TSMCと日本各社の協力強化を牽制? ・・サムスン電子幹部陣が来日、協力関係をアピール

別にスクリーンが2つ付いているわけではありませんが、「DS」部門、すなわちサムスン電子半導体部門の幹部陣が来日しました。米国にも訪れる予定ですが、日本から訪れるとのことです。もともと「感謝の日」といって、日本の協力会社(いわゆる素材・部品・装備関連会社がほとんどだと思われます)とのイベントがあるとのことですが、ソウル経済(5日)の報道によると、副会長など幹部陣がここまで一気に動くのは珍しく、「サムスン電子は半導体部門のピンチを認識しており、そのためのサプライチェーン管理に乗り出したのではないか」という旨の記事を載せています。ちょうど先月、最近TSMC熊本工場稼働による日本・台湾半導体協力は、サムスン電子にとって大きなリスクになるという記事もありました。それが背景だと思われます。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・サムスン電子副会長とサムスンデバイスソリューション(DS)部門の最高位経営陣が、米国・日本を訪れる。メモリー・ファウンドリなどの核心事業で遅れを取り、収率などでも起きている問題の打開のためのサプライチェーンチェックと思われる。出張日程には核心半導体顧客との出会いも含まれていると言われている。4日、業界によると、元副会長と各事業部長は来週からサムスン電子DS部門が日本と米国で開催する「感謝の日(Appreciation Day)」の行事に参加する。彼らは週初めに日本での日程を取った後、まもなく米国に飛んで同じイベントに参加する・・・・最近、サムスン半導体部門は多くの点で鈍い。メモリ事業の場合、DRAM収率が問題になっている・・・・ファウンドリでも3nm収率が、生産性を保障できていない。台湾TSMCを牽制できる動力がなくなっているという指摘まで出ている。

 

サムスン電子の危機はサプライチェーンとも大きな関連がある。サムスンの主要半導体工場の中には数万種類の装備・部品が適用され、高度化した技術で精製した素材が使われているためだ。これらとの協力の方向が生産性に大きな影響を及ぼす。これにより、サムスン経営陣は単に公式行事に出席するだけでなく、出張時間を活用して様々なサプライチェーン関係者と会い、工程別の問題点の把握と技術改善戦略を議論するものと予想される。彼らの訪問地である米国と日本には、必ず協力しなければならない装備・素材会社が多い。日本には、HBM分野でサムスン電子とかなり密接に協力する装備会社である新川がある。サムスンが今年HBM生産能力を大幅に引き上げるために新川の機器を大量発注した事実はよく知られている。サムスン電子の主力HBM工程であるTC-NCFでは、核心素材である非導電性フィルム(NCF)を日本レゾナックだけが供給する(ソウル経済)・・>>

 

う一つ、「繋がっている」と思われる記事があります。「京セラや村田製作所、東京エレクトロンなど、日本を代表する素材部品装備企業がTSMCに協力すると発表されたが、これらの多くはサムスン電子の日本協力会社を代表する『LJF』の会員だ」、とのことでして。こういうところまで含めての「来日」ではないでしょうか。マネートゥデイ(9月18日)の記事は、業界関係者の言葉として、「TSMCが東京エレクトロンとキヤノン、ニコンなどグローバル素材部品装備サプライチェーンを持っている日本のノウハウを活用すれば、収率、性能の改善はもちろん、価格競争力まで備えることもできるだろう」としています。

 

<<・・半導体ファウンドリ(委託生産)1位TSMCと日本半導体業界の協力関係が強化され、サムスン電子のなやみが深くなっている。TSMCの強力な先端競争力と、日本の素材・部品・装備の力が結合すれば、シェアの差がさらに広がるという懸念が出ている。18日、業界によると、TSMCは日本大阪・京都などの地域に第3工場建設を集中的に議論している。予想される時点は、熊本第2工場の稼動目標時期である2027年以降だが、TSMCが注文量増加に対応するために投資を大きく増やしており、前倒しになる可能性も高い。第3工場は3ナノ以下の先端工程を生産する予定で、12~28ナノレガシー工程に集中していた第1工場と比べると投資規模も増えるものと思われる。サムスン電子の懸念は、競争が激しい先端工程で、TSMCの技術と日本の素材部品装備競争力が一つになることだ。

京セラや村田製作所、東京エレクトロンなど、日本を代表する素材部品装備企業がTSMC3工場に協力すると発表されたが、これらの多くがサムスン電子の日本協力会社を代表する会「LJF」の会員だ・・・・ソニーやトヨタ・日産など大型顧客会社とTSMCの距離が近づくことも懸念される。ソニー・トヨタはすでに合弁法人JASMを通じてTSMC熊本工場に投資しており、日産も車両用半導体需給のためにTSMCとの議論を進行中だと知られている。TSMCの内部状況に詳しいある業界関係者は、「日本で月10万枚以上を生産するというTSMCの目標は、現地の顧客会社との事前協議がなければ不可能だ」と話した・・・・業界関係者は「日本は米国と協力してコンソーシアム(連合体)を構成するなど、半導体素材部品装備の主導権を維持するために全力を尽くしている」とし「TSMCが東京エレクトロンとキヤノン、ニコンなどグローバル素材部品装備サプライチェーンを持っている日本のノウハウを活用すれば、収率、性能の改善はもちろん、価格競争力まで備えることもできるだろう」と話した(マネートゥデイ)・・>>

 

 

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