似たような話が、ずいぶん前から何度もありましたが・・また教科書の内容で問題が起きています。検定を通過した高等学校教科書の一つに、いわゆる親日や独裁を擁護する内容のものがある、とのことでして。ハンギョレ新聞(ハンギョレ21、9月6日)、京郷新聞(1日)など多くのメディアが報じています。ハンギョレ21のほうは、採択した高校関連内容はありません(まだ採択が報じられる前の記事です)。一般高等学校では1校だけ、そして代案学校(公教育とは異なる教育を行う、いわばオルタナティブ・スクールのようなものですが、中には公式学歴として認められないものもあります)1校がこの教科書を採択しました。これだけでも教科書としては普及に失敗したとも言えますが・・各メディアが一般高校の方を実名で報道、学生たちに直接インタビューをするなどして、代案学校の場合は採択を取り下げることにしました。
自分で読んでみたわけではありませんが、各メディアが書いているその教科書の内容についての部分を読んでみると、なにか今までと全然異なる内容、たとえば日本側の主張を受け入れたとか、そんなものが書いてあるわけではありません。そんな内容だったら、そもそも検定を通過できなかったでしょう。ただ、日本関連でいつも問題になるいくつかの案件について、『比重』『軽い』『短い』などが指摘されています。どうやら、簡単にしか書かれていないようです。また、いわゆる親日派とされた人たちについて、「どうしてそうなったのか考えてみましょう」な趣旨がある点も、問題とされています。また、1980年代まであった政権を「長期執権」と表現している点なども、独裁擁護だとされています。
個人的に気になったのが、「考えてみましょう」の部分まで問題とされていることです。各マスコミからすると、万が一にも、学生たちが『別の視点』を論ずることがあってはならない、ということでしょうか。似たような案件として、8月16日、釜山にあるある中学校が、契機授業(正規授業ではなく、社会的に話題になっていることに関する話などをする短い授業)として、ある動画を流しました。それはあるユーチューバーが作ったもので、「併合時代、日本は食糧問題が医療問題などを解決するために力を注いでくれた」とする内容です。全校生の数は700人、その親などが強く反発したのは、言うまでもありません。
その際、学校側はこのように話しました。『別の見方もあるという趣旨を教えたかった』、と。でも、報じられた時点(8月)では、釜山市教育庁はこの学校についての追加の調査、および重い措置を下すと話しました(SBSより)。担当の教師も、担任や授業からはずされたと聞きます(それから復帰できたかは分かりません)。今回もまた、「別の見方」に関するものだと見ると、似ているとも言えるでしょう。以下、今回の件を各紙から<<~>>で引用してみます。
<<・・続いて「親日知識人に対する視覚」というタイトルのテーマ探求領域では、ソ・ジョンジュ詩人などの資料を提示し、彼らが「なぜ親日行為をするようになったのか考えてみよう」と書いた。ソ・ジョンジュの詩人について、「ある人は彼を権力に迎合したと主張するが、また一部の人たちは、彼が書いた美しい作品は私たちの文学の重要な遺産として認めなければならないと主張する」と述べ、学生たちの議論を誘導した(ハンギョレ21)・・>>
<<・・「理解できません。全国のすべての学校が採用していない教科書を私たちの学校だけに選定したということじゃないですか」。1日午前、慶尚北道慶山市・・(※例の学校)・・高校前で会ったこの学校の学生キム某が、親日論議が起きている教科書の採択についてどう思うかという質問にこのように答えた・・・・この日まで韓国学歴評価院教科書を採択した全国高校は2カ所だ。残りの1つは京畿道楊州市の代案学校だ。この学校は学校運営委員会を開かずにこの教科書を採択し、議論になると、教科書選定手続きを再進行することにしたという(京郷新聞)・・>>
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