世界遺産「佐渡島の金山」の追悼式関連記事がまた増えてきました。それもそのはずで、式は24日に決まりましたが、日本側は「佐渡金山で働いたすべての労働者のための」追悼式であることを強調しているからです。新潟県知事もこの点を強調していますし、また、政府主催ではなく、韓国メディアの報道によると民間団体が主催(詳しくは民間団体と県などが参加した実行委員会)していること、日本政府から誰が参加するかがまだ決まっていないことなどで、いろいろと関連記事が増えています。中央日報、聯合ニュースなどです。特に印象的なのがMBCの報道にあった、「感謝」の気持ちの表現です。日本側は、佐渡島の金山で働いてくれたすべての労働者に対し、追悼式に『感謝』という言葉を入れようとしたが、韓国側が同意せず、入らないことになった、とのことでして。
佐渡島の金山だけではなく、このようなすべての案件において、韓国側は併合時代そのものの適法性までつなげることを望んでいます。だから、「すべての労働者」となっている時点で、すでに各メディアの報道は、「これじゃない」というものでした。ユン政権もその点を知っているので、「感謝」という言葉まで入れるわけにはいかなかったのでしょう。また、韓国側からは当時佐渡島の金山で働いていた労働者の遺族11人が参加するとのことですが、その飛行機代などを日本側が提供しないなどのことで、MBCは「こんなことがあっていいのか」な論調の記事を載せています。ちなみに、連絡できる範囲内で当時の労働者がまだ1人生存していますが、高齢で参加できなかった、とも。
各メディアが重要視しているのが、『日本政府から誰が参加するのか』です。今朝の記事まですべてチェックしてみましたが、24日なのに21日午前の時点でまだ決まっておらず、韓国側も決められないでいる(日本側からどれくらいの人が参加するのかを見て、それに合わせる形で人を選ぶそうです)、とも。聯合ニュースによると、「日本中央政府から誰が出席するかはまだ知られていない。韓国側は、『政務官』以上の人事が参加することを希望してきた。韓国は日本側の参加者が決まったらこれに合わせて当局者を派遣する方針」、とのことです。さて、これに誰が、というかどれくらいの職位の人が参加するのか。前に、世界遺産に決まった直後は、韓国メディアから「政府高官が参加すべきだ」という話がありましたが、この内容だと、ずいぶん期待値が下がっているようにも見えます。実際、どれくらいの職位の人が参加するのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ただし、日本中央政府で誰が出席するかはまだ知られていない。韓国は次官級の上級職である政務官以上の人事が参加することを希望してきた。韓国は日本側の参加者が決まったらこれに合わせて当局者を派遣するという方針だ。両国関係者が参加する追悼式は、7月ユネスコ世界遺産委員会で佐渡金山(※原文では鉱山)が世界遺産に登録されたとき、合意した後続措置として今回初めて開かれる。日本政府は当時「佐渡金山でのすべての労働者のための追悼行事を毎年現地で開く予定」と明らかにした。日本市民団体が主催した既存の追悼式は参加者が10人余りで、規模が小さかったことが分かった。今回の追悼式が行われるイベント会場は、収容人員が100人余り規模で伝えられた。行事は黙念、追悼士、献花の順で行われることが分かった。追悼の辞は韓国と日本がそれぞれ朗読する予定で、両国当局はその内容に対する協議を進行中だと伝えられた(聯合ニュース)・・>>
<<・・今回の行事に向け韓日政府が協議を続けてきたが、行事4日前のこの日の公式発表の時までも日本政府側の出席者と追悼辞の内容は確定していない。実行委員会は追悼式に実行委員会関係者、民間団体、自治体関係者、日本政府関係者が参列する予定だと発表した。韓国外交部も「今回の追悼式は7月に佐渡島の金山の世界文化遺産登録と関連した両国合意の結果として開催されるものだ。日本政府関係者も参加し、韓国人労働者を含むすべての労働者を対象に追悼の意を示すことに意味がある」と明らかにした。外交部によると今回の追悼式には韓国側から遺族11人と政府関係者が参加する。ただ、カギである日本政府側参列者は、追悼式開催を4日後に控えたこの日まで確定していない(※20日午後の記事)。外交部当局者はこの日記者たちと会った場で、「私たちは、日本が政府次元でハイレベルの高官が参加すべきで、真に意味のある追悼式にしなければならないと当初から要求してきた。しかし日本の国内的な事情などで確定できずにいる」と説明した(中央日報)・・>>
こんなふうの話がなかったなら、むしろ気軽に政府関係者が参加できたのではないか、そんな気もします。一応世界遺産で開かれるイベントで、「すべての労働者」という範囲なので、政府関係者が参加すること自体は自然ですから。こんな話が出てきたからには、誰が参加するのか、よけい気になります。ただ、単に政府が忙しいだけではないのか、そんな気もします。
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