韓国政府、連日「習近平主席が訪韓する可能性」に言及・・中国側は「条件」を提示

韓国政府(外交部)及び大統領室が、9月1日と2日、連日「習近平主席が訪韓する可能性がある」と話し、中国外交部がある種の「条件」を提示しました。個人的に、この前ユン政権が発表したばかりの「通商政策ロードマップ」が「日中韓首脳会談で中国側が主張した内容とそっくり」と見ていることもあって、なんだかんだで『接近(意味深)』を進めるつもりではないだろうか、そんな気もします。ただ、ニューシースノーカットニュースなどソース記事を読んでみると、なにか具体的なプランが出ているわけではありません。外交部長官(外相)が来年のAPEC首脳会議(韓国で開かれます)を「よいきっかけになる」と話しましたが、中国側も関連コメントでAPECなどについては言及していません。

習近平主席の訪韓となると、いくら中国経済の影響を強く受けているとは言え、この時期、「もしあったらあったで、素直に喜べないのでは」という印象もありますが・・韓国では、各政権、左も右もなくまさに念願に近い案件で、10年ぐらい前から同じ話が繰り返されてきました。つい最近のことは、2023年10月。杭州で開かれたアジア競技大会開会式のためにハンドクス総理が訪中しましたが、そのとき、習近平氏との面談でも同じ話があって、習氏が「訪韓についてももちろん考えている」「韓国まで飛行機でどれくらいかかりますか?」などと話したことで、朝鮮日報など右側も含めてほぼすべてのメディアが「中国が先に手を差し伸べた」と、大きく取り上げました。

 

当時も韓国政府は、「12月の日中韓首脳会談、来年の習近平主席訪韓」を推進していると報じられましたが・・日中韓首脳会談ははんとかなったけど、習氏の訪韓はまだです。今回、外交部長官と大統領室が相次いで習氏の訪韓に言及したことで、中国外交部もコメントを出しましたが、「具体的にはなにも話がない」「多くの成果が必要だ」とする内容です。成果とは、結局は『韓国側がどんなプレゼントを用意するのか』ということでしょう。この前、岸田総理が訪韓するというニュースを紹介しながら、韓国メディアは早くも「どんなプレゼントをもってくるのか」という記事があったとお伝えしましたが、今回は中国が韓国政府に「どんなプレゼントを用意したのか」としえいるわけです。2023年10月9日ファイナンシャルニュースに、外国語大学国際学ファンジェホ教授の見解が載っていますが、それも「ユン政権が相応の『プレゼント』を用意しない限り、習近平主席の訪韓は難しいだろう」とする内容でした。そのプレゼントとは、たとえば、「3不の堅持を明言」と「中国の核心利益(中国側がよく使う表現で、台湾問題など)」を尊重するという何かの約束、などです。そういうのを容易できるのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・大統領室は1日、「韓中間で、相互、ハイレベルから実務レベルまで関係を回復すれば、いつか習近平国家主席が訪韓する日も来るだろう」と明らかにした。また岸田文雄日本首相訪韓については「議題など調整中」とした。大統領室高位関係者はこの日、龍山大統領室庁舎で取材陣と会い、来年の慶州APEC首脳会議をきっかけに習主席が訪韓する可能性について、「中国も例年とは異なり、韓中関係復元に関心が高い」と述べた。続いて「具体的な日付や状況については言及するのが適切ではないと思われる」としながらも「まだ決まったことはないが、今のように復元していくと、そのような状況も来るだろう」とした(ニューシース、1日)・・>>

 

<<・・韓国政府が、来年の秋、慶州で開かれるアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議をきっかけにした習近平中国国家主席の訪韓可能性を言及し、中国当局が「適した雰囲気づくり」などを条件に掲げた。マオニング中国外交部スポークスマンは2日定例ブリーフィングで、「私も関連報道に注目した」とし「中韓関係の健康で安定的な発展を推進することは両国の共同利益に合致し、ハイレベルの交流は国家と国家の関係の発展において重要な役割を果たす」と明らかにした。スポークスマンは「同時に、十分な準備をして適切な雰囲気を造成する必要がある」とし「また、豊かな成果を得る必要がある」と強調した。続いて「次の段階、両国の具体的な交流について、私は現在、提供できる情報がない」と付け加えた。中国外交部のこのような立場は、市錫の訪韓が実現するための条件を提示したものと解釈される。韓中関係が前になく梗塞された中、市錫の訪韓のために、まず韓中関係回復などの雰囲気が造成されなければならず、経済協力など成果も導出されなければならないという意味に見える。

これに先立ち、ジョテヨル外交部長官は前日KBS「日曜診断」に出演して、習近平主席の訪韓時期を問う質問に「来年APEC首脳会議(来年11月慶州開催)が良い機会になるのではないか」と明らかにした。彼は「(韓中)高位級交流で常にそれは重要な関心事の一つであり、それで議論を続けてきたし、今後も下半期、様々なきっかけに関連議論を続けるだろう」とこのように語った。長官は「これまで韓国大統領が6回も中国に行って、習主席は1回来ただけで、いろいろな事項を総合的に見るとき、習主席が先に来なければならないのではないかと思う」とし、尹大統領の訪中ではなく習主席の訪韓可能性先に述べた理由を説明した(ノーカットニュース、2日)・・>>

 

中国側が話す「条件」、特に「成果」という言葉を、ちょっと軽く見過ぎではないでしょうか。先に紹介した教授の見解にあるような、結構重い話が(公開的に出てくるかどうかはわかりませんが)真っ先に出てくるはずですが。キャンプ・デビッド宣言は政権が替わっても続くと話したまだ2週間も経っていませんが、はやくもこの展開です。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます

 

ブログのカテゴリー、タグ分けを細分化しました。細分化は2024年8月19日からで、その前はほとんどが『ユン政権の大冒険』『文在寅政権の行く末』あたりにあります。ブログ内検索なども併用してくださるようお願いいたします。

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。