韓国の野党側から、「いま改憲して大統領任期を短縮すれば、ユン大統領の任期は来年5月でおわるんじゃね?」な動きが本格化しています。いま改憲して、いま大統領やっている人の任期まで短くできるのかよく分かりませんが、とりあえずかなり盛り上がっていて、野党側は連帯しています。もう2~3週間前から出ている話で、ソース記事はニュース1(10日)、京郷新聞(1日)です。理由はいくつかありますが、弾劾するには憲法裁判所の判断を問うことになります。2004年、野党側が連帯して、盧武鉉当時大統領を弾劾する案が国会を通過しました。でも、それから2ヶ月後、憲法裁判所で受け入れられず、むしろ若干ですが盧武鉉大統領の支持率が上がる結果になりました(同情票?)。実は、それからの朴槿恵大統領の弾劾は、ノムたんのときのリベンジマッチ(?)ではないのか、という話もあります。
で、今回もダンガイダンガイと話が出ているわけですが、まず世論がそこまで盛り上がってないし、憲法裁判所が受け入れる可能性は高くありません。世論に合わせた判決しか出ませんから(笑)。そこで、「じゃ、任期短縮にして、国民投票で決めよう」ということになったわけです。改憲が最終的に成立するには国民投票が必要ですから、なによりの『国民の意志』にできる、と。野党側としては、いま、改憲するには議席数が足りません。でも、可能性から考えて、ダンガイよりはカイケンのほうがいい、天才かよ、といった展開ですが・・いろいろやっているうちに普通に任期終わるのではないか、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・キムヨンミンと共に民主党議員は「(大統領の)任期を2年短縮する改憲をすれば、早ければ来年5月に大統領任期が終わる状況になる」とし「弾劾よりも早いかもしれない」と明らかにした。キム議員は・・・・「(野党側の元老たちが)新しい解決策、新しい代案として、任期を2年短縮させる改憲をしようと提案した」と述べた。これに先立ち・・・・社会の各元老たちも国会疎通館でユン政権任期2年短縮改憲を提案する記者会見を開いた。議員は「任期2年短縮を主張される最も決定的な理由は、弾劾とは異なり、改憲は国民投票とするため、国民が直接この政権を審判できるという大きな利点がある」とし、「国民主権を実現する利点がある」と言った。彼は、弾劾を主張してきた革新党との議論については「2年短縮させる改憲は、既存に議論されたものとは全く異なる次元の議論が始まったと見れば良い」と付け加えた・・
・・改憲に必要な数は在籍議員の3分の2である200席以上である。国民の力の議席は108席。野党側の議席は192席で、8席が足りない。これに対して金議員は「重要な部分だと見ている」とし「与党側との共助を通じ合意をしなければ弾劾も不可能で憲法改正も不可能な状態」と話した。彼は引き続き「個人的には国民の力が二度も連続大統領が弾劾される党として、政治的に大きな試練を経験したり、場合によっては党が消えてしまうような危機になることもあるだろうし、そうなるよりはむしろ任期短縮で国を正常化させるのに一緒に参加した政治勢力として残ることを選ぶのが、それでもまだ可能性があるのではないかと思っている」と明らかにした(京郷新聞)・・>>
<<・・ユン大統領の任期が半分過ぎようとしている中、共に民主党など野党は政府に向けてさらに強い圧迫を続けるものと見られる。ユン大統領の支持率が10%台に下落し、民主党など野党内部では大統領任期短縮改憲の話が活発に出てくる・・・・一部の野党はすでに公開的に弾劾を主張している。野党側がこのように強くでているのは、政治的な「逆風」の心配がないと思ったからだ。相次いで最低値を記録する大統領支持率だけでなく、7日ユン大統領の対国民談話および記者会見に対する世論が思わしくないと判断したためだと見られる・・巨大野党の共に民主党は、いままで推進していた「大統領夫人特検法」の通過を第1目標として、真相調査TF活動を本格化した。尹大統領が記者会見で該当特検自体を受け入れることができないという立場を明らかにしたことに対する圧迫の次元だと思われる。
これに加え、個々の議員を中心に野党連帯を構成し、大統領任期短縮制改憲と弾劾推進のための活動も始めた。党指導部も、別に止めていない。むしろ、国会の外での弾劾関連集会などでは党指導部もすべて参加している・・・・イ・ジェミョン代表は9日、集会を控えて「『行動する良心』の皆さんたちの熱い歓声で、この場所をいっぱい満たしてほしい」と参加を促したりした。まだ党レベルで弾劾や任期短縮改憲を公式化していないが、各集会で国民の参加が高まる場合、直接的にこれを言及する可能性もある(ニュース1)・・>>
改憲だろうと弾劾だろうと、野党としては、別にできてもできなくてもいいと思っているのでしょう。「国民がこんなに望んでいるのに大統領や与党が協力してくれない しくしく」という点をアピールし、世論を賛否両論に二分化すれば、それだけでも(現状としては)次の大統領選挙で有利になる、と思っている・・そんなところではないでしょうか。また、今月中に予定されているイジェミョン氏の裁判結果に対する、『事前の圧力』という側面もあるでしょう。もともと韓国は、大統領任期の最後の1年は「なにもできない年」とされています。となると、普通に任期を全うできるとしても、実際に活躍できるのはあと1年半といったところでしょうか。その期間中、なにができるのでしょうか。石破政権が続いているかどうかはまだなんとも言えませんが、トランプ政権と相手するのは「次の政権」ということになりますが。
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