韓国メディアが見た「103万円の壁」・・韓国の「週休手当」を指摘する声も

やっと「103万円の壁」関連の経済政策修正案に自民党、公明党、国民民主党が合意しました。個人的には「賛成」しています。多くの人が支持しているし、何事もやってみないとわからないものですから。韓国側のメディアは、黙々と「合意した」「こういう話が日本で話題」と事実だけを伝える記事が多いですが、京郷新聞など、日本内の反対意見などを中心的に伝えるメディアもあります。逆に、概ね好意的に書いた記事もあり、メディア・・というか書く人によって評判も異なります。その中でも東亜日報が、韓国の週休手当、ドイツの病療休暇などを取り上げ、「もう『働く」の方向性が変わりつつある」という記事を載せました。2つ共に、日本で話題にされているポイントとはちょっとズレている気もしますが、以下、<<~>>で引用します。

<<・・最近、韓国半導体産業がグローバル競争で遅れを取っている理由として、以前とは異なり、核心人材でも、必要なだけ働くことができなくする条件を挙げる人が少なくない。新製品の発売が近くても、週52時間規制に合わせて午後6時には退勤するしかないからだ。与党・野党が立法を推進中の「Kチップス法」に半導体研究開発(R&D)人材の週52時間制例外条項を入れてほしいと産業界が要請する理由でもある。製造業強国ドイツでは、最近、労働者の「病療休暇」が論議されている。電気自動車メーカーテスラが、ドイツ工場の職員があまりにも頻繁に、それも金曜日に集中的に病療休暇を出すという理由で、職員の家を訪れて本当に療養しているのかどうか確認したことが、きっかけとなった。

 

「テスラ工場は人員が不足し、作業量が多く、病療休暇が多い」と金属産業労組が反発すると、メルセデスベンツ最高経営者は「ドイツの高い病療休暇率は企業の立場では問題だ」とし、テスラの味方をした。ドイツの労働者の1人当たりの平均年間病療休暇日数は19.4日で、OECD加盟国の中で最高水準だ。これがなかったらマイナス0.3%だった昨年ドイツの経済成長率がプラス0.5%になっただろうという分析もある。2ヶ月前、欧州連合(EU)執行委員会の依頼で「EU競争力の未来」報告を出したマリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁は、米国との競争でヨーロッパが遅れた理由として、先端産業への投資不足、低い生産性とともに、労働時間の減少を挙げた・・

 

・・先月、衆議院選挙で過半議席が得られず、野党との連合を通じてようやく政権を維持できた自民党の石破茂首相は、最近、青年や主婦のアルバイト労働時間の延長に「壁」とされる「103万円の壁」について議論している・・・・103万円は、日本で23歳未満の大学生の子がアルバイトでお金を稼いだとき、親が扶養控除を受けることができる年所得の上限だ。それ以上稼いだ場合、控除が受けられない。今は150万円に高まった配偶者控除基準も以前は103万円だったため、このラインを職員の配偶者手当支給基準とする企業が多い。通常1日4~5時間、週3~4日働く主婦、青年アルバイトが、勤労時間を増やしても、所得がこの線を越えれば家族全体で見ると経済的にマイナスになるので、もっと働きたいという意志を制限してしまうという批判が多い。

 

韓国では週5日、15時間以上働く労働者に休日分の手当を与えるようにする「週休手当」が、日本の103万円のように、労働時間延長の壁となる。週休手当は勤労条件がまだ揃っていなかった1953年、日本の法をまねした制度で、全世界に数少ない国にしか残っていない。高い最低賃金負担を少しでも減らそうとする自営業者が多く、(※雇用側からすると週休手当を出さずに済む)「15時間未満の短時間アルバイト」は、韓国パートタイム雇用の標準となった。より多くの収入を必要とする労働者は、別々に働き口を見つけるしかない。

韓国は、勤労時間が長いと言われていることを気にして、より多くの余暇を提供する欧州式勤労形態を志向している。今も野党と労働界は「週5日制」を超えて「週4.5日制」を要求している。しかし、先進各国は、他の国よりも強い産業競争力を確保するために、個人はより多くの経済的補償のために、労働時間を増やす方に動き始めた。トランプ政府の「政府効率部」の首長を務めたイーロン・マスクが「週80時間働く意思のある超高知能(super high IQ)革命家を募集する」としたのは、その意味において象徴的だ。雇用に関連した時代精神が急速に変わりつつあるのに、私たちだけが別の道に行くわけにはいかない(東亜日報)・・>>

 

<<・・日本執権自民党と連立与党公明党、国民民主党が「103万円の壁」改善などが含まれた政府経済対策修正案に合意したと21日、NHKなどが報道した・・・・自民・公明連合が国民の審判を受けたにもかかわらず、事前審査が復活するのではないかという懸念も出た。事前審査とは、政府が経済対策や法案、予算案を各意で決定する前に与党から事実上承認を受ける手続きを意味する。与党が過半の場合、事前審査を経た法案は、課題や問題点があっても、大きな修正なしで数的優位に通過が可能になるという指摘を受けてきた野中直学習院大学政治学科教授は「事前審査制の下、政府は派閥議員や業界団体などの圧力を受けて不透明な形で予算、法律に要求事項を反映させることができる」と朝日に話した。

彼は「103万円の壁の改善方向性が含まれたからといって、経済対策全体に賛成するのはなぜだろうか。梅干しだけおいしいからって弁当全体を認める形」とし「安易な対応」と国民民主党にも批判の声を出した。3つの政党の連帯が続かない可能性は残っている。なにより「103万円の壁」の引き上げの幅が問題だ。国民民主党は178万円への引き上げを要求するが、この場合税収が8兆円ほど減少すると推定され、全​​国の自治体長が地方税収の減少を懸念して反発している(京郷新聞)・・>>

 

 

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