韓国メディア「UAE原発支援のための債務、来年3月から償還時期」・・相次ぐ原発受注の経済性議論

本ブログでも何度か取り上げましたが、韓国ではUAE、チェコの原発(受注)の経済性について、多くのニュースが出ています。8日にもお伝えしましたが、政府は国会の関連書類提出要求にも応じないでいます。そんな中、ザ ファクトによると、輸出入銀行(輸出・輸入・海外資源などの金融支援のために政府が設立した特殊銀行)についての国会の調査、「国政監査」において、再びチェコ原発の収益性について問題提起がありました。また、ニューシースによると、UAE原発の支援のために韓国電力公社が借りた債務の償還が来年3月にある、とのことです。金額(約1300億円)としても、また輸出入銀行が関わっていることからも、まさか返せないということはないと思いますが、記事によると、「いまのところ、電力公社としては返せる資金が確保できない」とのことでして。

「『また』韓電債を売ればいいではないか(笑)」なところですが、実はそれも2028年が来る前に、債権発行額をいまの半分まで減らさないといけません。韓電側は「まだ韓電債発行に対する余力があります」としていますが、ニューシースによると、「実状は、来る2027年末までに韓電債発行規模を半分も減らさなければならない」、と。理由は、もともと政府保証が付いている韓電債は、発行金額に限度があります。資本金と積立金を合わせた金額の2倍までです。しかし、これをもっともっと発行しないと耐えられなくなり、いまは2027年12月31日まで時限的に「資本金と積立金の合計の2倍から5倍まで債権が発行できる」と法律を改正しておいた状態です。記事は、「2028年には韓電債発行限度が35兆400億ウォンに減るようになる。半分以上に縮小された発行限度に合わせて残りの残高を返済できなければ、デフォルト(債務不履行)になる可能性もある」としています。まさかそこまでいくことはないでしょうけど、なんかいろいろ足りないのは事実のようです。以下、各紙<<~>>で引用してみます。

 

<<・・韓国電力公社がアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発事業と関連して、来年3月までに9億1000万ドル(1兆2558億ウォン)を償還しなければならないことが確認された。財務状態がピンチの韓電が、この資金の調達のためにこれといった手があるのかどうか注目される。24日、ジョンジンウク共に民主党議員が電力公社から受け取った回答書によると、韓電はUAE原発出資金などを含む来年資金所要と関連して内部協議中だ。韓電は2009年、約20兆ウォンに達するUAEバラカ原発建設事業を受注したことがある。韓電はUAE原子力公社(ENEC)と合弁投資したUAE原発事業法人(Barakah One Company)持分18%を出資するため金融機関から融資を受けた。韓国輸出入銀行から借りた6億9000万ドルを含め、現地の金融機関などを通じて合計9億1000万ドルを借りているが、来年3月に償還が到来する・・

 

・・韓電関係者は「資金が必要な時期に電気販売収益や可用現金などを考慮して不足分が発生した場合、金融市場で必要な部分を調達する」と明らかにした。問題は、来年3月までに1兆2000億ウォンの資金調達は容易ではないということだ。6月まで累積された韓電赤字は41兆ウォンだ。これによる債務も203兆ウォンまで増えた状態だ。韓電債発行による金融調達も容易ではない・・・・財政がピンチの状態で、債務で推進した原発受注まで、ローン請求書になって返ってきたわけだ。現在では、短期間内の韓電が資金を集める方法は、電気料金以外にはない。韓電は不動産などの資産売却を推進中だが、短期間に資金確保できる可能性は高くない。通常、我が国は原発・防衛産業など多くの費用が入る海外受注のために、金融支援に乗り出している。最近、政府が推進中のチェコ原発受注に関しても、輸出入銀行による金融支援が活用される可能性も提起されている(ニューシース)・・>>

 

<<・・国会企画財政委員会所属のアンドゴル共に民主党議員は21日、輸出入銀行の国政監査でチェコ・ドゥコバニ原発受注と関連して、収益性と不十分な検討状況に対する問題点を指摘した。アン議員によると、総事業費が23兆6000億ウォンだとした場合、輸出入銀行出張報告書に書いてあるチェコ企業の事業参加率は65%ほどであり、UAEバラカ原発の前例からして、ウェスティングハウス社のロイヤリティ支給費用は最大10%ほどだ。このように、それぞれ15兆3000億ウォンと2兆4000億ウォンを払うとすると、韓国の分け前で残るのは6兆ウォンにすぎない。アン議員は「チェコ政府の財政状態、UAEバラカ原発の輸出金融支援事例、輸出入銀行が4月に書簡を送るなど、諸事業の進行状況を見ると、輸出金融支援は避けられないと予想される」、「最近、輸出入銀行がチェコ原発に対する金融支援意向を隠したり、認めなかったりしているのは、チェコ原発事業の経済性と収益性に問題があると自ら話しているようなものだ」と指摘した(ザファクト)・・>>

 

 

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