韓国、ローン限度額が大幅に減少・・年俸約1000万円の人は、普通の銀行からどれくらいのローンが組めるのか

簡単明瞭、韓国で年俸1億ウォン(今日の為替レートで約1070万円)の人は、普通の銀行からどれくらいの金額のローンが組めるのか、というデータの話です。韓国経済関連ニュースに詳しい方なら、誰もが『評価はともかく、まさに家計債務に特化されている』と思ったことがあるでしょう。韓国の専門家の中には、これは「お金を借りることが『当然』とされるようになった」と表現する人もいます。そんな韓国経済において、今月から適用された新しい政策。その政策によって、前と今とでどれくらい金額が異なるのか。減ったなら、その分はどうするのか、金融機関Aから借りて、その分を金融機関Bから借りて返す・・そんな人たちが多い中、足りなくなった分をどうするのか。それはよく分かりません。

ユン政権の家計債務対策が、やっと本格的に動き出しました。本当は7月から施行する予定でしたが、ストレスDSR2段階というもので、施行直前になぜか「9月に延期」となり、9月から施行されました。要は簡単で、借りられる金額の限度を下げました。日本ではほとんど聞くことのない単語ですが、韓国の経済・金融関連ニュースだとDSRという言葉が本当によく出てきます。Debt Service Ratio(総債務元利金償還比率)、すなわち所得からどれだけの金額を債務の返済に使っているのか、というものです。このDSRによって組めるローンの金額が決まります。日本だとそんなの当たり前でしょう、な話ですが、韓国でこういうシステムが『事実上(制度は前からありました)』適用されたのが、文在寅政権からです。

 

それまではどうしていたのか、一部のメディアは、「制度はあったけど、実際には効果がなかった」としています。マンションなど不動産を『買わせる』ため、ある種の経済政策だった、とも言えるでしょう。いまだ、ジョンセ(伝貰、家を借りる制度)ローンなど、多くのローンに適用されないでおり、ユンたんが適用範囲を広げようとしていますが、反論も結構出ています。ストレスDSRとは、これの強化版です。単なる所得対比ではなく、変動金利のリスクを考慮して、加算金利を適用するという趣旨です。適用金利が上がると金融機関が貸す金額も少なくなるから、事実上、「借りられる限度」が下がる、リスクを下げることになります。

1段階目は2月から施行していますがあまり効果がなく、本番とされる2段階が9月から施行されたわけです。7月予定でしたが、急に2ヶ月延期になしました。では、前置きが長くなりましたが、今日の韓国経済が分析した、『年俸1000万ウォンの人は、先月と今月、組めるローン金額がどうなっているのか』。紹介します。『設定』として、住宅担保ローン(そのローンで買う予定の家をそのまま担保にする条件が一般的です)で、他の絵ローンはないとします。かなり良い条件でのシミュレーションで、いつもこの手のシミュレーション記事に関して、韓国のSNSやネットでは「実際は『こんな良い条件』で借りられる人はそういない」という意見が結構出たりします。

 

<<・・ストレスDSRの2段階規制施行などの影響で、住宅担保ローンを希望する人が受けられるローン限度はかなり減るものと見られる。ある市中銀行のシミュレーション結果を見ると、9月以降の2段階ストレスDSR体系で、年俸1億ウォンのA氏が30年満期(元利均等返済)で首都圏住宅担保ローン(コピックス基準6ヶ月変動金利)を受ける場合、他の融資がないと仮定すると、最大5億6800万ウォン(年間元利金3995万ウォン=元金1893万ウォン+利息2102万ウォン)まで借りることができる。5.79%(銀行金利4.59%+ストレス加算金利1.20%p)の金利を適用し、DSR40%(年俸40%、4000万ウォン)を満たした結果だ。しかし、もしこのAさんが先月(※2段階になる前に)4.97%(銀行金利4.59%+ストレス加算金利0.38%p)の金利で40年(※前は40年、50年ローンも普通にありましたが、9月から事実上難しくなりました)の首都圏住宅担保ローンを受けたとすれば、6億9400万ウォン(年間元利金3999万ウォン=元金1735万ウォン+利息2264万ウォン)まで可能だった。わずか数日で、限度が1億2600万ウォンも減ったわけだ(韓国経済)・・>>

 

Aさんのように「これから」な人はいいとして・・先も書きましたが、ローンでローンを返す人たちは、どうなるのか・・というのが、これからの問題でしょう。もちろん「人による」、ケース・バイ・ケースでしょうけど。というか、次の政権あたりにならないと表面化しないでしょうけど(笑)。最後に、いままでのデータをまとめてみると、2023年4~6月期のデータで、家計債務集計対象は1978万人、集計当時金額は1845兆7000億ウォンでした。韓国の経済活動人口は2800万人です。債務が無い人、または一部の自営業者などは家計債務カウント対象になりません(ローンの種類よっては自営業者が家計債務に重複カウントされる場合もあります)。彼ら1978万人の平均DSRは39.9%。すなわち、彼ら1978万人は、平均で年間所得の39.9%を債務の返済に使っています。その約70%が変動金利で、53,7%が満期一括償還方式です。元利均等返済ではなく利子だけ返済し、元金は満期が来たら一気に返済するタイプのことで、毎月返済する分は元利均等返済に比べて安くなります。ただ、リスクは高いと言えるでしょう。

 

 

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