ、それからKBSなど各メディアが報じています。また、SBSによると、野党の有力政治家の1人曺国(チョグク)革新党代表についても、今日から調査を始めます。チョグク氏は、当時の民政首席(大統領首席補佐官の1人)でした。
明らかに与党と野党が政治的に対立している状況下で、前大統領を捜査。ものすごく大きなニュースなのに、『またこの流れか』と思ってしまうところが、一番のオチかもしれません。MBCはこれを『頂点に向かっている』としていますが、まさにそんな流れです。この文大統領の娘・婿さん関連の件は、結構前からニュースが出ていました。しかし、文在寅前大統領が関わっていたかどうかを含め、ほとんど進展がありませんでした。ソース記事によると、ユン大統領と親しい関係の検事が赴任してから、この件が急に動き出した、とのことでして。まずは<<~>>で引用して、私見を少し加えてみたいと思います。ちなみに、婿さんは「ソ某氏」とされ、今は離婚したという報道もあります。
<<・・文前大統領の娘ダヘ氏の住宅地を押収(※家宅)捜索した検察が、令状に文前大統領を贈収賄被疑者として摘示したことが確認されました。イ・サンジク元議員を中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命する対価として婿が就職し、こうして婿が受けた2億2千万ウォン相当の給与などを賄賂と判断したのです。検察捜査が文前大統領に向かって進んでいます・・・・検察が昨日(※8月30日)、文在寅前大統領の娘ダヘ氏の家を押収捜索し、提示した令状に文前大統領を被疑者と、容疑を贈収賄としてしたことが確認されました。賄賂を渡した相手はイ・サンジク元議員です。イ元議員が中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命された対価として文前大統領の婿であったソ某氏を、自身が設立したタイ系低価格航空会社タイ・イスタージェットに採用したと見たのです。検察が摘示した賄賂金額は2億2千3百万ウォン相当。
タイスタージェットに専務理事として迎え入れられたソ氏が2018年7月から2020年4月の間に受け取った給与とタイの移住費などを賄賂として見たのです。就職以後、娘夫婦に支援していた生活費を支援しなくなったのなら、文前大統領夫婦が経済的利益を見たわけだ、というのが検察の論理です。検察は文前大統領夫婦の金融口座も押収し、娘夫婦との金の流れを追跡してきました。
検察はまたジョヒョンオク元大統領府人事首席を職権濫用容疑者としました。イ・サンジク元議員を中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命する過程に不当に関与したという疑惑です。検察は最近、イム・ジョンソク前大統領秘書室長、チョグク元大統領府民政首席も相次いで呼び、理事長理事長任命当時の意思決定過程を調べています(SBSの報道によれば、今日からチョグク氏を調査するとのことです)。特恵採用疑惑は4年前、国民の力が初めて提起し、告発につながりました。以後、進捗がなかった捜査は昨年9月、いわゆる親ユン系検事とされるイチャンス全州地検長が赴任しながらスピードを出し始めました。文前大統領を賄賂の被疑者として摘示したことで、検察捜査が文前大統領に向かっていく様子です(MBC)・・>>
うーん・・なんというか、生活費送らなくなったから賄賂と同じだ、というところもそうですし。本当に違法行為があったのか、文前大統領がどこまで関わったのか、今では詳しくはわかりません。多分、これからも「捜査結果に関係なく」よくわからないことになるでしょう。大統領弾劾の件すらも、いまだ詳しくなにがどう問題だったのか、よくわかりませんし。しかし、個人的に、いままでの似たような案件(前大統領関連)に比べると、ちょっと案件のインパクトが弱くないか、そんな気もします。ユン大統領としては、「もうこれしかない」と思っているかもしれませんが、これで世論がどこまで動くのでしょうか。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。