韓国経済メディア「中国の経済沈滞、もっと重く見たほうがいい。半導体などICT産業は対中輸出が40%に及ぶ」

韓国ではさほど話題にならない(ならないというか、しないというか)中国経済関連ニュースです。中国の7~9月期成長率がプラス4.6%で、鈍化しているとか、世界的にそういうニュースが増えました。実際は5%や4.6%という数字そのものが、果たしてどこまで信じていいものなのか、まずはそこが気になることですが。そんな中、毎日経済(18日)が、中国の経済沈滞は思ったより長く続く可能性が高く、対中輸出が多い韓国はもっと自体を重く見る必要がある、という記事を載せました。記事は「中国以外でも技術と品質で勝負しましょう」としていますが、ちょうど同じタイミングで、米国テキサスのテイラーに作っているサムスン電子の工場に関連して、ASMLの半導体製造装備搬入が延期されたというニュースもありました(代金もまだ払ってないので、これがASMLの業績に影響したというニュアンスの記事)。前にも伝えた件なので、続報のつもりで一緒に引用してみます。<<~>>が引用部分です。

<<・・中国経済が7~9月期に4.6%(国内総生産基準)成長した。昨年1~3月期(4.5%)以降もっとも低い。4~6月期にも4.7%の成長にとどまったので、今年目標5%の成長は難しいと思われる。中国政府は予算早期投入などの浮揚策を発表したが、景気回復は容易ではないと見える。不動産市場の低迷による内需不振が、それほど深刻だからだ。物価上昇率が0%台にとどまり、デフレに入っているという分析まで出てきている。景気後退が長引く可能性が、相当高い。これは韓国経済にも大きな影響を及ぼす。今年1~9月の対中輸出は978億ドル、全体の輸出の19%だった。特に韓国経済の中枢である半導体をはじめとする情報通信技術(ICT)産業の対中輸出の割合は40%を上回る。

 

中国景気の低迷が長期化すれば、対中輸出が減り、韓国経済の成長も影響を受ける。現代経済研究院は、対中輸出が20%急減した2023年、韓国の実質国内総生産(GDP)が1.2%減少する効果が発生したとした。米中貿易関連で問題が深まる可能性があるという点も、経済に負担になる。中国牽制はドナルド・トランプ共和党政権から始まったが、民主党とて変わらない。ジョーバイデン民主党政権に入っても先端製品の対中輸出関連措置は相次いだ。この政策だけは、民主党も「トランプ化」したといえる。次期大統領選でトランプ共和党候補やカマラ・ハリス民主党候補のうち誰が当選しても、中国へのこの流れは続くだろう。例えば、米国が中国の完成品に対する関税率をさらに高めれば、中国に中間財を輸出する韓国は影響を受けるしかない。韓国の対中輸出の中、中間財比重が78%に達する・・・・米国やヨーロッパなどの先進国市場では技術と品質で勝負するしかない(毎日経済)・・>>

 

内容的にかなり平坦な記事ですが、なぜかこういうのが結構珍しかったりします。どちらかというと、米中どちらかを選ぶことだけは避けなければならないというか、そんな内容が目立っています。これは、もう随分前から変わっていません。で、本ブログでも2~3回取り上げたテイラー工場についても続報があったので、合わせて紹介します。ニュース1の記事ですが、もとはロイターなど外国メディアの記事からです。この工場、ファウンドリー市場でTSMCに追いつくことを目標に、サムスン電子が結構力を注いだ施設です。

米国側も補助金を出す(各記事によると、まだ受け取っていないようです)ことになっているそうです。ですが、数ヶ月前から、現地のスタッフがなにもできずに帰国したとか、稼働が延期されたのは顧客を確保できなかったからだとか、そんなニュースが相次ぎました。そして、昨日(18日)、ASMLからのサムスン電子テイラー工場への半導体装備搬入が、延期されたというニュースがありました。どうやら、稼働そのものをずいぶん延期するつもりのようです。

 

<<・・サムスン電子が米国テキサス州テイラーに建設する工場に対する主要顧客をまだ確保しておらず、ASMLのチップ製造装備への配送を延期したと、ロイター通信が18日報道した。ロイターが引用した3人の情報筋たちによると、他の供給業者への注文も保留しており、現場に配置された職員は帰宅した。サムスンのテイラー工場で装備搬入が遅れたのは、EUVリソグラフィという、ASMLの先端チップ製造装置と関連があると、ロイターの情報筋2人は述べた。その中の1人は、今年初めの配送が予定されていたが、機械がまだ配送されていないと明らかにした。 別の情報筋は、サムスンが装備や修正されたスケジュールについて詳しく説明しないまま、一部のASML装備の工場への引き渡しを延期したと伝えた。

 

EUV機器は、1台あたり2億ドルで、光線を使用してシリコンウェーハにデザイン機能を生成し、スマートフォン、電子機器、人工知能(AI)サーバーに使用される先端チップ製造に広く使用されている。サムスンがどのくらいのEUV機器を注文したのか、どのような支払条件を締結したのかは明らかではないとロイターは付け加えた。サムスン電子のイジェヨン会長は、台湾半導体TSMCがリードしているファウンドリでもシェアを広げようとしている。しかし、今回の装備納品遅延は、この戦略の核心であるテイラープロジェクトに問題になるとロイターは指摘した・・

・・世界最大のチップ製造装備社でもあるASMLは、AI以外の市場が振るわなかったこと、ファブ(工場)の遅延などを理由に、2025年の売上見通しを下方修正した。ASMLは、ファブを延期した顧客の名前を明らかにしなかったが、ロイター通信は「サムスンが一部のASML機器の配達を延期したと、私達が最初に報じる」と述べている(ニュース1)・・>>

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。