今年1~7月、訪日韓国人観光客520万人、訪韓日本人観光客167万4千人

岸田総理とユン大統領の関係において、「それは、片恋だったのか」とする題の記事があったので取り上げてみます。片恋というのは、岸田総理が、韓国側が期待していたほどの対応をしなかったという意味です。どこがだ、といいたくなる側面もありますが、韓国ではそういうこととされています。記事でも、岸田総理を「甲」と表現しています。ガブル(甲乙)関係というのは、韓国では上と下の関係をあらわす表現として有名です。大企業が中小企業に無理のある契約を要求するという意味で、契約書の甲乙からきた表現だと言われています。で、いろいろ書いてありますが・・ソース記事の京郷新聞(14日)は、論拠として2つを指摘しています。一つは、日米韓安保協力。もう一つは、「民間交流」です。そこで、なぜか訪日韓国人観光客の数と、訪韓日本人観光客の数が論拠として出てきます。ユン大統領も岸田総理もよく民間の交流を主張しますが、これだとバランスが取れていない、というのです。

観光とはどういうものなのかを考えると、そうではないとすぐ分かるでしょうに。前に本ブログでも・・一つのエントリーにした記憶はありませんが、韓国メディアは何かあれば日本旅行について、暑い、地震が来るかもしれない、などなど様々な案件で「だから行かないほうがいいのでは(『いい』とは言わない)」という趣旨の主張をします。そして、観光客が増えたというデータが出るたびに、『円安だから』『安すぎるから』などと主張します。実はその期間、ウォンもかなり安くなっていたし、そもそも為替レートの変化がそこまで訪日韓国人観光客の数を決定づけているというデータもありません(為替レートによる変化はあるものの、相対的に円高のときにも大勢の人が訪日する)。今回、記事は『ユン大統領は、日本の成功した韓国人観光客誘致に拍手を送ったようなものだ』としています。これが本音ではないでしょうか。以下、観光客関連の部分、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※岸田総理とユン大統領の)どちらも10人のうち3人しか支持しなかった。そんな二人の出会いが長く続くはずもない。関係で「甲」という評価を受けていた方が、先に去る事となった。「乙」は、そんな「甲」の送別会にまで慎重に力を注いだ。「本心」という評価まで出た。岸田文雄日本首相に向けたユン大統領の心は、こんなにも格別だった。支持率が20%台に下がったユン大統領に、韓日関係の改善は誇りだ。機会あるたびに「日韓関係正常化」に言及する。支持率が10%台まで下がって退任することになった岸田首相も、日韓関係が誇りだ。処理水放流、佐渡島の金山世界文化遺産登録などを主要成果に挙げる。いずれも韓国の同意を受けた事案だ。外交は「カップに水が半分以上満たされたので、残り半分を満たしてほしい」という式のゲームではなく、ジャンケンのような「同時ゲーム」に近い。国益が完全に一致しない限り、引き分けというものもない。結局、二人のうちの一人は、負けたことを合理化しているか、それとも認識すらできないほど勘違いしているという意味だ・・

 

・・退任を控えた岸田首相は去る9月6~7日、韓国を訪問した。ユン政権を相手にした2年余りの成果を振り返った。ユン大統領は「岸田首相と共にできた成果は大統領に就任して以来最も意味のあることになった」とし「経済と安保をはじめとする様々な分野の政府間協議体はすべて復元された」と答えた。成果の兆しのように「今年両国の人的交流は1000万人を超えると見ている」という言葉も付け加えた。両首脳の主張とは別に・・・・2024年1月から7月まで日本から韓国を訪問した観光客は167万4952人(韓国観光公社データラップ統計)だ。

同じ期間、韓国から日本を訪問した観光客は519万9800人(日本観光庁統計)だ。 2024年基準の韓国人口は約5175万人だ。日本は約1億2263万人だ。日本が2倍以上も多い。それにもかかわらず、観光客数は韓国から日本に訪れた数が約3倍と多い。ユン政権が批判している文在寅政権だった2019年、日本から韓国を訪れた観光客は327万1706人だった。復元したという関係が観光収支赤字に役立つわけでもない。韓国観光公社によると、今年の月別韓国の観光収支(観光輸入から観光支出を引いた数値)は一度も黒字だったことがない。2024年7カ月間の累積赤字暫定値が約64億ドルだ。結局ユン大統領の1000万人交流発言は「日本の成功した韓国人観光客誘致」に拍手をしたことに近い(京郷新聞)・・>>

 

家族単位で遠くの国まで行ってそこそこ長く泊まる・・となると為替レートは結構大きく響くでしょうけど、日本と韓国の旅行はそういうパターンにはなりません。家族単位で行く人も多いですが1人、または友人といっしょに行く人のほうが多く、週末だけ行ってくるという人もかなり多いのが特徴です。物理的に距離が近いですから。でも、いつもは円安円安と言っていたのに、こういう記事では言わないんだな・・と思うと、なんか面白いですね(面白くないけど)。一度訪れて、また訪れたくなるのかどうか。それが重要ではないでしょうか。

 

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