先月、大手からネットメディアまで、全固体電池関連記事が目立ちました。ただ、一時的なもので、話題が長く続いたわけではありません。いくつかの記事を総合してみると、各メディアがもっとも「推しの子」しているのはサムスンSDIです8月27日朝鮮日報、8月28日アジア経済、8月7日ニューシースが今回のソース記事です。全固体電池関連だとトヨタなど日本関連の話がもっと出るのかと思いましたが、「世界レベルで見ると、いまもっとも進んでいるのは日本で、特許の半分は日本のもの」など短い内容だけでした。電気自動車関連でいろいろニュースが出ているものの、やはり車の電動化という流れは変わらないでいます。それがもっとも大きな理由でしょう。
ただ、「このままだと中国メーカーがまた勝つ」という懸念が出ているのもあります。前にもお伝えしたことがありますが、最近、韓国のバッテリー関連主要メーカー3社の実績が大幅に低下しています。2023年7~9月期に1兆ウォンを超えていたLGエネルギー・ソリューション、サムスンSDI、SKオンの営業利益は、今年4~6月期には154億ウォンまで下がりました。株価も、(1年単位、高かった株価に比べて)20%~40%下がっています。2023年に「二次電池バブル」だったというのもありますが。バッテリーだけでなく家電・・そういえば最近はOLEDディスプレイパネルでも中国が世界トップシェアになったと聞きます。各分野で、日本メーカーがそのシェアを失い、韓国メーカーが台頭した頃と、よく似たことが起きているわけです。各メディアは、これをものすごく気にしています。バッテリーにおいても、全固体電池でなんとかする・・と期待しているのでしょう。
日本メーカーが韓国メーカーにシェアをとられたことと、いまの「中国メーカーが韓国メーカーからシェアを取りつつある状況」には、もう少し広い視野で見ると、異なる部分があります。8月22日にもお伝えしましたが、国家間の貿易収支で見ると、メーカーシェアに関係なく「日本は韓国からずっと黒字」状態が続いていますが、最近になって、「中国も韓国から黒字」になりました。『中国が韓国から黒字が出せるようになる前に、韓国が日本から黒字が出せるようになる』。2000年代になって、これは韓国の経済においてかなり大きなテーマ・・というか目標、のようなものでしたが、現状、それができたとは言えません。個人的に、これは韓国の経済関連ニュースでもっと大きく取り上げてもいいじゃないか、と思っていますが。なんというか、メモリーで似たようなことが起きたとき、どうなるのか・・それが本番になるでしょうけど。そんなこといろいろあって、各メディアは、自分たちがよく使っていた「超技術力でなんとかできる」という主張を、全固体電池がら見つけようとしているのかもしれません。長くなりましたが、では、本題、<<~>>で引用してみます。
<<・・Kバッテリーは中国外のグローバル市場でシェアが50%に迫るなど最上位圏の競争力を認められている・・・・高性能NCMバッテリーに集中する際、価格の安いLFP(リチウム・リン酸鉄)バッテリーを掌握した中国は走行距離を増やすなどLFPバッテリーの短所を改善し、LFPの市場シェアを37%まで増やした。また、偏波的な自国企業補助金で内需市場を独占した後、ヨーロッパ、北米進出も拡大している。次世代バッテリーであり、「ゲームチェンジャー」と呼ばれる「全固体バッテリー」分野では日本が速度を出している。トヨタは1990年代からこの分野の研究を始め、世界で最も多く1000件の特許を確保していることが分かった。特に日本は政府が出てから2030年までに合計5兆6000億円(約51兆6200億ウォン)のバッテリー分野民官投資を進行中だ(朝鮮日報)・・>>
<<・・全固体バッテリー量産において、サムスンSDIが一歩進んだ位置を強化している。全固体電池は安全性とエネルギー密度が格段に高く、次世代電池の代表ランナーに挙げられる。サムスンSDIは、どの会社よりも早く量産計画を具体化している。特に素材サプライチェーンを確保することが重要な状況で、国内外の素材会社との協力を決定したものと見られる。サムスンSDIの全固体商用化を主導しているコジュヨン中大型商品企画チーム長(副社長)は、全固体バッテリーサプライチェーンに対して「決定の仕上げ段階」とし「素材協力会社を一箇所だけに決めたりしない」と明らかにしたことがある。最近注目されている全固体バッテリー分野でサムスンSDIが最も先に進んだという評価を受ける理由だ(アジア経済)・・>>
<<・・全世界に視野を広げてみると、全固体電池技術で最も先にあるのは日本だ。日本は全世界全固体電池関連特許出願の半分を保有している。日本政府は最近、全固体電池の研究開発に官民ともに5兆6000億円(約54兆ウォン)を投資すると発表した。全固体バッテリー開発競争が本軌道に上がっただけに、今後の商用化が本格化する場合、関連市場の先取りをめぐって競争が熱くなる見通しだ。政府も全固体バッテリー産業先占のため政策を樹立するなど、産業育成のための動きが必要だという指摘が出ている(ニューシース)・・>>
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