米国・フランス企業、チェコ原発受注に公式に異議提起、当局が審査手続きに・・韓国政府「一部設備を米国から買います」

8月25日にエントリーしましたが、韓国公企業が受注してユン政権の大きな業績とされている「チェコ原発」において、米国、フランスから異議が相次いでいます。いまのところ、チェコ側は、訪韓中の安保補佐官が「最終契約まで確信している」と話したり、ユン大統領が近くチェコを訪問する予定もあり、決定そひっくりかえす可能性は高くないでしょう。でも、韓国日報によると、ユン大統領が急に「米国会社の設備を利用することも考えている」と話すなど(今までは100%国産技術なので何の問題もないとしていました)、当初の予定のとおりには進みそうにないのもまた事実です。25日にもお伝えしましたが、今回韓国側は単価基準でフランスの半分、中国企業よりも安い単価で受注しています。予想外の出費(外国の設備を買ってくるなど)があった場合、ただでさえ疑問が提起されていた収益性にさらなる問題がおこるでしょう。

まず、チェコ側は、アメリカのウェスティングハウス、フランスのEDF(電力公社)の異議について、検討を始めるとしました。これもまた、先月27日に韓国各メディアは「チェコは、米国やフランスの異議を受け入れないと話した」と報じていました(元ソースは外国メディアだったとのことですが、結果的にははずれたことになります)。今回は、検討のための行政手続きに入り、どれくらいかかるかわからない、しばらく追加情報公開はしないとのことです。聯合ニュースなどは、チェコは2030年まで新しい原発を稼働させる計画でしたが、その計画そのものが遅れる可能性もある、と報じています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・チェコ経済競争保護局(UOHS)が、「韓国水力原子力」のチェコ原発事業受注に対する米国とフランスの異議申請に関連、そのための手続きに公式着手したと3日(現地時間)明らかにした。UOHSはこの日、声明を出して、先週原発建設入札手続きに対する米ウェスティングハウスとフランス電力公社(EDF)の異議申請を受けたとし、関連行政手続きを始めたと発表した。そして、事案の複雑さもあり、この手続きがどれくらいかかるかはわからないとも話した。チェコ政府は去る7月、自国原発建設事業の優先交渉対象者として韓水原を選定した。入札競争から脱落したウェスティングハウスとEDFは先月末、チェコ政府の決定に反発し、UOHSに陳情を出した。UOHSによると、EDFは韓水原を優先交渉対象者に選定したチェコ電力公社(CEZ)の決定を無効にし、新たに入札評価をすることを要求している。ウェスティングハウスは韓水原が自社が特許権を持つ原子炉設計技術を活用しており、自社の許可なしに当該技術を第三者が使用することはできないと主張している(聯合ニュース)・・>>

 

韓国の原発受注はUAEに続いて15年ぶりですが、当時は、素直に米国、日本などの設備や技術を公式に使っていました。8月24日朝鮮日報によると、「当時設備制作を担当していた斗山重工業が各種設備をウェスティングハウス側に発注」し、他にも「高価な発電機タービンなどはウェスティングハウスの最大株主である東芝に注文していました」(記事より)。だが、記事は、「私たちが原発核心設備の大部分を国産化に成功している。さらに最近になって、欧州など先進国を中心に原発発注が相次いでおり、2050年までに世界原発設備規模が現在の2倍に大きくなる状況で、ウェスティングハウスの牽制が強くなったという観測も出ている」としながら、いまは国産化できたとしていました。ユン大統領もウェスティングハウスとの件に、「100%国産だから問題ない」としていました。しかし、韓国日報によると、そのユン大統領本人が「一部の設備をウェスティングハウスから買うことも考えている」としています。

 

<<・・政府が、チェコ原子力発電所建設受注に反発している米国原発企業ウェスティングハウスと知識財産権(知財権)の葛藤を解決するために、ウェスティングハウス側から機材など原発設備の供給を受ける方案を有力に検討中であることが確認された。産業通商資源部と韓国水力原子力側はこれまで「チェコに輸出する原発は100%国産技術」とし、対応を変える必要はないという立場を固守してきたが、結局国内企業が作った設備ではなく米国会社設備を持ってくる状況に置かれたのだ。特に、ユン大統領が近いうちにチェコ政府に向けて原発輸出本契約の実現に向けた説得作業を行うと知られており、政府と韓水原が急いで状況を整理をしようとするのではないかという指摘もある(韓国日報)・・>>

繰り返しになりますが、個人的に、最終契約まではできるだろうと思っています。ただ、ウェスティングハウスから設備を買うなど、相応の「出費」は確かに増えるでしょう。というか、この件でもっとも困っているのはチェコ政府でしょうけど。そして、気になるのは、朝鮮日報も韓国日報も、本当に国産化できたのかどうかについては何も書いていない点です。ウェスティングハウス側の対応に問題があるというニュアンスですが・・しかし、文政権のときから続いた「国産化」もそうですが、本当に国産化できたのでしょうか。

 

 

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