第七鉱区関連、日韓大陸棚協定の協議始まる・・韓国側は「友好的な雰囲気のため、まず既存協定の延長を」

これもまた、韓国側だけ盛り上がっている雰囲気の案件ですが・・第七鉱区関連で、日韓南部の大陸棚協定(JDZ協定)をどうするかの協議が始まりました。局長級レベルだそうです。韓国側は「友好的な協議のためにも、まずは協定を延長し、それから協議を進めよう」というスタンスですが、日本側は協定を延長しない可能性が高いと、ソース記事のヘラルド経済など複数のメディアが報じています。記事によると、日韓両国は1974年1月大陸棚共同開発協定を締結、東シナ海8万2557㎢の大陸棚を共同開発区域に指定しました。しかし(発効日から50年後の)2028年6月22日、期限が終わります。協定満了の3年前、すなわち来年の6月22日から、締約国の片方が協定終了を書面で通知することができます。もし書面終了通知がない場合は、とりあえず協定は引き続き有効な状態になります。ユン政権としては、その前になんとかしたい、といったところですが・・

記事は、もし協定が終了しても、国連海洋法条約83条3項などにより、日本だけで開発することはできないだろうとしています。多くの国際条約にあるいわゆる「誠実交渉」に関するもので、向かい合っている、又は隣接している海岸を有する国の間における大陸棚の境界画定は、国際法に基づいた合意による、とする内容です。最近の国際法は、日韓大陸棚協定締結のときとは異なり、大陸棚の中間線を重視するようになっているため、日本側に有利だとされています。今回の記事で特に気になったのは、外交部長官(外務大臣)が、「私たちは、日本が自分たちだけで資源を開発しようとしているものだと見ているが、日本側はそれを認めていない」と明言している点です。もうこの時点で、日本側が協定延長などに応じる意味はないとも言えるでしょう。以下、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・大陸棚7鉱区に対する日韓南部大陸棚共同開発協定(JDZ協定)の終了通知可能時点が9ヶ月前に迫り、両国外交当局間の実務級対話が始まった。韓国政府は友好的な雰囲気を続けるためにJDZ協定が延長された状態で協議をしようという立場で、対話に出る・・・・ジョテヨル外交部長官は10日、国会の対政府質問で「外交部がタスクフォース(TF)チームを作って対応しているか」というユンサンヒョン国民の力議員の質疑に「(TFチームは)別にないが、日本と国長級レベルで対話を始めた」と明らかにした。これまではそれぞれの部門で疎通しているという立場だったが、この日、具体的な対話チャンネルが言及されたのだ・・

 

・・外交情報筋たちは、これまで協定履行に消極的だった日本が協定終了を通報する可能性が高いと見ている。2月、上川陽子日本外務相は「再交渉を含め諸般事情を総合的に判断して適切に対応するつもりだ」と明らかにした。日本の官僚が公式席上で再交渉の可能性を公開的に取り上げたのは事実上初めてだった。2002年両国共同探査で韓国は分析結果肯定的に評価したが、日本は「経済性がない」という理由で探査に消極的な姿勢に変わった。協定締結当時は、大陸が伸びてきた海底で境界を決める「自然延長論」が広く認められたが、国際法の傾向が変わり、中間線(等距離線)基準が普遍化した。日本沖縄海口の前に位置する第7鉱区との距離が近い。日本に有利になったわけだ。1982年には、領海基線から200海里までをEEZと定める国連海洋法協約も締結された。このような判断で、日本が共同開発に消極的であるという分析がでてきた・・

・・ジョテヨル長官は「国際法的気流が、前には私たちに有利な大陸棚延長線だったが、中間線基調に変わり、日本が自分たちだけの資源開発を考えているのではないか」という質疑に「私たちはそのようなことを考えての行動だと思っていますが、日本は認めていません」と明らかにした・・・・実際のJDZ協定が終了すると「境界未画定水域」として残る。この場合でも、片方だけに帰属したり開発することはできるわけではない。政府は「もし協定が終了するとしても、現行の国際法上、両国の大陸棚が重なる水域では、他方の同意なしに資源開発に乗り出せない」と明らかにした・・

 

・・長官は「問題は、今ある協定体制を延長しながら協議するのか、協定が終了した状態で交渉するかという問題だが、私たちは交渉にもより友好的な雰囲気になるように(協定体制が)続くことが重要だとし、説得している」と明らかにした。外交部当局者は11日、「これまで様々なレベルで継続的に疎通してきた」とし「多角的な努力を続けている」と明らかにした(ヘラルド経済)・・>>

このような認識のなか、延長したところでどうにもならないでしょう。未来の日本に、問題を残すだけです。もし協定をするとしても、いったん既存の協定を終了してからのほうがいいでしょう。いつものことですが、「これが友好だ」という類の表現が出てきたときが、もっとも注意すべきときでもあります。

 

 

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