需要のなさでは他テーマを圧倒する、韓国内政治関連の話です。もうずいぶん前から、韓国では毎日のように公薦介入がトップニュースになっていますが、なにがどうなったと言うのか、それを簡単に紹介したいと思います。まず公薦とは、選挙において政党が候補を公認することです。公式推薦の略です。基本的に、政治ブローカー(かなにか)とされるミョンテギュンという人が、電話内容を録音したファイルが騒ぎになっています。まだユン大統領が就任したばかりの2022年6月、再選挙・補欠選挙がありました。その際、ミョン氏は、キム・ヨンソンという政治家と通話しながら、「ユン大統領から、~(地名略)選挙区の公薦を得ることができた。だから、急いで準備して」という内容を話します。ミョン氏とキムヨンソン氏は前から親しい仲で、ミョン氏が大統領に頼んで与党の公式推薦を得た、と思われる内容です。
実際、それからキムヨンソン氏は~選挙区で(その地域に何の実績もなかったと言われています)与党の公薦を受けて出馬、当選しました。当時はまだユン政権に勢いがあった、というのもあるでしょう。他にも、ミョン氏の記録には、ユン大統領とキム女史が「私的な理由で」公薦に介入したと思われる内容がいろいろ出てきます。しかし、すべて『ある程度の推測』をしないとならない内容で、本当にここまで大きな騒ぎになるようなことかは、ちょっと微妙です。推測は推測を呼び、ユン大統領と与党代表のハンドンフン氏の仲が思わしくないのも、このためではないのかという話まで出ています。
今年4月の総選挙は野党の大勝利になりましたが、その少し前の記録には、このままだと~選挙区で負けてしまうから、別の選挙区にキムヨンソン氏を移そうという内容もあります。ただ、その際、党代表のハンドンフン氏が応じず、それがユン大統領との対立につながったというのです(実際、キムヨンソン氏は総選挙で落選しました)。他にもいろいろありますが、基本的には同じ流れで、ユン大統領、キムゴンヒ女史が公薦に介入した、これは弾劾にあたいする、そんなところです。昨日、ミョン氏は家宅捜索を受けました。今朝も韓国日報に関連記事が載って、大きな騒ぎになっています。ミョンテギュン氏と、ユン大統領の通話記録です。内容は相変わらずちょっと分かりづらいですが、ユン大統領の肉声が出てくることで、話題になっています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ともに民主党が31日に公開した政治ブローカーのミョンテギュン氏の録音記録は、ユン大統領とミョン氏の間にキム女史がいたという情況を見せる。これまで提起されたキム夫人介入疑惑に力を加えているのだ。2022年5月9日の通話内容を見ると、ユン大統領が「公館委から私に持ってきたので、私が、キムヨンソンは前から熱心に頑張ったから、キムヨンソンを、ちょっと(公薦)してやれ、と言った」とし、「そう言っただけなのに、うるさくなってね」と話すくだりが出てくる。公開されたファイルの中で、唯一、大統領の声が込められた。
翌日、国民の力は慶尚南道の昌原(キョンナム)再補欠選挙候補としてキムヨンソン前議員を戦略公薦した。特に大統領就任式(5月10日)前日までも、公薦について議論した事実が明らかになった。パク・チャンデ民主党院内代表は、「大統領を決めるための党内選挙から本選挙に至るまで、就任前から就任後まで私的チャンネルが強力に働いたものだ」と指摘した。パク院内代表は「ともに民主党が入手した他のファイルには、ユン大統領の違法がキム女史によるものであると示す内容がある」とし「ユン大統領の声が録音されたその通話で、キム夫人が隣にいたとミョン氏が発言する内容がそうだ」と話した。
実際、この日公開された内容を見ると、ミョン氏は知人に「妻が隣で、『ミョン先生がこんな朝に心配して電話かけてくるなんてさ、おにいちゃん、大統領の資格があるの?』と言うんだよ。(ユン大統領が)『私はした。私は明らかにしたよ』と話をするんだ」と話している。『長官にしろって、そう言ったよと、妻の前で『私はちゃんと言ったよ』と言い訳をするんだよ」と話す内容もある。事実なら、キム女史の全方位的国政介入を裏付ける証拠になることができる(韓国日報)・・>>
ちなみに、「おにいちゃん」はユン大統領のことだと言われています。「おにいちゃんは大統領」と書くと、萌えアニメのタイトルみたいになります・・かどうかはおいといて。引用部分の最後のものは、単にミョン氏が知人に自慢する(大統領でも私の言う通りにするぞ、と)だけにも見えますが・・個人的に、この件にちゃんと向き合わなかったユン政権にも問題はあると思います。しかし、それ以上に、「自分には寛大で、相手には『無謬』を求める」いつもの社会像が投影されているのではないか、そんな気もします。野党やマスコミにおいては、朴槿恵大統領を弾劾した『成功体験』もありますから。実際、この件で(この件だけでもありませんが)ユン大統領の支持率は上がる気配がありません。20%台のままです。1日遅れましたが、サブブログにレナのハロウィン写真を載せました。家で撮ったもので、枚数も少しだけですのでおとうちゃんの資格あるのかよくわかりませんが、よろしければ御覧ください。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。