中国国営メディア「米国の措置に参加すれば、韓国半導体メーカーのHBMは輸出価格が安くなって利益が大幅に減少することでしょう」

6日と11日にそれぞれ取り上げましたが、HBM(広帯域メモリー)や3Dプリントなど先端技術について、米国BIS(Bureau of Industry & Security)は新しい輸出関連措置を発表しました。中国への輸出などにおいて、事前に許可を得る必要があるという内容です。項目によって日本、イギリス、オーストラリアなどは一部の国が免除国家(いわば、ホワイトリスト)に入っています。そこ措置について、ちょっと意見がわかれています。多くのメディアは「大した問題ではない」としていますが、一部からは「中期・長期で考えると、大きな影響がある」という指摘も出ています。実際、関連カンファレンスに参加したが、と話したとする記事もあります。今日も、オーマイニュース韓国経済に関連記事が載りました。一つは、HBMを製造している3社、マイクロン社、SKハイニックス、サムスン電子のうち、サムスン電子には大きな影響があるだろうという記事です。

もう一つは、中国の国営メディアが、韓国メーカーは自分の利益をあきらめてはならないとする主張を展開した、という記事です。米国の言う通りにしてはならない、という趣旨です。「問題ない」とする主張のほとんどが、「中国に入るHBMはほとんどないから」ですが、本当にそうなら、中国がなぜこのような主張をしているのか、そこがちょっと気になります。オーマイニュースは、この前一部のメディアで話題になった『中国が韓国メーカーのHBMを大量購入している』とする記事(本ブログでは5日に取り上げました)などで、実はサムスン電子のHBMはかなりの数が中国に入っており、最近、サムスン電子の株価が9万ウォン台から6万ウォン台にまで下がり、外国投資家たちが離れているのも、これが一つの理由だと主張しています。以下、<<~>>で引用してみます。オーマイの方はユン政権に対して「とりあえず」反対する記事が多いですが、そういう部分は省略しました。

 

<<・・中国の官営メディアが、米国が韓国に広帯域メモリー(HBM)輸出関連措置を圧迫したことと関連し、「メーカーは自分の利益をあきらめてはならない」と主張した。人民日報系列英字紙グローバルタイムズは13日(現地時間)の社説で「韓国は冷静な態度を維持するよう勧告する」とし、このように明らかにした。アラン・エステベス米国商務省産業安保次官は10日、ワシントンDCで韓国貿易安保管理院が開いた「2024米韓経済安全保障カンファレンス」の基調演説で、サムスン電子・SKハイニックスが生産するHBMが自国と同盟国に供給されなければならないと強調した・・・・グローバルタイムズはこれに関して、「米国とは対照的に、中国は韓国を含む他の国々とウィン・ウィンのためのロードマップを模索してきた」とし「両国(韓国と中国)間の経済的補完を活用するために韓国は米国輸出関連措置とデカップリング推進を回避すべきだ」と主張した・・

・・それと共に「半導体部門で中国と協力を深化し続けるかどうかが、韓国の知恵を試すことになるだろう」とした。また、「米国の政治エリートらは、韓国のHBMが米国と同盟国にのみ販売されることを望んでおり、これは該当半導体輸出市場が萎縮することを意味する」とし「輸出関連措置がHBMに拡大されれば韓国半導体産業がもっとも利益をうしなうことになるだろう」と見通した。続いて「これは供給と需要バランスに影響を与え、結局、韓国HBM市場価格に影響を及ぼし、輸出価格が安くなるだろう」とし「その結果、韓国半導体会社はHBM関連事業で利益が減少することになる」と指摘した(韓国経済)・・>>

 

<<・・(※SKハイニックスはNVIDIAの注文に合わせているし、マイクロンは中国にHBMを輸出していないという話の後に)しかし、サムスン電子は異なります。8月ロイター通信は、中国企業が米国の措置が始まる前にHBMを確保するため、サムスン電子から大規模な買収をしていると報道しました・・・・朝鮮BIZは業界関係者の言葉として「現実的ではない」という記事を出しましたが、毎日経済は韓国と中国の貿易統計数値に基づいて、中国のサムスンチップ多量購入が政府統計でも確認できたという記事を出しました。HBMに対する対中国輸出関連措置が始まれば、サムスン電子が最初に影響を受けることは明らかです。1つの確かなことは、中国企業が米国の対中HBM関連措置を予想して、あらかじめ確保しているということです。ロイター通信も、HBMに対する米国の措置が9月中にはあるだろうと予想しました。そしてその予想はますます現実味を帯びてきました(オーマイニュース)・・>>

 

さて、こんな記事が国営メディアから出てくるのに、本当に「中国に輸出するHBMはほとんどない」のかどうか。ちなみに「中国が韓国側からHBMなど多量の半導体を買っている(確保している)」というニュースは、結局は韓国メーカーを『抜け道』として使っているという意味で、8月27日朝鮮日報などが報じています。その規模は約41兆ウォン。サムスン電子は全体の売上の3割を中国であげていますが、その9割は半導体によるものだ、とも。全体の半導体輸出の3割は中国だとされています。 さて、最後にまた告知ですが、明日は1日休みをいただきます。次の更新は、15日(日曜日)のいつもの時間、11時頃になります。

 

 

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