TSMC、日本第3工場を「集中的に議論中」・・韓国メディア「TSMCと日本企業の協力は、サムスン電子にとってリスクになる」

韓国の経済メディアが、最近日本で勢いに乗っている日本の半導体関連投資、特にTSMCと日本企業の協力に対し、サムスン電子にとって大きなリスク要因になるだろうと主張しました。で、どうしてそうなのかは記事を引用するとして。何度も同じ文章を書いていますが、韓国では最近、半導体市場に対する懸念が相次いでいます。本ブログで取り上げただけでも51-51レベルに多いですが(←話題に便乗)、このままだと10年後、早ければ数年後に、どうなるかわからないというのです。現在の輸出などが半導体に頼りすぎというのもありますが。

実際、日本と米国、そして日本と台湾の半導体関連協力に関する報道は相次いでいるし、アメリカの新しい先端技術輸出関連措置、中国の技術力向上など、多くの気になるニュースも出ています。ちなみに、チップ4という単語は、もうほぼ消えました。数ヶ月前までは、それでもたまーに出てきましたが。株価は現在の状況より先行するという話もありますが・・ものすごい実績を出しているにもかかわらず、サムスン電子の株価は「もうすぐ10万電子(株価10万ウォン台)」とされていたのに今は「6万電子」まで下がっているし、モルゲッ・・じゃなくてモルガン・スタンレーが目標株価を50%以上下げたことで、SKハイニックスの株価が7%も下がったりしました。国内でも、一部で半導体関連会社の目標株価を下げつつあります。いろいろ、関連ニュースも増えるはずです。

 

ただ、それらの記事が韓国で大きな話題になっているのかというと、そうでもありません。また、ほぼすべてのニュースの結論が「私たちも補助金を出そう」だけです。そんなところ、また半導体記事がありました。18日、マネートゥデイです。今回の記事も、「平ら」(?)というかなんというか、普通の話ではありますが、それでも他のメディアのような「海外のメディアがこう報じている」という引用うわあぁではなく、国内半導体業界に流れる話を自社で取材した国内うわあぁなので、他の記事よりはユニークだとも言えます。他のほぼ全ての記事は「日経新聞の報道によると~」で始まるものばかりですが(笑)。日本のことより、アメリカのテイラー工場(2ナノ・4ナノ ファウンドリ事業の主力にする予定でしたが、収率などに問題があり、スタッフの半数以上が撤収したと報じられました)を気にしてたほうがいいじゃないのか、そんな気もしますが。あと、これはSKハイニックスもそうですが、中国工場をどうするのか、というのも気になります。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・半導体ファウンドリ(委託生産)1位TSMCと日本半導体業界の協力関係が強化され、サムスン電子のなやみが深くなっている。TSMCの強力な先端競争力と、日本のソブジャン(※素材・部品・装備)の力量が結合すれば、シェアの差がさらに広がるという懸念が出ている。18日、業界によると、TSMCは日本大阪・京都などの地域に第3工場建設を集中的に議論している。予想される時点は、熊本第2工場の稼動目標時期である2027年以降だが、TSMCが注文量増加に対応するために投資を大きく増やしており、前倒しになる可能性も高い。第3工場は3ナノ以下の先端工程を生産する予定で、12~28ナノレガシー工程に集中していた第1工場と比べると投資規模も増えるものと思われる。サムスン電子の懸念は、競争が激しい先端工程で、TSMCの技術と日本の素材部品装備競争力が一つになることだ。

 

京セラや村田製作所、東京エレクトロンなど、日本を代表する素材部品装備企業がTSMC3工場に協力すると発表されたが、これらの多くがサムスン電子の日本協力会社を代表する会「LJF」の会員だ。TSMCは「顧客ニーズと政府支援、協力会社を基に必要なところに投資する」という立場を出した。業界では、TSMCの日本第3工場稼働時点で、サムスンとのファウンドリ・シェアの差がさらに拡大するという予測が出ている。TSMCが第3工場を通じてAI(人工知能)や自動車電子装置、HPC(高性能コンピューティング)など先端半導体製作に使用される先端工程の生産能力を大幅に高める可能性が高いからだ。TSMCの4~6月期のファウンドリシェアは62.3%で、2位のサムスン電子(11.5%)との差は50.8%ポイントだ。

ソニーやトヨタ・日産など大型顧客会社とTSMCの距離が近づくことも懸念される。ソニー・トヨタはすでに合弁法人JASMを通じてTSMC熊本工場に投資しており、日産も車両用半導体需給のためにTSMCとの議論を進行中だと知られている。TSMCの内部状況に詳しいある業界関係者は、「日本で月10万枚以上を生産するというTSMCの目標は、現地の顧客会社との事前協議がなければ不可能だ」と話した・・・・業界関係者は「日本は米国と協力してコンソーシアム(連合体)を構成するなど、半導体素材部品装備の主導権を維持するために全力を尽くしている」とし「TSMCが東京エレクトロンとキヤノン、ニコンなどグローバル素材部品装備サプライチェーンを持っている日本のノウハウを活用すれば、収率、性能の改善はもちろん、価格競争力まで備えることもできるだろう」と話した(マネートゥデイ)・・>>

 

・・・と、 多くのうわあぁが交差する壮大な物語でした。最後に、また告知です。明日も1日休みをいただきます。次の更新は、日曜日(22日)のいつもの時間、11時頃になります。

 

 

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