複数の韓国メディア「訪日韓国人観光客が多いのは円安のおかげ」とも、「日本旅行は実は国内旅行より高い」とも

多くの韓国メディアは、日本を訪れる外国人観光客の増加について、円安、すなわち安いからという側面『だけ』を取り上げてきました。もちろん、すべてのメディアがそうだという意味ではありません。中には、韓国とは異なり地方都市にまで観光客が訪れる魅力など、学ぶべきだと指摘する記事もありました。しかし、ほとんどのメディアは「やすいから」の一点張り。実は、韓国では外国人観光客の数が新型コロナ前の水準をほぼ(ニューシースの記事によると約99%)回復しましたが、彼ら外国人観光客から得られた旅行収入は新型コロナ前の81%にとどまっています。

主な理由は、中国人観光客の数がまだ回復してないし、彼らが観光に来る目的も前のような「買い物」ではなくなったからです。観光収支も大幅な赤字を記録しています。一時期、日本よりも多くの外国人観光客が訪韓する時期もありました。当時は『優れた文化がなによりの魅力』などを主張する記事が目立っていました。ただ、実際は、ほとんどの観光客がソウルと済州島に集中していました。最近はこんな話はまったく聞こえなくなりました。なにせ、『文化』に惹かれている観光客は、多くが日本に向かっていますから。ひょっとすると、これも『安い』だけを取り上げる背景かもしれません。そんな中、ソウル経済など複数のメディアが『済州島にいく金があれば日本にいく』という人が多いけど、実は日本旅行のほうがずっと高いという研究結果が出たと報じました。

 

国内旅行が、『不当な(原文ママ)』評価を受けている、というのです。民間団体が実際に使う金を調べてみたらそうだったというだけのデータですが、10月中旬あたりから(ソース記事は31日)驚くほど多くのメディアがこの件を結構大きく取り上げました。しかし、『済州島に行く金があれば日本に行く』というフレーズ、確かによく目につきますが、本当に日本のほうが安いという意味でしょうか。実際に旅行に行く人たちが、それを知らなかったのでしょうか。よほど経験がない人でないかぎり、それを知らなかった人は多くないでしょう。満足度なども含めて、ただそんなふうに言っていたのでは。そう考えると、今回複数のメディアが取り上げた『実は国内旅行より高い!』とする記事は、いままで全力で主張してきた『やすいから』という主張を自らの手でくずしたものになるのでは・・そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。日本で使う金額データとかも出ています。

 

<<・・外国人観光客が新型コロナ以前の2019年と比較して99%回復したが、旅行収支は赤字の沼から抜け出せずにいる。中国観光客のまだ回復せず消費パターンの変化もあって、しばらく旅行収支の改善は難しいという見通しが出ている・・・・(※8月)旅行収支は14億2000万ドルの赤字で7月(マイナス12億6000万ドル)より赤字幅が拡大した。4月8億2000億ドル赤字以後、4ヶ月目だ。特に新型コロナ以降、入国者数が回復しても旅行収支がなかなか反騰していないという点が問題だ。韓国観光公社によると、8月の訪韓客数は156万人で、前年同期比43.5%増加した。新型コロナ以前の2019年8月(158万人)と比較すると98.5%を回復した。しかし、出国者が増えている。今年8月の出国者数は236万人で、新型コロナ以前の2019年8月(243万人)の97%水準まで増えた。

問題は、新型コロナ以前と比較しても、旅行収支の赤字幅が大きくなったという点だ。今年8月の旅行収支赤字(14億2000万ドル)は、2019年8月の旅行収支赤字(11億ドル)より1.3倍大きい・・・・新型コロナ以来、旅行収支赤字が拡大した理由としては、中国の観光客が回復しないでいることと、旅行客の消費パターンが変わったという分析が出ている。全体旅行客の数が回復しているが、8月の中国人「入国者」数は50万人で、2019年8月(58万人)の86%水準だった。中国観光客が団体から個人観光に変わり、コスパを考えるショッピングに変わったという点も旅行収支につながっている。文化体育観光部の「訪韓中国観光トレンド変化分析」によると、中国観光客の訪韓目的でショッピングの割合は2019年95.1%から昨年は68.2%に減少した(ニューシース、10月9日)・・>>

 

<<・・10人のうち9人は「済州島に行くお金であれば日本に行く」という話を聞いた経験があり、10人のうち7人はこの言葉に共感することが分かった。このような認識が拡大して、観光収支の赤字拡大に繋がっているという分析が出てくる。旅行リサーチ専門機関コンシューマーインサイトは今後も国内旅行は減少、海外旅行は増加する旅行需要の不均衡が持続するだろうと見通した。旅行客の間では、国内より海外が安いという認識が強くなっている。しかし、コンシューマーインサイト調査の結果、今年1回の旅行当たりの総費用は海外旅行が平均176万5000ウォンで、国内旅行平均(23万1000ウォン)の7.6倍に達した。

「済州島に行くお金なら日本に行く」という話も事実と異なるものだった。7月コンシューマーインサイトが昨年1月から10月まで「週例旅行行態及び計画調査」を実施した結果、日本と済州島を旅行した人の平均支出規模はそれぞれ113万6000ウォン、52万8000ウォンだった。日本旅行経費が済州島旅行経費より2.15倍高いわけだ・・・・コンシューマーインサイトの関係者は「国内旅行を不当に評価し、海外旅行はとんでもなく高く評価する傾向が依然として強く現れ、観光市場の萎縮をもたらしている」とし「このような考えが消えない限り、観光収支の赤字は減らないだろう」と懸念した。慢性的な観光収支赤字は続いている。韓国銀行によると、今年上半期の観光収支赤字は65億ドルだ。 2年連続で新型コロナ以前の2019年(56億6000万ドル)を超えた(ソウル経済、10月31日)・・>>

 

 

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