韓国安保室次長、「ハリス候補の安保顧問たちは初心者で、私がおしえてやらないといけません」

ちょっと遅れて取り上げることになりました。また「教える」関連です。韓国の「安保」において事実上の責任機関とも言えるのが、大統領の一つ、安保室です。その安保室の次長が、アメリカの大統領選挙でトランプ候補をわずかにリードしている(トランプ氏が有利だという分析ももちろん出ていますが)ハリス候補の参謀たちのことで、安保について軽量級(※経験がない、見識がない)であり、もしハリス氏がアメリカ大統領になったら、その参謀たちに『私がいろいろ教えてやらなければならない』と発言しました。

本ブログ、韓国の外交はもちろん社会全般に広く、そして深く存在している、『キョ(教)ファ(化)』について何度か取り上げました。単に相手を説得する、問題を指摘する意味で教えるというならそれでいいかもしれません。でも、この場合はそういうものではありません。徳治の考えがまだまだ強く残っているから、でしょうか。結局は私が言う通りにするのが正しいことであり、そのとおりにしない相手には『教える』が必要だという、どことなく上から目線になりがちです。相手は自分と平等な存在であり、相手には相手の事情と考えがあるという側面が、かけているわけです。

 

この考えは外交においてもよく現れます。もっとも多いのが日本関連ですが、さすがに『程度』は異なるものの、外国、たとえば米国に対しても同じ指摘があります。前にも紹介した記事ですが、2019年3月25日中央日報の「韓国外交官は私たちを教えようとする、日本は自分たちで手伝えることはないかと言う」というわかりやすい題の記事がまさにそれです。記事は、文在寅政権のとき、米韓関係がピンチだとよく記事になっていましたが、そのときのものです。短く要約してみますと、日本の外交官たちは問題解決のために何かをしようとして、だから米国側も「じゃ、私たちはどうすればいいのか」を日本に問うことになりますが、韓国の場合はとりあえず『教えようとする』スタンスを取り、(それを名分にして)なにかをくれ、とよう頼んでくるというのです。

「ワシントンの外交官たちの間には、今の米韓関係が、両首脳間の政策や価値観が異なるだけでは説明できないものではないか、という指摘が少なくない」、「米国務省のある関係者は、『韓国の外交官たちと会えば、すぐに私たちを教えようとします(※日本語版では「教化しようとする」)。そして、何かを自分たちにくれ、と言い出します。頼みを聞いてやると、その後しばらくは連絡が来ません。後でまた連絡が来て、また会ってみると、また何かをくれと言ってきます」、「日本の外交官たちと会えば、まず『私があなたのために何かできることはありませんか」と言ってくれます。だから私も『じゃ、私は何をすればいいでしょうか』と言います」、などです。

 

左側は左側で、そして右は右で、とにかく教えようとする姿勢は同じである、とも言えるでしょう。ちなみにこの発言をしたキムテヒョ国家安保室第1次長は、韓国の安保関連で事実上の責任者だとまで言われている人物です。室長が何度も入れ替わりましたが、この人はユン政権になってからずっと次長の座にいます。これから東亜日報(9月5日)の記事を引用しますが、その前にもうちょっと私見を。このキムテヒョ次長、本ブログでも8月17日に紹介しましたが、『重要なのは日本の心』と話し、韓国内でかなりの議論を巻き起こしたことがあります。8月17日にこの件をエントリーしながら、私はこの『心』という単語が、実はただの教化、徳治関連の話ではないのか、と書きました。どうやら、アタリだったようです。次長だけの問題でもありませんが。以下、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・キムテヒョ安保室次長は、ユン政権で安保室長4人が入れ替わる間、ずっと次長の座を守ってきた人だ。対外政策の本当の実力者ではないかとよく言われる、そんな人だ。40代前半に李明博大統領府に合流し、対外戦略担当秘書館と企画館(首席級)で4年半も重責を務めた。次長ほど保守政府の対外政策に深く、また長く関与した人はいない。そんな彼が3日、フォーラムでこのように話した。次長は11月の米国大統領選挙で現職副大統領のカマラ・ハリス候補が当選した場合、想像できる政策リスクにはどんなものがあるのか、という質問を受けた。すると彼は、「(大統領ではない)副大統領ハリスに助言する参謀陣だから、来年以降にホワイトハウスに入れたとしても(※ハリス氏が当選し、その参謀たちがホワイトハウスに入っても)どのくらいカリスマを発揮できるか分からない」と話した・・

 

・・ジョー・バイデン大統領のもとで存在感が弱かったハリス副大統領の参謀なので、『重量感』がないという意味だった。キム次長はまた「民主党参謀たちだが、あまり聞き慣れていない名前だ」「ベテランをもっと入れなければならない」などの話もした。そして、「(私が)相手することになるなら、ハリスの外交安保参謀たちにいろいろ教えてやらなければならない」と話した(東亜日報)・・>>

本エントリー、米国大統領選挙関連コメントもOKです。なんか、すごい接戦だと聞きました。ハリス氏の人気上昇がちょっと弱まってきた、という話もありますし、まだまだリードしているという話もあるし、米国の選挙システム上、トランプ氏の当選可能性が高いという話もあります。選挙結果が出るまでは本エントリーで米国大統領選挙をメインで取り上げることはそうないと思いますので、ついでにどうぞ。

 

 

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