日本と韓国の「世帯平均可処分所得」、1人あたりGDPとは異なる結果に

ある記事に世帯平均可処分所得に関するデータが出ていたので、ちょっと調べてみました。以下、「単純比較データ」程度と思ってください。それ以上でも以下でもありません。1人あたりGDPとか平均賃金とかを韓国メディアは大きく取り上げていますが、いざ可処分所得を調べてみたら、まだまだ日本のほうが大きかった、という話です。可処分所得とは、たとえば社会保険とか税金とか、そして債務の返済など、いわゆる「非消費支出」を、所得から引いたものです。結論から書きますと、Google検索でAIさんが教えてくれた数値だと、日本の場合、全世帯平均で545.4万円。韓国の場合は6~9月期に月396万ウォン(今日の為替レートで523万円)でした。

最近はウォンもずいぶん安くはなっていますが、結構前から円安が続いています。為替レートの影響をまったく無しにするのはさすがにどうかと思いますが、数ヶ月でずいぶん変わる結果になります。いまは円がウォンの9.07倍です。でも、つい8月に(約)9.5倍でした。私の個人的な感覚だと「普通、円はウォンの10倍とすれば大まかに合う」です。ずいぶん長い間、日本からDVDやフィギュアやドールドレスなどを購入した(国際配送)経験値によるものですが。その感覚で10倍にすると、韓国の世帯平均可処分所得は円にして約475万円になります。9.5倍(8月)にすると、500万円。3ヶ月で23万円も変動したわけです(全世帯平均で25万円だと結構大きい)。ただ、最近1人あたりGDPがうわあぁとしていたことを考えると、異なる結果だと言えるでしょう。

 

非消費支出といっても、税金の場合は国が定めた特定のルールに基づきますが、家計債務はそうでもありません。「平均」の場合、世帯それぞれかなり異なる結果になります。どれくらい借りているか規則もないし、家計債務がない世帯の分まですべて含めてのものだからです。ちなみに、韓国で「家計債務」の対象として集計される人、すなわち家計債務の借主は、2023年4~6月期のデータで約1978万人です。当時の規模は1845兆7000億ウォンでした。もともと、こういうデータは推移を見て経済政策などの参考にするためのもので、ランク付けをするためのものではありません。10月15日にもペンシルベニア大学のレポートを紹介しながら似たような話をしました。

生産可能年齢帯に限定して調べると、日本のほうがOECDの中でもっとも1人GDP成長率が高くなるという内容でした。少子高齢化、為替レートなど、多くの要因で別の見方ができる、こういうのも含めて経済政策の参考にすべきではないのか、という趣旨でした。MBN(22日)と、2023年3月5日のものですがSBSが関連記事を載せているので、そちらを<<~>>で引用します。世帯平均可処分所得についてはちょっとだけ出てきますが、共働きで月所得900万ウォンになる世帯が、副業を考えるほど金に困っているという話もあり、なんかちょっと不思議な気もします。どこにそんなに使っているのでしょうか、それとも、使うしかないというところでしょうか。

 

<<・・基準金利は下がると言っていますが、実際のローンの利子などはなかなか減らないでいます。家を購入するため、無理して組んだローンの元金と利子を返済すれば、使えるお金がなく、なかなか難しい状態の内需はますます不振から抜け出せずにいます。二人の娘を持つ40代のAさんは、先日、ローンを組んで首都圏に30坪台のアパートを買いました。ローンは6億ウォンです。元金と利子の返済で毎月315万ウォンが出ていきます。妻まで再び仕事を始め、月900万ウォンほど所得を得ていますが、その3分の1以上はそっくり銀行に入るわけです。子どもの学院費(※塾など私教育費用のこと)や、食料品費など必須支出まで考えると、外で食べることすら負担になります。(インタビュー:Aさん )「今(月所得の)多分35%ほどは(※元利均等返済に)出ていきます。冗談抜きで息だけしていても出ていくお金がこんなにも大きいわけですから、副業をさらに増やさないといけないかもしれません」。

首都圏内の家づくりのため、30~40代では無理なローンを組む人が増え、家計債務ははいつのまにか2千兆ウォンに迫っています・・・・今年7~9月期の、世帯の家計債務規模は、前の四半期より18兆ウォン大きくなった1,913兆8千億ウォンとなって、最高値となりました。一方、ローンなどをのぞいて、使える世帯当たりの仮処分所得は、4~6月期基準で月396万ウォンで、前四半期より10万ウォン近く減りました。債務は増え、所得は減り、国にも金が回らないことが続いています(MBN)・・>>

 

<<・・(※可処分所得は、所得から)税金や、健康保険料のようないわゆる準租稅も差し引きます。そして、利子費用まで差し引いた後、事実上、家計の手に残ったのは、昨年、月平均395万9千ウォン程度、1年前より1.8%増えるにとどまりました・・・・昨年、輸出不振をはじめ景気低迷が続いて、所得増加率自体が低くなったことが一番大きいのは確かにあります・・・・それだけ税金と利子費用が増えたとも言えます。また、より正確には、利子負担で、国民がそれほど苦労していることがもう一度確認されたとも言えます(SBS、2023年3月5日)・・>>

繰り返しになりますが、こういうのは推移を見守って経済政策などの参考にしてこそ意味があります。各メディアが1人あたりGDP~とさわぐことがなかったら、多分気にもしなかったことでしょう。ただ、見方によって結果も変わるというものです。特に少子高齢化とか、為替レートとかで。

 

 

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