本当に「若い世代は日本に良いイメージ」なのか・・韓国20代の日本観調査結果

交流・・というか観光客が増えたこと、いわゆる文化コンテンツの人気などで、「韓国の若い人たちは、親の世代より日本についてずっと親密なスタンス」という意見をよく耳にします。でも、本当にそうなのでしょうか。こういうのは『人による』と言ってしまえばそれだけですが、調査結果だけを見てみると、どうもそうは見えません。韓国の右側ネットメディア「ペンアンドマイク」が韓国の大学生たちを対象に「安保意識」についての世論調査を紹介しています。安保関連なので、どうしても調査そのものが多少は「右寄り」になっている気もしますが、特に左右に分かれているテーマでもあるし、そこは仕方ないでしょう。この調査には、米国、北朝鮮、中国、日本などについても、どのように評価しているかを調べた項目があり、そこを取り上げてみます。

まず、調査の概要ですが、世論調査機関「リサーチ&リサーチ(RNR)」が、韓国軍事問題研究院というシンクタンクの依頼で全国大学生男女1,024人を対象に7月20~25日にオンラインで調査をした結果です。まず結論とも言えるのが、「周辺の強大国の中で、10年後の安保に最もリスクになるのはどの国だと思いますか」という設問に、大学生はたちは圧倒的に「北朝鮮」と答えました。北朝鮮(47.0%)、中国(34.6%)、日本(8.1%)、アメリカ(7.3%)、ロシア( 3.0%)の順です。支持政党別に明確に分かれていて、共に民主党と祖国革新党(チョグク氏の政党)支持者は、他の政党支持者より「日本」とする人が多く、新しい政党でも改革新党支持者は(あまり影響力が強い政党とは思えませんが)むしろ北朝鮮(32.9%)より中国(54.3%)と答えた人が多かった、とのことです。

 

以下のデータもそうですが、日本に関して「支持政党別にどうなのか」をもっと具体的に書いてほしいところですが、保守メディアとしての立場の問題もあるのか、詳しくは書かれていません。ちなみにこの調査結果には「米国への感謝を忘れてはならない」に70%以上が同意しているなど、保守寄りの調査であることがすぐに分かります。で、日本関連でもうちょっと具体的に見てみると、韓国社会で起きる日本関連議論でもっとも一般的な「韓国の経済発展は日本の助けを借りて可能だった」という設問。この設問に「同意」した大学生たちは24.4%だけでした。「同意しない」は63.6%。「少女像はよりたくさん建てなければならない」に、同意は74.6%、同意しないは17.4%でした。「日本とは同伴者としての関係を持続しなければならない」には同意が51.7%、同意しない24.4%でした。ただ、これには「わからない」が23.9%もあったそうです。

「経済発展」といわゆる「同伴者関係」に「同意」が思ったより多いな・・と思われるかもしれませんが、こういう設問は、「政治的なもの」とされている点を考える必要があります。「本当にそう思っているのか」というより、「支持政党」によるところが大きいという意味です。特に経済発展などは、共に民主党など左側が、保守側の人事などでこの内容を論拠に強く反発している(前に似たような発言をしたことを掘り返すなど)ので、右左どちらを支持するかで、「とりあえず」決まった方向に答える人が多いわけです。

 

面白いのは、「日本社会と中国社会、韓国社会はどちらにもっと似ていくべきか」という質問もありました。「できれば日本社会と似ていかなければならない」が81.3%、「できれば中国社会と似ていかなければならない」が18.7%。先も書きましたが、「日本に文句を言うのは義務、日本旅行を楽しむのは権利」と考えている人が多いからでしょうか。似たようなことは、他のデータでも分かります。本当に改善なのかどうかはいったんおいといて、日韓関係改善という言葉が流行ったユン政権。そのユン政権の日本外交についての世論調査がありました。12日に紹介したばかりですが、クッキーニュースによると、「評価しない(うまくやっていない)」が62.4%、「評価する(うまくやっている)」は32.9%でした。

 

「評価しない」において、「まったく評価できない」54.2%、「どちらかというと評価できない」が8.2%。「評価する」においては、「強く評価できる」が18.4%、「どちらかというと評価する」が14.5%。全年齢層、全地域において「評価しない」が大きくリードしていますが、その中でも特に20代で「評価しない」が70.1%と、高く出ています。もっとも高かったのは40代(72.8%)。また、これも9日に取り上げましたが、水産物関連措置についての世論調査でも、賛成する(措置を維持すべき)とする人が65.2%と高かったですが、その中でも特に20代(73.2%)と40代(73.3%)が目立ちました。これが「若い世代」を代表できるデータかどうかについては、見方によるとしか言えませんが・・こんなところです。ちなみに、関連した調査で北朝鮮についてはきびしい結果が多かったですが、終戦宣言・平和協定については、賛成と反対がほぼ同じでした。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます

 

ブログのカテゴリー、タグ分けを細分化しました。細分化は2024年8月19日からで、その前はほとんどが『ユン政権の大冒険』『文在寅政権の行く末』あたりにあります。ブログ内検索なども併用してくださるようお願いいたします。

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。