韓国元統一部長感「石破政権は、日米韓安保協力において私たちより『上』になろうとしている」

韓国には、右と左に関係なく、日米韓安保協力・・詳しくは各国の同盟関係、軍事協力関係において、「なんぜ日米同盟が米韓同盟より優待されるのか」という主張があります。右側より左側からこの主張が強く出ていますが、これは米韓同盟を重視しているからではなく、日本との3『角』同盟関係の強化を牽制するためです。結果、それが米韓同盟の弱体化にもつながることを、彼らは知っているからです。保守政権が日米韓安保協力、3角同盟関係においてなにか新しい協定などを結ぼうとするのを防ぐため、「日本を持ち出して米国を牽制する」というのが本音だと言えるでしょう。そもそも、もし日本と軍事同盟を組むとかそんな話が出ても、ほかはともかく、世論的に無理でしょう。

だから、保守政権が3『角』同盟を強化するための、なにか迂回的な協定を結ぼうとする、そうに決まっている、というのが彼らの主張です。具体的にはいいません。具体的に言うと、「それ以外」は通るかもしれないので、幅広く、曖昧なことしかいいません。それでも、この手の主張は長い間続いてきて、ユン政権になって、特にキャンプ・デビッド会談(日米韓首脳会談)から、また強くなりました。保守側も「米韓同盟も日米同盟と同じぐらいにしてくれ」という意見が多いので、そういうところと部分的に共通するので、保守側からも一定の支持を得ることができる・・そんな背景もあるかもしれません。今回もプレシアンに、元統一部長官ジョンセヒョン氏のインタビュー記事がありました。盧武鉉政権で統一部長官でした・・と書けば、これ以上長く書く必要はないでしょう。<<~>>で引用してみます。

 

<<・・韓国が軍事的に日本の下に入る事が起きるかもしれない。日本は既に自衛隊の海外出政など、そういう問題に対して憲法9条を直さなければならない状況だが、これに対する世論がある程度は形成されている。また、米国がこれをあまりにも強く支持している形であるため、日米韓三角同盟を通じて日本の下に入ることになるかもしれない。これは米国大統領がトランプになるのか、ハリスになるのかとは無関係だ。米国は基本的に中国を圧迫するために日米韓三角同盟を強化させなければならないという立場だ。1日に就任した石破茂日本首相は・・(※韓国メディアは比較的マシな人物だとしているが、そうではないという話のあとに)・・安保問題においてはとても強硬なタカ派である」と元長官は強調した。

 

「石破首相は日本自衛隊の正規軍化に対して相当なこだわりを持っているという。東アジア地域で日本の軍事的志向は日米韓三角同盟を作って、米国を味方にし、韓国は下に敷き、その力でロシアと中国を圧迫する、そういうものだ。ユン政権の外交、安保分野の参謀たちが似たような方向性を持つ人たちで、日本と異体同心のように動こうとしている。約一ヵ月後に行われる米国大統領選挙関連してジョン元長官は、「トランプ(共和党候補)は金正恩に会うと話していると、ハリス(民主党候補)は金正恩を非難している」とし「金正恩の立場ではトランプが当選されることを望むだろう」と見通した。

たとえ決裂することはしたが、トランプ在任時に米朝首脳会談があったように、トランプが当選されると、米国との関係でなにかのきっかけを設けることができるという期待もあるという指摘だ。ジョン元長官は、ユン大統領が「国軍の日(※10月1日)」記念演説で「米韓同盟の圧倒的対応」、「北朝鮮政権がおわる日」などを言及したことについて、「(ユン大統領は)幻を見ているようだ」とし「米国はイスラエルのことで精一杯だ」とし、米国が北朝鮮問題までそこまで強く衝突することは望まないだろうと述べた(プレシアン)・・>>

 

内容まで同じだとは言えませんが、「日米同盟と米韓同盟を同じレベルにしないと、真の日米韓安保協力はできない」とする話は保守側からも出ています。去年8月21日の記事ですが、朝鮮日報もこの件を報じています。 異体同心かどうかはともかく(笑)、先も書きましたがこの件は左側が心配する必要もないでしょう。どうせ、世論的にできそうにないですし、その世論は、作ったのも支持しているのも「全体」であり、左か右かの問題でもありませんから。それに、今のユン政権が日米韓安保協力を強調していると言っても、それらは事実上「対北朝鮮」であり、決して中国・ロシア向けだとは言えない今日この頃。さらに、政権交代の可能性は高いまま。そもそも、右も左も「なんで安保協力が必要なのか」から考えたほうがいいかもしれません。

 

<<・・キャンプデビッド会議を契機に新たな時代の跳躍を宣言した日米韓協力が永続するには、米韓同盟、日米同盟、韓日関係が調和して動かなければならない。そのためには、70年前に結成された後、本質的な変化がなかった米韓同盟を、日米同盟と同じ水準にアップグレードさせなければならない課題を抱えたといえる・・・・現在の韓米同盟は、日米同盟と同じレベルとは言えない・・・・1953年に締結された後、一度も改正されたことのない米韓相互安全安保条約を直し、有事の際に米軍の介入をより確実に担保する必要がある・・(※原子力協定、防衛産業協力の拡大など、基本的に『米国側がいままで応じなかったこと』を取り上げて)・・「キャンプ・デビッド首脳会談は新たな始まりであり、機会を象徴する」というバイデン大統領の記者会見発言が実を結ぶには、米韓同盟を日米同盟レベルに引き上げる課題からはじめなければならない(朝鮮日報)・・>> 

 

 

 

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