今朝(2つ前)の内容に比べると、急にローカルな話になりますが・・韓国の複数のメディアが、ある自営業者のネット投稿を記事にしています。ソース記事はアイニュース24というネットメディアですが、ファイナンシャルニュース、アジア経済などのメディアにも同じ内容の記事があります。複数のメディアに載っているということは、ある程度は話題になっているのでしょう。自営業と言えば債務や廃業関連が圧倒的に多い今日この頃ですが、今回はなんと、人手が足りなくても20代は雇用しないほうがいいという内容です。1を教えると0.5しか学習せず、仕事や勤務態度などを注意すると、なんと親から電話がかかってくる、とのことでして。意外と同意する声が多いようで(もちろん反対の意見も載っていますが)、記事によっては「権利はあっても義務はないスタンス」という言葉まで出てきています。
若い世代の働きに関して前の世代が「これだから~」と不評する記録は、古代の遺跡からも見つかっていると聞きます。私は個人的に、こういうのは詳しくデータでも出ていないかぎり、『人それぞれの問題』ではないだろうかと思っています。でも、特にいまの韓国では、『社会的に』、ちょっとこの問題が複雑になっています。韓国の場合、世代間の葛藤が強く、政治においての左右葛藤にちなんで、世代間の問題を上下葛藤と表現する時期もありました。最近は上下というのが格差などの問題に使われるようになったためか、あまり見なくなった表現ですが、私がブログを書くようになってからも記事などで普通に使われていたので、そんなに昔のことというわけでもありません。最近は普通に「世代間~」とします。それに、最近は20代など青年層雇用の減少が続いています。
いつも、どの案件においてもそうですが、これを『前の世代の責任だ』とする主張も結構盛り上がっているので、この自営業者の投稿内容が相応の話題になったのかもしれません。本ブログ、いままで青年問題について何度もエントリーしてきました。退職金が発生しないように11ヶ月しか雇用しないところが多いとか、正規職または常用職(契約期間1年以上)の働き口が急激に減っているとか、政府の予算はほとんどが高齢者のための簡単な働き口を用意するために使われているとか、そもそも賃金未払いや最低賃金未満の割合も高いとか、多くの内容がありました。また、『私にはふさわしくない』という理由で仕事をやめたり、自分自身が、自分の描く「理想の親」の状態になるまでは結婚しない(自分が親に求めていた姿を、自分が親として子に示したい)という「完璧な親シンドローム」など、少子化との関連性についても、何度か取り上げたりしました。
ヨンクルなどもそうでしたが(本ブログで取り上げる回数が減っただけで、ヨンクル関連でもまだまだ多くの記事が出ています)、そんな中、よけい他人と比べてしまい、結局は何かへの投資(いわゆる『大当たり』)に走るだけ、ということも含めて。割合まではわかりませんが、海外旅行もきっとそんな側面があるでしょう。そんな中、ある1人の自営業者の話とはいえ、『雇用したくても、レベルの問題がある』という話が出てきたわけですから・・話題になるのも頷けます。ある意味、きわめてローカルな話とはいえ、社会の一面である、ということでちょっと取り上げてみます。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・25日、あるオンラインコミュニティーに「いくら急に人手が必要でも、20代の子は雇ってはなりません」というタイトルの文が掲載された。自営業者である作成者Aさんは、20代について「何度もやられた。だんだんもっとひどくなってくる。実力も能力もないのに権利だけ求める。いくらなんでも最近はひどすぎる」と書いた。Aさんは「責任感のようなものは望んでもいない。本人の仕事、1人分だけでもしっかりしてほしいと思うが、それすらもあの子たちには難しいようだ。1を教えても0.5しかできない。甘い汁だけ吸って早く家に帰ることだけ考えているようだ」と吐露した。また「仕事ができなくても基本的な礼儀でもあればなんとか雇えないこともないが、そんなこともない。お互いへの配慮が欠けている世代のようだ。家庭教育のせいだ」と指摘した。
また「働いて何が言われると、その場で解決するのではなく、家に言ったのか、あとで親から電話がかかってくる。学校かなにかの親との相談かよと思った。なぜ私が自分のお金を払って人を雇うのに、私の方から見上げないといけないのか」とした。「企業が20代を採用しないのがこんな理由だと、そんな話も聞くが、アルバイトもちゃんとできない子が、採用だなんてなんの冗談だ。客からのストレスよりもこいつらのほうがすごい。この世代はほうっておくのが皆のためにもっとも良いと思う」と再び強調した(アイニュース24)・・>>
記事によると同意する書き込みが多かったそうですが、中には「分裂を助長する内容だ」とする批判もあった、とのことです。先も話しましたが、世代間葛藤になりそうなことを言うな、という指摘でしょう。繰り返しになりますが、どれだけこうなのかはわかりません。これが20代雇用問題の「主な理由」だとも思えません。でも、20代雇用問題において、多くの理由のうち一つと呼ぶことはできるのでは・・そんな気もします。ここまで記事になる事例はめずらしいですが、似たような話なら結構あったので。さすがに、20代にもなって親から電話がかかってきたというのは特殊な事例だと思いたいですが。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。