遅くなりましたが、留守の間にあった「佐渡島の金山」追悼式関連について紹介します。遅れたこともあってちょっと「いままでのあらすじ」的にまとめてみますと、21日にお伝えした時点ではまだ「政府側では誰が(どれくらいのレベルが)参加するのか分かっていない」となっていましたが、それから生稲晃子政務官が参加すると発表されました。で、それから各メディアが生稲政務官は2022年に靖国参拝したと報じ大きな話題になりました。結果、24日の佐渡金山の追悼式に韓国政府は参加しませんでした。24~25日に報じられた内容では、不参加の理由は、生稲政務官のことと、そして、追悼の辞の内容ではないのかとされました。ただ、いまもそうですが、韓国政府側は追悼の辞の内容については、具体的なことは話していません。
そして、25日、共同通信が、生稲晃子政務官の参拝は誤報だったと報道しました。一部のメディアは、日本側は韓国側に対して「生稲晃子政務官は、参議院議員になってからは参拝いていない」と説明したものの、韓国政府はそれを認めなかった、と報じています(25日ハンギョレ新聞など)。これは、政府がちゃんと経緯を把握しなかったことも問題ですが、そもそも韓国側としては、「いつ」参拝したのかは重要ではないでしょう。政権によっては先祖のことまで掘り返したりしますから。各メディアはいっせいに手のひらを返し、「政府はなんでそんなことも把握しなかったのか」と記事を載せました。MBC(26日)などは、「日本が共同通信の責任転嫁しようとしている」とも報じています。もうなにがなんだかわからない状態です。以下、<<~>>で引用してみます。ちなみに、原文では「鉱山」になっています。
<<・・政府が追悼式不参加決定をしながらも、その理由を明確に話さなかったのも、日本に賊反荷杖(※盗人猛々しい)な態度を見せる口実を与えた。日本は靖国参拝が報じられた生稲晃子外務省政務官が政府代表で追悼式に出席すると22日明らかにし、韓国は翌日「諸事情を考慮して」不参加と発表した。これを受けて、生稲政務官の参拝がその理由だとの解釈が出たが、政府は否定しなかった。24日には「生稲晃子政務官が参議院就任(2022年8月15日)後には参拝したことがない」という日本政府の説明について、事実ではないと反論したこともある。しかし、25日、当初参拝したと報道した共同通信が「誤報」と明らかにし、政府は気まずくなった。日本政府が26日、「誤った報道で(韓国政府の追悼式不参加という)混乱が生じて非常に残念だ」と「挑発」をしたにもかかわらず、政府は対応できなかった。ただ「日本側が我が側に提示した追悼式の計画が、佐渡金山世界遺産登載当時に両国が合意した水準に合致しなかった」という、一歩遅れた解明を出すのにとどまった(ハンギョレ新聞、25日)・・>>
<<・・日本政府が誤報のため韓国が不参加したかのように、共同通信に責任を負わせています。共同通信は、生稲晃子政務官の靖国参拝報道は誤報だったとしました。これに対して日本政府はこの誤報のため佐渡金山追悼式に混乱が生じたとし、共同通信に強い遺憾を表して経緯を問いかけると明らかにしました。【林芳正・日本官房長官「とても残念です。政府レベルで共同通信に事実関係や経緯の説明を求める予定です」】。佐渡金山追悼式に韓国政府が不参加を宣言した理由が誤報のためだと釘を打ったのですが、結局、追悼式に関連して日本政府の責任はないという趣旨です。
日本の記者たちは韓国が不参加したのは参拝問題だけでなく、追悼式方式に対する不満もあったと質問したが、官房長官は即答を避け、日韓関係の重要性を強調しました。【林芳正日本官房長官「日韓間には難しい問題もありますが、引き続き緊密にコミュニケーションするつもりです」】・・・・特に日本政府関係者は朝日新聞に「追悼式は終わり、もう仕方がない」とし「韓国側も事実関係に対する誤解だったと、もうちゃんとわかった」と話しました。朝鮮人が抜けた追悼式の名称や、反省と哀悼のない追悼の辞、朝鮮人だけのための黙念拒否など日本の責任はすべておいといて、共同通信の誤報のせいで韓国が誤解して追悼式に参加せず、論議を終えるという考えなのです(MBC)・・>>
あくまで今回の件に限ってのことですが、個人的に、2つの側面よかったと思っています。一つは、『追悼辞の内容で、合意までいたらなかった』という部分。詳しくどういう内容かはわかりませんが、21日(生稲政務官が参加すると発表される前)に紹介した際のソース記事にも、追悼辞の内容がまだ決まっていない、と書かれています。もともとは日韓両方がそれぞれ追悼の辞を政府関係者が読み上げる予定で、その内容には事前合意が必要だったのでしょう。具体的にどんな内容かまではわかりませんが、韓国側がどんな内容を言おうとしたのか、いや日本側に「言わせようと」したのかは、概ね想像がつきます。結局、日本側が、「それ」に応じなかったということになります。もう一つは、岸田政権・ユン政権になってから、関係改善という言葉が『前提』のようになっていましたが、本ブログだけでなく大勢の方々は、根本的にはなんの変化もないと指摘してきました。今回の件がニュースになって日本側でもそこそこ報じられたことで、それがさらに伝わるようになったのではないか、と。
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