最近、また株価関連ニュースが増えました。「コスダックだけでみると、いろいろあるロシアよりも収益率が低い」とか、金融投資所得税の施行を延期すべきだとか、そんな記事が多くなっています。ちなみに、一定金額以上の金融所得に対して、最大で27.5%の所得税を賦課する制度です。いまも証券譲渡などに税金がかかりますが、税率は低いので、市場関係者たちはこの金融投資所得税に大いに注目しています。猶予期間をおいて2025年からスタートする予定でしたが、どうみても今はそんな制度を始める時期ではないという意見が主流です。ちなみに、ニュース1によると、米国(10~37%総合課税)、日本(20.315%)、イギリス(10~20%)・ドイツ(26.375%)など、「先進市場と評価される国」を中心に、似たような課税システムが施行中です。
で、その中でも特に関連記事が多いのが、サムスン電子です。いわゆる10万電子(10万ウォン台になる)と予想されていたサムスン電子の株価が、6万電子(6万ウォン台)になったとか、外国人投資家たちは集中的に売っているのに韓国の個人投資家たちは今月だけで6000億円以上買ったとか、大丈夫なのかこれ、そんな記事が目立ちます。実績はいいのに株価が下がりつつあることで、株価が『先行』しているのではないか、そんな懸念も出ています。そんな中、ネットメディアZDネットコリアが、インテルのようにサムスン電子もファウンドリ分野を分社化すべきではないのか、先端分野でもそれ以外(いわゆるレガシー分野)でも、工程がうまく進んでいない、そろそろ決めなければならなくなった、というのです。9月20日にも紹介しましたが、第1工場、第2工場、そして第3工場などTSMCと日本企業の協力がまた、ファウンドリ分野でサムスン電子にリスクになるという主張も出ています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・世界ファウンドリ市場が大いに揺れている。台湾TSMCが堅調なAI需要で成長を続けている中、インテルは大規模な赤字の中でファウンドリ事業部を分社化するなど、自救策を整えた。これにサムスン電子もファウンドリ競争力強化のために素早い決断を下さなければならないという意見が業界内外で提起されている・・・・キムヒョンジュン次世代インテリジェント半導体事業団長は記者との通話で、「巨大IDM(総合半導体企業)であるIntelも最近ファウンドリ事業で難航しつつある」とし「類似したシステムを備えたサムスン電子も突破口を探すための果敢な決断を下すべき時期と見る」とした。これに先立ち、インテルは17日、ファウンドリ事業部を子会社に分社する方案の構造調整を施行することに決めた・・
・・サムスン電子も3ナノメートル(nm)以下の最先端プロセス分野でこれといった頭角を現すことができないでいる。中国パンセミ・日本PFN・米国アンバレラなど受注を得ているが、NVIDIA、AMD、Qualcomm、Appleなどグローバルビッグテックは主要製品を事実上TSMCだけに任せている。代表的な事例は、サムスン・ファウンドリの核心顧客会社であるサムスン・システムLSIが設計した「Exynos2500」だ。Exynos2500は、サムスン第2世代3ナノGAA(ゲートオールアラウンド)プロセスベースのモバイルAP(アプリケーションプロセッサ)で、「ギャラクシーS25」シリーズ用に開発されてきた。しかし、持続的な収率の問題で、搭載が不透明になっている。システム半導体業界関係者は「サムスン電子が最先端工程で収率改善がうまくできないでいると聞いている」、「顧客社を多数確保し、リファレンスを積んで『規模の経済』を成し遂げなければならないのに、今はそのような好循環になっていない」と説明した。
レガシー工程も状況は似ている。レガシーは業界先端領域である7ナノ以前の世代の工程で、8・12・14・28・40など多様な工程に区分される。最先端の工程に比べると売上や収益性は低いが、当該分野のチップを設計するファブレスが依然として多いため、ファウンドリの立場からしてあきらめられない市場だ。特に今年に入って国内はもちろん中国のファブレスたちもサムスンファウンドリとの取引を積極的に問い合わせていることが分かった。ただし、サムスンファウンドリの一部レガシー工程の場合、台湾TSMCより一世代遅れたという評価が出ている。
業界の関係者は「サムスン電子とTSMCが同じ工程では収率やIP(設計資産)ライブラリなどで開きがある」とし「サムスン電子の8ナノとTSMCの12ナノプロセスを比較群に置くファブレスが多いのが現実」と話した。もちろん、サムスンファウンドリが国内ファブレスとの協力でレガシー工程を強化する余地は残っている。業界関係者は「国内ファブレス企業がサムスン電子にレガシー工程生産能力を強化してほしいという声を持続的に出している」とし「今後28ナノや14ナノなど、比較的需要が堅調だと見込まれているレガシー工程で協業が活発に行われる可能性がある」と明らかにした(ZDNET)・・>>
Exynosのことが個人的に気になります。同じグループ内の会社で、結構大きな顧客だったと聞いていますが。記事は不透明になったとしていますが、登載は見送りになったという記事も出ています。また、最後の部分、ちょうどTSMCが熊本第1工場でやろうとしていること(日本企業との協力によるシナジー効果)ではないだろうか、そんな気もします。先端じゃないから~という意見もありますが、多くの分野で使われるている半導体ですし。第3工場は3ナノになるという話もありますが。この状況でもっとも気にすべきは、やはり中国メーカーのメモリー技術向上、そしてグローバルサプライチェーンの再編でしょう。政府はFTAとか自由貿易とかを政策ロードマップとして発表しているし、半導体団地などの造成費用もほぼ全額が民間投資を前提にしたもの。しかも、政権交代の可能性。企業だけの問題でもない、といったところでしょうか。とはいえ、日台・日米半導体協力の結果もそうですが、本件の結果がわかるのはしばらく後になるでしょう。
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