韓国メディア、相次ぐ「コップの半分」記事・・目指すはユン大統領の国賓訪問か

1~2年前から、コップの半分という表現が目立ちます。コップを水で満たすことが「完全な問題解決」(の趣旨)だとすると、ユン政権はすでに半分満たしたから、残りの半分は岸田政権(日本)が満たすべきだ、という意味です。そもそも問題の発端が韓国側にあるのに、両方に問題があるとするためのミスリードです。また、『すでに』がまたポイントでして。もうこれ以上やることはないという意味にもなります(たまに『共に』『一緒に』とも言うものの、ユン政権がさらに何かをすべきとは言わない)。言い換えれば、前から日本側がよく言っていた「ゴールは韓国側にある」という表現を弱体化させるためのもの、とも言えるでしょう。実は『拍手するためには両腕が動かないと』というのがありましたけど、受けがよくなかったのか、コップの半分に変わりました。

前に岸田総理が訪韓したときから、このコップ半分関連の記事がまた増えました。「ユン大統領が、来週とされる岸田文雄日本総理の訪韓推進に関して、『日韓関係の連続性』を強調した。日本の次期指導者が誰になっても、協力の動力を続けるようにするという意志を表わしたことで、岸田首相がこれに答えるためのプレゼントを持ってくるのか、注目される(8月30日ニュース1)」など、当時一部メディアが『どんなプレゼントを持ってくるのか』を強調していましたが、結果的にこれといったものはありませんでした。最近、総裁選もあったことで、またこっぷこっぷしていますが、昨日中央日報にも同じ記事があったので、取り上げてみたいと思います。12日に紹介した国賓訪問エントリーと、どことなく繋がっている気がしますので。以下、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・さらに、来年は1965年に日本と韓国が国交正常化に合意してから60周年となる。石破新任総理は「小渕・金大中時代のような良い関係に戻ってほしい」と述べたことがある。彼の望みのように、尹錫悦・石破体制でも日韓関係をより一層強化する未来志向的な道しるべを、どうやって提示するかに関心が集まるところだ。尹錫悦・岸田体制で半分ほど入れたコップの水の残り半分を、共に満たすことを期待する。防衛相出身の安保専門家の彼は、岸田政権の外交・安保基調を全般的に継承すると思われる。米国の核兵器の共有と「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設を公約に掲げた。高度化する北朝鮮の核・ミサイルリスクに対応し、日米韓の安保協力を、より一層強化・発展させるのが当面の課題だ。尹大統領は11月のペルーアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で石破新任総理と初めて対面すると思われる。両首脳が日韓両国のウィン・ウィン協力のための力をうまく生かしてくれることを望む(中央日報)・・>>

 

記事に「60周年」が共通しているからか、それとも同じ中央日報だからか、どうしても前に紹介した国賓訪問エントリーが気になります。12日に紹介した記事です。記事は、「ユン政権になってから、両国関係の大きな枠組みは劇的に変わった。システムが確変したわけだ。しかし、外交現場のマニュアルはそのままだ。すぐに国交正常化60年を迎える来年が問題だ。韓国は1998年の金大中・小渕宣言に次ぐ画期的共同宣言を希望している。しかし、日本はそれほど積極的ではない」のが現状だとしながら、その解決策として、ユン大統領の国賓訪問を主張しています。その理由は、今上天皇から相応の『オコトバ(記事原文ママ)』を引き出すためです。「彼ら(※日本側)に必要なのは責任を避ける手段なのだ」としながら、それを知ったうえで、『強く押せば』、日本は自ら後ろに下がってくれると主張しています。記事は、これは日韓外交に利用できるとしながら、こう書いています。

 

<<・・じゃ、どうすればいいのか。彼らの責任を軽減させながら、同時に代替案を設けるようにする「押す」が必要だ。私は、それこそ、日本がユン大統領を国賓招待することだと思う・・・・韓国大統領の国賓訪日は全斗煥(1984年)、盧泰愚(1990年)、金大中(1998年)、盧武鉉(2003年)以後なんと21年も行われていない状態だ。何より、来年に22年ぶりに国賓訪問をすることになれば、天皇(※珍しく、記事には天皇と書かれています)との出会いがなされ、この時「オコトバ」と呼ばれる天皇の両国関係に対する発言が出てくる。天皇の話す歴史関連発言は重さがまったく異なる。また、自然にそれに合わせて両国政府間にも共同発表文が出てくる可能性も大きい。それでもできなかった言葉があれば、日本議会での演説でできる。一言で、形式や責任面では日本の外務省や政治家たちが半歩後ろに下がることができ、私たちとしては60周年にふさわしい結果物をほとんど得る形になるだろう(中央日報9月12日)・・>>

27日に解散総選挙なら、しばらくは『それどころ』ではないかもしれません。しかし、選挙結果にもとりますが、それからはどうなるのか・・気になります。普通の日韓首脳会談とか、60周年記念でなにか式典やるとか、そんなものなら別にいいかもしれませんが、このような記事が保守側大手メディアから出ているにもかかわらず、なにかよけいなメッセージを込めた新しい宣言とか、国賓訪問とかが推進されるのかどうか。気になるところです。

 

 

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