石破総裁の「核共有」議論・・韓国メディア「日本と韓国が一緒にやればできる」

石破茂さんが主張している「アジア版NATO」。個人的に興味ある案件ですが、日本以外にどこがふさわしいのだろう、というのが悩みどころです。その枠組について書いた寄稿文の中に、各共有または持ち込みに関する内容があって、28日の共同通信などが報じています。「自民党の石破茂総裁は、米ハドソン研究所に『日本の外交政策の将来』と題して寄稿した。中国や北朝鮮、ロシアに対する抑止力を確保するため、北大西洋条約機構(NATO)のアジア版を創設した上、この枠内で『核の共有や持ち込み』」について具体的に検討すべきだと主張している。27日付で同研究所のホームページに掲載された」、とのことでして。

いますぐやりますとか言われるとさすがにびっくりですが、『検討』はしたほうが良いでしょう。というか、公論として議論されたことがあまりないので、検討すべきだという意見には大いに同意します。そんなところ、韓国メディアが「日本だけではうまくいかない可能性が大きいが、日本と韓国が一緒に声を出せば、さすがに米国も応じないわけには行かないだろう」という記事を載せました。イーデイリー、29日です。ノーサンキューと言いたい気持ちでいっぱいです。実はこれ、去年ユン大統領が米国を訪問していたとき、同じ案件でユン大統領は「事実上の核共有できました」と話したけど、直後にバイデン大統領は「そうではありません」と話す、ちょっとした(?)トラブルがありました。合わせて、お伝えします。以下、<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・来月1日、次期日本首相に公式選出される石破茂自民党新任総裁が「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」を創設し、この枠内で米国の核兵器を共同運用する核共有や核搬入も具体的に検討すべきだ」と主張した。石破総裁は27日付で米国保守シンクタンク「ハドソン研究所」に掲載された「日本外交政策の未来」というタイトルの寄稿文で、「現在のウクライナの状況は未来のアジアかもしれない」とし「西方同盟国が中国を抑制するためにアジア版NATO創設が必須だ」と話した・・

・・石葉総裁は「日本が日米同盟をはじめ、カナダ、オーストラリア、フィリピン、インド、フランス、英国とも準同盟関係を結んでいる」とし「韓国とも日米韓安保協力を深化させている」と指摘した。それと共に「これら同盟関係を格上げすれば、日米同盟を中心としたハブ・スポーク(hub-spoke)体制が成立し、さらにはアジア版NATOまで発展できる」と主張した・・・・彼はこの延長線上でロシアと北朝鮮、中国の核連合に対抗して「アジア版NATOで米国の核共有および核配置を具体的に検討しなければならない」と強調した・・

 

・・(※アメリカ側には難しいだろうという意見が多い、という話のあとに)石破総裁がこの日、アジア版NATO創設とともに日米安全保障条約と日米地位協定改正を要求したという点も、日米関係を緊張させる要素だ。彼は「(日本は)米国と肩を並べて自由陣営の共同防御ができる状況となり、日米安保条約を普通国家間の条約に改正する条件が設けられた」と主張した・・・・ただ、韓国ではこのような石破総裁の提案をただの空想としているわけにもいかないと指摘されている。中国、ロシア、北朝鮮の軍事協力が行われ、韓国でもアジア版NATOが必要だという声が大きくなっているからだ。チェガン、アサン政策研究院長は「現在、私たちの枠組みとしては北・中・ロのリスクに対応しづらい」とし「米国は現在、(※核共有やアジア版NATOよりは)日米韓軍事協力やクワッド、オーカスなど自主協議体を組んでいるが、同盟国である韓国と日本が一緒に要求する場合、さすがに応じないわけにはいかないだろう」と話した(イーデイリー)・・>>

 

政権交代などで外交路線が根本的に変わることが「あたりまえ」とされているのに、アジア版NATOと言われましても。というか、中国との関係を考えると、ほぼ難しいでしょう。あくまで「北朝鮮対策」として、ユン大統領は各共有を強く主張したことがあります。大統領候補だった頃から似たような話(戦術核兵器再配備など)をしていて、去年米国を訪問したときには、こんなこともありました。去年4月28日KBSの報道ですが、韓国側が核共有できますたーと言って、米国側がそうじゃないと言って、韓国側が『核共有だと思ってもいいほど強力な内容だ、という趣旨でした』と話した、とのことです。記事は、『すなわち、比喩でした』としています。

 

<<・・大統領室は「事実上、核を共有すると感じられるだろう」と意味を与えましたが、アメリカでは全く異なる話が出てきました。「共有するわけではない」と言いきったのです。米国の核資産で韓国に対する北朝鮮核リスクに対応するレベルをさらに高め、情報や戦略もより多く議論する、それらが、韓米首脳が発表したワシントン宣言の主な内容です。大統領室は昨日(27日)その効果をこう説明しました。【キムテヒョ/国家安全保障第1次長/27日:「私たち国民が事実上、米国と核を共有しながら過ごす、そう感じることになると思います」】。その一日後の今日、アメリカのホワイトハウスのハイレベル当局者が、この発言に対する立場を出しました。

エド・ケイガン米ホワイトハウス国家安保会選任局長は、ワシントン宣言を「事実上核共有」と説明した韓国側発言に同意するかという質問に、米国はそう見ていないと答えました。米国で「核共有」という言葉は、核統制、つまり誰が使用権限を持つのかということだが、ワシントン宣言にはそんなことはないというのです・・・・ホワイトハウスは、ワシントン宣言が朝鮮半島に核兵器を投入する意味ではないとも、繰り返し強調しました。アメリカと立場が異なると思われることを意識したか、大統領室は急いで火消しに乗り出しました。確かにアメリカと核を共有するのではない、と言いました。国民が安保を不安に思わない、安全な国になるという趣旨を説明するための発言だった、と言いました。いわば、比喩的表現だった、というのです(KBS)・・>>

 

 

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