韓国半導体業界、また雰囲気反転か・・サムスンは米国の2ナノ・4ナノ工場から人員撤収、SKハイニックス目標株価は54%下向調整(モルガン・スタンレー)

また半導体関連記事が増えましたが、最近のトレンドからすると珍しく、日本関連ではありません。しばらく半導体輸出回復で息を吹き返していた韓国ですが、早くも半導体・・ソース記事で主に書いているのはDRAMなどメモリー関連ですが、半導体の好況サイクルが早くもおわったのではないか、という話が出ています。特に、SKグループのことで、いろいろと。ハンギョレ新聞(12日)、韓国経済(17日)、マネートゥデイ(11日)などがソース記事です。2021年からの半導体不況サイクルを予測したことで有名なモルガン・スタンレーが、また『もうピーク』とする報告書を出し、SKハイニックスの目標価を54%も下げた、とのことでして。理由は、中国によるDRAMの過剰供給などです。HBM(広帯域メモリー)などで、最近はサムスン電子よりも存在感を発揮していたSK。

グループ全体でも「現金が足りないのでは」という話が出ているし、急に雰囲気が反転しました。エヌビディアもそうでしたが、『まだ』実績そのものが問題というわけではないけど、将来性、期待値が高すぎたなどで株価が下がる、そんな現象が起きるのではとされています。また、サムスンが米国テイラー工場からスタッフを撤収させた(半分以上)というニュースもありますが、これ、個人的にはもう少し大きく報じられてもいいのでは・・と思っています。2022年、「ファウンドリ1位におれはなる」としながら、サムスン電子が2ナノのために作ったものがテイラー工場です。補助金とかも結構もらった(もらうことになった)とのことで、工場は運用しないわけにもいかないそうです。でも、記事によると『2年間、装備セッティングもできなかった』とのことでして。

 

8月25日、「半導体以外だとすべてがマイナス」とする分析を紹介したことがありますが、いま半導体関連で実績がだと、日本のほうも気になります。グローバルサプライチェーン改編の流れとともに、日本は半導体など経済安保への大規模投資を再開したばかりです。いまのところは結構いい線いってると思いますが・・世界的にショボーンとヒャッハーのサイクルがこんなに短く入れ替わると、その流れに良いことはないのでは、そんな気がします。これはサイクルの好況、不況に関係なく政策として進めるという側面もありますが、関連企業が盛り上がるかどうかの話題も必要でしょうから。で、モルガン・スタンレーの報告書とか、サムスン電子が2ナノの収率問題でアメリカに派遣していた人たちを撤収させたとか、SKグループの流動性問題とか、各メディアから<<~>>で引用してみます。

 

<<・・モルガン・スタンレーがSKハイニックスに対する目標値を54%下げた。投資意見も二段階下げた。事実上SKハイニックスに対する売りを推薦する報告書だ。8月に「半導体業況のピークに備えよ」というタイトルの報告書を出してから1ヶ月ぶりのことだ。16日、証券業界によると、モルガン・スタンレーは15日、「冬がすぐに迫る(Winter looms-Double downgrade to UW)」というタイトルでSKハイニックスに関する報告書を発刊し、目標株価を既存の26万ウォンから12万ウォンに下げた。投資意見は「比重拡大(overweight)」から「比重縮小(underweight)」に下方調整した。「DRAM半導体市場の実績増加率の高点は今年10~12月期だろう」・・・・「来年から業況が崩れ始め、2026年まで過剰供給状態に直面するだろう」と話した・・・・モバイルやPC DRAMの需要が思ったほど強くないという点についても懸念を示した。モーガンスタンリーは「中国のメモリ半導体企業の積極的な投資により過剰供給がもたらされる可能性がある」とも述べた(マネートゥデイ)・・>>

 

<<・・(※大企業の現金事情が思わしくないという話として)急を要するのはSKのほうだ。SKグループの1~3月期の純借入金は85兆9千億ウォンで昨年同じ期間(82.0兆ウォン)に比べて4兆ウォン以上増えたた。2021年末(55兆4千億ウォン)と比べると50%以上急増した規模だ。純借入金は、全借入金から企業が保有する現金と現金性資産を差し引いたもので、財務安定性を判断する重要な指標だ。昨年、SKハイニックスの大規模損失とともに、低金利時期に大々的におこなったバッテリーなど新事業への投資が問題になった・・エスケーグループの2020~2023年の外部持分投資額は15兆ウォンに達する。

一方、成果はおもわしくない。1兆ウォンを上回る評価損失が発生した米国水素企業プラグパワー投資が代表的だ。事業着手以来、昨年まで累積投資金約23兆ウォンを注ぎ、まだ損益分岐点を超えていないバッテリー・素材事業は、流動性問題の核心だ。前には毎年1兆ウォンを超える利益を出していた「孝子」石油化学事業も不振だ。半導体景気回復、グローバル企業の人工知能投資の拡大などで昨年末から黒字に戻ったハイニックスだけが、頼れる存在だ。バッテリー事業の黒字転換時点と半導体実績改善幅がグループ財務安定性を左右する最大のカギとなる見通しだ。(ハンギョレ新聞)・・>>

 

<<・・サムスン電子が米国テキサス州テイラーファウンドリ(システム半導体委託生産)工場に派遣してい韓国職員たちが、大挙帰ってきた。建設中のテイラー工場は4ナノ(nm、10億分の1m)と2ナノプロセスを量産予定だが、2ナノ収率がなかなか上がらず、一部のスタッフ撤収という決定を下したのだ・・・・11日業界によると、2022年と昨年にかけてテイラー工場建設現場に派遣された職員のうち過半数以上が先月から今月初めまで、帰国した。これまで現地建設とインフラ、製造技術関連で数十人が駐在していたが、低調な収率とそれに伴う受注の難しさにより「一歩後退」を選んだものと解釈される・・・・サムスン電子の職員だけでなく、工場装備のセットアップなどを支援するために一緒に米国に行った協力会社もテイラー工場の不確実性が持続し、順次撤収している。

匿名を要求したサムスン電子関係者は「(韓国からテイラーに派遣された職員たちが)実質、装備のセットアップもせずに2年以上もシミュレーションだけ回していた」とし「韓国に戻るのが当然だ」と話した・・・・別のサムスン電子関係者は「テイラー工場は既に建てており、(工場運用の代価として)米国政府から半導体補助金も受け取ることにしたので、工場をやらないわけにもいかない状況だ。ファウンドリ受注がないので、韓国の工場だけでも物量は余る」と話した(マネートゥデイ)・・>>

 

 

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