韓国、秋夕(お盆)ギフトの写真が話題に・・不景気の中、「梨1個」「カップ麺とチョコバー」など

韓国では旧暦8月15日を秋夕(チュソク)と言います。ソル(旧暦1月1日)とともに、もっとも大きな「名節」(時期的に特別な意味を持つ祝日など)です。今日、人によっては昨日から、その連休に入りました。確か、水曜日までだったと思います。もともとは故郷の親の家を訪れ、ご先祖様に祭祀を捧げたりしますが、最近は海外旅行にいく人のほうが多いとも聞きます。私の場合も、韓国にいたときにはよく日本旅行に来ていました。懐かしいですね。最近は日本の振替休日のようなものが出来て多少緩和されましたが、韓国はもともと三日以上の連休が珍しい国で、年にもよりますが3~5日休めるソルやチュソク連休は、休みとしても結構貴重な存在です。で、その秋夕ですが・・ネットコミュニティーやSNSなどに、そのギフト、この場合は会社からもらったギフトのことですが、その写真が話題になっています。

日本でもシーズンによって各種ギフトセットがスーパーやデパート、コンビニなどに並んだりしますが、韓国でも名節、特に秋夕(「収穫」から豊かさのイメージがあります)には、個人同士だけでなく会社も職員たちにギフトを配ります。私も歯科医師だった頃、ソルや秋夕には近くの先輩や世話になった方々のためにギフトを購入し、職員たちにもギフトセットを贈ったりしました。(私が韓国にいた頃の感覚からして)数十万円するものもありますが、安いものは1000円たらずでも買えます。スティックコーヒー、ツナ缶などのセットは特に安かったと記憶しています。それよりはもちろん高いですが、りんごや梨などの果物のカゴやボックスも、とても歓迎されるギフトです。秋夕やソルは会社からボーナスが出る時期でもありますが、それとは別に、こういうプレゼントももらってうれしい、そんな存在です。

 

でも、社会的にちょっとこれを「気にしすぎる」側面があります。贈り物だから、もらって当然ものものなどないでしょうに、ちょっと気に過ぎで、いつものことですが、「比べる」人が多すぎます。また、会社も会社なりに、安いものを適当に配っておいて、公的な場においては「私たちは、不景気の中でも社員たち贈り物を配りました」と、韓国で言う「共に生きる」会社運営をしていると、アピールしたりします。そういう社会像を念頭に置いて、のことですが・・イーデイリーなどによると、どうやら今年、中小企業などの秋夕ギフトが大変なことになっているようです。普通なら梨なそをボックスで贈ったりしますが、ボックスを開けて「1人1個ずる」持っていくようにしてそれを秋夕ギフトにしたり、「秋夕ギフト」とメモ紙がついているカップラーメンをもらったという人もいます。近くのコンビニで2個買えばもう1個もらえるキャンペーンやっている商品だ、とも。梨などボックス開けて1個ずつ、というパターンの場合、一部は「解体ショー」と表現しているそうです。ネットコミュニティーでのいつものことかな、と思いましたが、他にも中央日報や朝鮮日報など大手も取り上げているし、SNSなどでも同じ写真が多いとのことでして。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・秋夕連休を迎え、一部の中小企業労働者たちが秋夕プレゼントに対する写真をあげ、「笑えるけど悲しい」現実が反映されたと言われている・・・・Aさんは、梨が複数個入っているギフトボックスの写真を載せて「1人1個ずつ持っていけ、とのことです」と明らかにした。通常、チュソクの贈り物であれば、複数の梨が入った箱をプレゼントすることが多いが、この場合には、1人につき船1個ずつ分けていくということだ。他にもBさんは、スティック状の健康食品(※一般論ですが、スティック状のものは韓国では特に安い贈り物とされます)を、社長が小分けして持っていくように注文したと明らかにし、またビニールにツナ缶3個をプレゼントとしてもらったとか、トイレットペーパー3個をもらったという人たちもいる。また、カップラーメンとチョコバー1個を受けたという人もいた・・

 

・・彼は「出勤したが、机の上に(カップラーメンが)おいてあったのでなんだろうと思った」とし「部長がなにか文句を言っていたので聞いてみたところ、社長が家族旅行で空港に行く前に、プレゼントをあらかじめ机の上に置くようにした」と、会社の前のコンビニで2+1ラーメンを買って、それをおいて自分はアメリカに遊びに行った」と伝えた。会社の事情が良くなくて秋夕プレゼントを贈ることができないという社長が、高価な外国車から降りる姿を目撃したという話も伝えられた。該当事情は接したネットユーザーたちは「笑えて悲しい」という反応で、現実に共感していた(イーデイリー)・・>>

先も書きましたが、私たちは共に生きるメン(麺)とか、そういうなにかの理由はあるかもしれません。でも、事情が事情なら「今年はプレゼントは無しです。去年は梨でしたが」と言えばいいじゃないでしょうか。そう言えない、いや言わないのもまた、社会像といったところでしょうか。プレゼントだからありがたくいただくべきである・・のはわかっているけど、さすがにこのスタンスはちょっと。

 

 

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