韓国メディアの『なぜ日本は創業100年を超える企業が多いのか』記事

8月23日にも「古豪企業」という名で紹介したことがありますが、実は結構前から、韓国の一部(本当に一部だけですが)のメディアが、日本の老舗企業関連で記事を載せています。今回はソウル経済(9月13日)が『世界的に注目されている』という趣旨の記事を載せています。韓国だけでなく台湾、中国からも、いわばベンチマークのために日本の長寿企業を訪れ、そのためのツアーもある、と。2019年中小企業中央会が調査したデータでは、200年以上の長寿企業は日本3937社、ドイツ1563社、フランス331社です。韓国の場合、100年以上企業は10社(調査によっては8社)とされています。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・1000年以上の歴史を誇る企業が世界的に注目されている。日本経済新聞は(※9月)12日、創業1000年以上の日本の店舗と企業を分析し、韓国と台湾企業人がノウハウを学ぶために訪問していると報道した・・・・創業1000年を超えた「超長寿企業」の経営の秘訣で現代企業が学ぶ点が多いという認識が広がっている。1000年企業の代表的事例に数えられる朱宮神仏具店は2024年創業1000周年を迎えた。1024年に奈良から始まり、愛知、静岡を経て1880年甲府に定着した同社は現在、山梨県内の2つの支店を運営して14人の職員を置いている。一般人のための仏壇や神棚を扱うとともに、全国の寺院に仏教用品を供給する。朱宮英史社長は「基本的にルールを守る商取引をしてきて、同時に社会の様々な変化に対応してきたため、持続できた」と話した・・

 

・・1000年、企業は経営環境変化の中で様々な困難を克服して存続してきた。中村社寺の加藤雅康社長は「寺に何年も通って施工し、完成後も関係を維持する。本当に長い呼吸の仕事」と強調した・・・・最近では、こうした1000年企業をはじめとする長寿企業で事業存続のヒントを得ようとする動きが多様な形で広がっている。100年経営研究機構は創業1000年以上企業の経営者をはじめ老舗企業経営者が参加するセミナーを開催しており、参加者数がここ数年の間に倍増した。海外でも関心が高まり、韓国、中国、台湾などの経営者が日本の老舗を訪問するツアーが毎週何度も行われている。ヨーロッパとアメリカの関心も高まり、創業1000年を超える旅館に直接訪れる富裕層もあるという。経営学研究者も注目している中、日本の長寿企業研究書がドイツや中国などで出版された。欧州最大規模の経営学会は、2024年の中心テーマの一つとして企業の長寿性を選定した(ソウル経済)・・>>

 

こういう記事、実は結構前からあって、中には「国内に100年企業が少ないのは、社会的認識の問題もある」とする記事もあります。たとえば2023年3月23日の毎日日報というメディアは、「100年以上の沿革を持つ企業は10カ所に過ぎない」としながら、韓銀が2011年に発行した「日本の企業承継現況と示唆点」を引用、報じています。残念ながら相続税が高いから、という話が大半ですが・・それも重要かもしれませんが、もっと広い範囲の問題ではないでしょうか。社会的にものすごく認められる職業(時代によって、検事だったり、医師だったり、サムスン電子社員だったり)『だけ』に集中し、それ以外は対して興味がないという社会風潮のほうがもっと問題ではないのか、と。結局は尊重という言葉に集約される気もします。ただ、後半部に社会認識についての部分もあるので、ちょっと引用してみます。

 

<<・・すぐ隣の日本は、世界で最も多くの長寿企業を保有しているだけでなく、世界最高の長寿企業も保有している 。創業200年以上の長寿企業を国際的に比較すると、日本が3113社(43.2%)と圧倒的に多い。 ドイツには1553社(21.7%)の200年以上の長寿企業が存在する(※2019年中小企業中央会が調査したデータでは、200年以上の長寿企業は日本3937社、ドイツ1563社、フランス331社です。韓国の100年以上企業は8社)・・・・企業承継は、円滑な世代移転を通じて、雇用創出・維持、技術・ノウハウの継承及び発展、永続企業への成長と長寿企業の土台を育成することで、経済全般の活力と国家競争力の向上に寄与することができる。

日本は、伝統技術を時代変化に応じて継承・発展させることで、顧客の需要に応える、優れた技術に昇華してきた。一例として、筆ペン、融雪剤、自動発光標識などは、すべて職人の伝統製造技術を顧客の需要に合わせて継承及び発展させて現代的技術に昇華させた製品だ。企業継承に対する認識も長寿企業の誕生を阻む主な要因の一つだ。我が国では、継承作業をただの親譲りだと見る基調が特に強い。専門家たちは、企業承継は単に個人資産を後代が引き継ぐのではなく、経済主体の社会的役割拡大が内包されていると理解する必要があると指摘する(毎日日報)・・>>

明日(26日)はまた1日休みをいただきます。また新潟県に行ってきます。次の更新は、27日、選挙の日ですね。選挙関連で、エントリーかそれとも専用のコメント欄だけでも用意できたらと思っています。それでは、行ってきます。最近、なぜか新潟率高し、です。

 

 

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