韓国、現実味を帯びる「政権交代」の動き・・与党側はリーダーの支持率が大幅に下落、野党側リーダーは高い支持率を維持

まだまだどう流れていくかは分かりませんが、韓国で政権交代の可能性がどんどん高くなっています。ちょうど岸田総理もユン大統領も、次の政権でも基本的な路線は変わらないだろうと強調していますが、日本はともかく、政権交代を『新しい天地開闢』だと思っている韓国で政権交代が起きたら、どうなるのでしょうか。日本だけでなく、米国、中国も含めて、経済政策も外交政策も文政権のときに戻るとなると、果たして。本ブログでは取り上げませんでしたが、先月、野党側のリーダーで、次期大統領選挙の有力候補とされる、野党側のイジェミョン代表とチョグク代表が会同し、政権交代のための協力を確認しました。いまのところイジェミョン氏の支持率が圧倒的に高いので、多分、候補を1人にしぼるなら、彼になるのではないかと思われますが・・順調にできるのかまでは、まだわかりません。

同じ頃、与党の韓東勲代表(ハンドンフン代表、いまのところこの人以外に与党側から次期大統領選挙に出られる人がいるとは思えません)は、支持率が下がるばかりで、各メディアから「必要以上に模範生になろうとする」という批判を受けています。政治だけでもありませんが、韓国では中道というのがあまり支持されません。にもかかわらず、中道のまねをするから問題だというのです。また、自分自身になにか問題があるとされるのを恐れる、いわば『無謬』を求める側面があり、対立などを避けるとも。これが、韓国保守支持者たちにとって、受け入れがたいことでもあります。前にも書いたことがありますが、実は文在寅氏も、もともとは『怒らない』政治家で有名でした。大統領選挙で朴槿恵氏にまけたときも、選挙のやり直しなどを要求する支持者たちに『選挙結果を認めてください』と公言したりしました。でも、それが問題になって、彼の影響力は大幅に下りました。

 

彼が再び注目されたのは、与党(朴槿恵政権)に『強く怒る』政治家になってからです。いわゆるチェスンシル・ゲートが発生したとき際に、彼は誰よりも強く朴槿恵大統領を攻めました。それが、後に大統領になる大きなきっかけにもなりました。少なくとも韓国では、支持者たちが求めるのはそういう姿であり、いまのハンドンフン代表のようなスタンスは、支持を集めることができません。ソース記事の文化日報(今日)も、同じことを指摘しています。中道がいいとも言いきれませんが、バランス取りになるという意味では、また時代によっては、支持されてもいい気もしますが・・韓国では誰もが「もっと中道が必要だ」と認めながらも、実際、そんなスタンスを誰も支持しない。これが数十年前から続いています。「次の大統領として支持する人物」という調査(いくつかの機関が調べているので少しずつ異なりますが、これは韓国ギャラップ社のものです)にて、総選挙前の3月と、今の9月を比べてみると、野党のイジェミョン代表はプラス3%pで26%(同じ内容の別の調査で27%)、ハンドンフン代表はマイナス10%pで14%(別調査で9%)。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ハンドンフン「国民の力」党代表の支持率の下落が尋常でない。韓国ギャラップ基準で6ヶ月間に10%ポイントも下がった。代表が強調してきた「中道・首都圏・青年層」からの支持も下がり、保守層の支持率も下がるばかりだ。次期大統領として希望される政治家が最優先にすべきことは、伝統的な支持層をつかむことだ。代表が中道にこだわり、伝統的な保守層を支持して当然のように思い、中道首都圏青年層だけ強調すると、高い対価を払うことになる可能性がある・・・・代表は現在までは与党においてもっとも注目される未来の政治指導者だ。そんな韓代表が急な支持率下落を経験している。韓国ギャラップが月に一回で実施する「次期政治指導者支持率調査」で、韓代表が最高値を取ったのは総選挙を1ヶ月余り控えた3月1週の24%だった。ところが半年経って9月1週には支持率が10%ポイントも下がって14%を記録した。同じ期間、イジェミョンともに民主党代表は23%から26%に3%ポイント上がった・・

 

・・特に、伝統的な保守層からの支持率低下の推移が重い。国民の力支持層だけでみると、59%(3月1週)→45%(7月1週)→41%(9月1週)に急転直下だ。6カ月で18%ポイントも下がった。同期間、イジェミョン代表に対するともに民主党支持層たちの支持率は、59%→55%→58%と、安定していた・・・・すべてが完璧でなければならない模範生は、手をよごしてはならないというおそれ、攻められるのではないかとするおそれで、懸案あるいはライバルに対する正面勝負を回避する傾向がある。韓代表がそうだ。ユン大統領の前ではちゃんと言えず、あとで国民に言いつける(※ユン大統領と意見が合わないことが結構あります)。いざ野党代表と会談する際には、各案件で強く出られない(文化日報)・・>>

 

実はユン大統領もそうですが、ハンドンフン代表もまた「相手の話を傾聴しないで、自分で多弁する」タイプだと言われています。ユン大統領の場合、本当かどうかはわかりませんが、1時間会議すると59分は自分で話すという話もありました(笑)。ハンドンフン代表もまさにそんな人で、二人の相性がおもわしくないのもそのためかもしれません。

 

 

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