韓国でも深刻化するNEET問題(19~34歳)、最新データが話題に・・全国173万人

韓国メディアが伝える社会問題には共通のパターンがあります。「日本には~な社会問題がある」と大々的に報じるけど、いずれ国内にも(実は世界の多くの国もそうですが)同じ問題があるとわかり、「このままでは日本のようになる」というふうに報じます。しかし、それからまたしばらく経ってからは、実は国内での場合がもっと深刻だったと気づき、国内の社会問題として報じます。メディアにもよりますが、各種統計データ(たとえばOECD順位など)で日本より状況がおもわしくない場合は、日本関連の統計は報じないところも目立ちます。ちゃんと報じながらベンチマークしよう、とするメディアもあるにはありますが。ベンチマークの完成度はともかく。

昨日~今日、ニート(NEET)関連でまた多くの記事が目立っています。同じく、このままでは日本のように~というふうの記事が目立ちますが、そんな中、ソウル研究院というところが関連統計(民間の発表なので公式ではありませんが)を発表しました。その数、173万人です(19~34歳、2022年。特記がないかぎり、青年関連データに兵役中の人は集計されません)。ソース記事はニューシースです。統計といっても基準が異なるし、単純比較でしかありませんが、パッと検索した結果だと、日本(AIさんによると15~34歳、2023年で59万人)よりも数が多く、人口比まで考えるとかなりの規模になります。また、YTNは、最近話題(?)の『ただ休んだ』人口の急増を指摘し、それがそのままニートになる可能性が高いという記事を載せました。

 

なぜなら、その「休んだ」(調査などの『休んだ』項目から来た言葉で、被経済活動人口の中で、特定の理由無しに仕事をせず、求職もしていない人たちのことです。彼らは失業率などほぼすべての統計データにカウントされません)は、最初から休んでいたわけではなく、いったん就職してから、それを辞めて、休んむようになった人がほとんどである、とのことでして。記事曰く「永久的に離脱」の可能性が高い、とのことです。というか、個人的にはいまさら・・としか思えないテーマでもあります。文化日報の2021年12月3日の記事によると、すでにOECD基準(今回の調査とは基準が異なりますが)でNEETがもっとも多いのはイタリア、メキシコ、そしてその次が韓国でした。このとき、154万人とされていたので、今回のソウル研究院のデータの信憑性にも繋がるのではないか、そんな気もします。一部のメディアがうわあぁしていますが、韓国政府は『高齢者の働き口をさらに増やすぞ』と決心したようです。<<~>>で紹介します。

 

<<・・無職で関連教育も受けず、就職・職業訓練も受けない青年であるニート(NEET・Not in Education, Employment or Training)が、ソウル市で32万人に達すると集計された。ソウル研究院は3日「統計庁地域別雇用調査によると、2022年19~34歳を基準にソウルが32万人、全国で173万人」と明らかにした・・・・必要な措置として、所得支援と雇用支援という答えが最も多かった。ソウル市は大学非進学者や大学卒業予定者進路設計のための「青年人生設計学校」、未就職青年のための「青年就職士官学校」、「未来青年雇用」などを通じてこの問題に対応しているとソウル研究院は説明した(ニューシース)・・>>

 

<<・・求職活動をせずに「ただ休む」青年が今年急増したことが分かりました。これらの大多数は就職経験者でしたが、職場を通っていたのに、なぜ「ただ休む」に戻ったのでしょうか。「休んだ」人口とは、非経済活動人口の中で、特別な事由や教育訓練なしに労働市場に参加しない人々を指します。韓国銀行報告書を見ると、25~34歳の青年層の中で「休んだ」人口は昨年7~9月期に33万人から、1年ぶりに42万人に、なんと25%以上も増加しました。ところがこのように急増した「休む青年たち」の多くが、職場に通った経験があることも分かりました。

就職経験のある青年層の休んだ人口は1年ぶりに30%増え、増加を主導しましたが、言い換えれば、最初から求職活動をしなかったのではなく、就職をしてやめて「休んだ」人口が増えたという話です・・・・(※理由は)まず、雇用の質が、彼らの目の高さに合わないためだと分析されます。新型コロナ以降、正規職が減り、臨時・日雇いの雇用が増え、青年層雇用の質はどんどん低下しつつあります。就業者の学歴が、雇用が求めるものよりも高い、いわゆる下方就職率も20%を上回る実情です。いわゆる「雇用ミスマッチ」、「オーバースペック」で、就職をあきらめたり、就職した後にもやめることが多いのです(YTN)・・>>

 

言い換えれば、「私にこの仕事は似合わない(キラッ)」としながら仕事を辞め、そのまま世界が自分レベルまで追いつくの(?)を待っている・・といったところでしょうか。政府は、「高齢者に簡単な仕事を提供する」政策をさらに強化すると発表しました。これで「青年雇用が減少している」データが目立たなくなる側面もあるので、青年層の不満は、さらに大きくなることでしょう。2日から27日まで募集するとのことで、今年より6万8千個増やし、最も多い109万8千個の働き口を提供する、とのことです。これで雇用率を引き上げ、失業率を下げることができます。しかも、「補助金」枠なので、その人たちへの報酬は平均給料集計データなどにはカウントされません。10月8日のSBSによると、平均月給は20万ウォン程度だそうです。 ユン大統領、大統領になるまではこの政策を「質の低い雇用を増やすだけ」と強く批判していました。

<<・・高齢化と老人貧困の解法として、政府が高齢者働き口事業を推進しながら、働く高齢者は増えていますが、稼ぐお金は20万ウォンにとどまることがわかりました。「お年寄りのお金稼ぎ」を超えて働き口としての質を高めなければならないという指摘が出てきます。高齢者働き口参加者は2022年約97万人で、6年で2倍以上に急増しました(※今年6月まで101万8876人)。「質の低い雇用」と批判していた現政権も、「大幅に増やす」と方針を変えました。しかし、高齢者たちが稼げるお金は月平均21万ウォンに過ぎません(SBS、10月8日)・・>>

 

 

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