米国、米韓同盟コンソーシアムで韓国の核武装に反対意見・・「NPTを守ることが重要です」「質問の書き方を変えれば、世論調査結果も変わるでしょう」

韓国の政府高官が、「ロシアが北朝鮮に防空システム・対空ミサイルなどを供与した」と話して、また話題になっています。本当かどうかはまだわかりませんが、北朝鮮とロシアの関係が1~2年前とは明らかに別のものになっているのは、間違いないでしょう。普通なら米韓同盟関連の話が盛り上がるはずだし、実際、そういう話もありますが・・どちらかというと、核保有関連の意見が強く出ています。本ブログでも何度か取り上げ、小テーマもできましたが、尹政権になってから(詳しくは大統領選挙の公約にも似たような話がありましたが)ずっと同じパターンが繰り返されています。これは韓国の自力核武装についてで、在韓米軍に配備するという意味ではありません。

少なくとも北朝鮮関連では米国と安保協力を強化するというのがユン政権のスタンスですが、この話がここまで出ていることは、実は米国との安保、「拡大抑止」関連で、意見の相違が出ているのではないか、そんな指摘もあります。ユン大統領が米国を訪問したとき、「米国と核共有できた」とかなり大きな発表を行い、米当局者が、まだユン大統領が米国にいるいるのに「それは事実と異なる」と話したこともあります。その直後、ユン大統領は自力開発について話すようになりました。キャンプ・デビッド日米韓首脳会談のあとにはこの話は収まりましたが、それでも関連した話が出てきて、また米国側が「そうではない」と話す、そういうパターンが繰り返されています。

 

11月10日にも紹介しましたが、トランプ氏が大統領に当選してから、一部のメディア、国会議員などが、またこの話を盛り上げました。在韓米軍防衛費負担と核開発容認をトレードしようとか、日本といっしょに主張すれば米国も応じるだろう、とか(本件以外にも、この手の話はいつも出てきますが)、そんな内容です。今日の聯合ニュースによると、また同じことがありました。米韓同盟関連コンソーシアムで、韓国側の記者が同じ質問をしました。韓国メディアはよく「国民の66%が賛成している」、という調査結果を引用しますが、それについてどう思うのかと、米国当局者に質問しました。コンソーシアムに参加していた米国国務省アレクサンドラ・ベル国務省軍備管理・抑止・安定性局次官補は、「その調査って、ある程度は結論ありきのもの」と話しました。質問の仕方を変えれば、そんなデータはいくらでも変わるというのです。すなわち、事実上、反対を示しました。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・米国国務省で核兵器の非拡散問題を担当する核心当局者が、22日(現地時間)、韓国国民の3分の2が自体的な核武装に賛成するという内容の世論調査と関連し、「質問方式を変えれば韓国国民の回答も変わる」と明らかにした。アレクサンドラ・ベル国務省の軍備管理抑制安定(ADS)副次官補は同日、コリアソシアティがワシントンDCで開催した韓米同盟関連カンファレンスで「世論調査で韓国国民の66%が独自の核抑制力を保有したい」という指摘に「その調査は質問方式によってある程度フレームが編まれていると思う」としこのように答えた。

彼女は「もし『事態的な核プログラムを追求する場合、核兵器拡散禁止条約(NPT)に対する(韓国)自体の公約違反を含めて、そのような決定によるすべての結果(consequence)を処理しなければならないけど、それを望むか』と質問すると、多少異なる結果が得られただろう」と述べた。続いて「これはただ『私たちが核プログラムを持つのか、持たないのか』よりも深い対話である」とし「ユン大統領とジョーバイデン大統領が核兵器非拡散体系NPTによる相互義務に対する長年の約束を繰り返して再確認したという事実も、注目する価値がある」と明らかにした。

 

「韓米両国はこの体制の根幹であるNPTに対する継続的な公約を維持しており、ユン大統領は自体核兵器を開発する意思がないと明らかにしてきた」とも振り返った。韓米核協議グループ(NCG)の国務省側代表であるベル副次官補は、「拡大抑止戦略協議体(EDSCG)とNCGを通じて私たちができることは、拡大抑止の公約をよりうまく調整し、拡大抑止と従来の手段の両方を使用し、我々が直面した挑戦に対応することについて韓国国民との議論を拡大し続けることだ」と話した。続いて「アメリカで政権が変わっても、米韓が一緒に作ったものの強みを見ることができると、私は考えている」と強調した。これに先立ち、統一研究院が6月に公開した統一意識調査によると、全体の回答者の66%が、北朝鮮が核を放棄しなければ、われわれも核兵器を保有しなければならないと答えた(聯合ニュース)・・>>

 

今回もまた同じパターンとなりましたが、個人的に、特に気になる案件でもあります。この話、『日本』への安保リスクでもありますから。 で、ここでまた「うわあぁぁ告知」ですが、3日間、休みをいただくことになりました。愛知県まで行って、一泊してきます。また、いま進めている仕事とは別に、自分としてとても意味のある仕事(これは来年のことですが)の話があって、その件での相談もあり、3日間休むことになりました。24日には例の追悼式が予定されており、25日には李在明共に民主党代表の裁判結果も出ます。この前とは別の件ですが、こちらも1審です。いろいろあるのに、留守にしてしまい、申し訳ございません。次の更新は、27日のいつもの時間、11時頃になります。それでは、行ってきます。

 

 

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