韓国各捜査機関、我先にと尹錫悦大統領に出頭要請・・一部メディアは「競争中」とも

韓国の検察、共助捜査本部(警察、公職者捜査処、国防部調査部)が、相次いで尹錫悦大統領に、調査のための出席・召喚要請を出しました。聯合ニュースTVイーデイリー時事ジャーナルなど、多くのメディアが報じています。また、一部のメディアは、これを「各機関が競争している」とも表現しています。特に両方は、尹大統領を「内乱首魁」と摘示しています。尹大統領側は、すでに検察の要請には応じませんでしたし、これから各機関に出頭するかどうかはわかりません。ただ、これからも応じないなら逮捕状を請求するという構えです。検察の場合、いままでは必要以上に大統領側に(大統領夫人の件などで)配慮しているというニュースが目立ちましたが、状況が変わったからでしょうか。一気にスタンスが変わりました。

今回『摘示されている』と報じられているところを見ると・・このまま逮捕まで行く可能性が高くなりました。その場合、すぐにでも次の大統領選挙日がどうとかの話になるでしょう。野党側としては、憲法裁判所の弾劾判断を待つより(それに、盧武鉉大統領の例もありますが、復帰する可能性もあります)、その方が確実かもしれません。そういう政治関連の動きが、各捜査機関にどんな影響を及ぼすのかも気になるところです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・12月3日の非常戒厳事態を捜査中の共助捜査本部(共助本)が16日、尹錫悦大統領に対して出頭を要請する。警察と公職者捜査処、国防部が共に作った捜査本部は・・・・これからも捜査と関連資料共有などで合同捜査を続ける方針だ。警察の国家捜査本部、非常戒厳特別捜査団は「共助本部が今日、尹大統領に対する出席要求書を大統領室に伝達する予定だ」と明らかにした・・・・共助本はユン大統領に18日午前10時共助捜査本部に出席するよう、大統領室に人の便で通知する計画だ。尹大統領は内乱・職権乱用などの疑いを受けている。今回の出席要求書には「内乱首魁の疑い」が明示されている(イーデイリー)・・>>

 

<<・・検察非常戒厳特別捜査本部が、捜査に速度を出しています。尹錫悦大統領に対して2回目の呼び出しを通知すると見られます。昨日(15日)ユン大統領は検察の召喚通報に応じませんでした・・・・検察はユン大統領に昨日(15日)午前10時に召喚調査を受けるよう要求したが、ユン大統領が応じず、検察のユン大統領に対する最初の召喚調査は失敗しました。検察は今日、ユン大統領に2回目の召喚調査を通知する予定です。検察がユン大統領に召喚調査を通報したのは、11日でした。キム・ヨンヒョン前国防部長官が逮捕された翌日で、昨日(15日)午前10時までに出て調査を受けるよう要求しましたが、ユン大統領は応じませんでした。検察は出席要求書に内乱首魁容疑と職権濫用容疑を摘示したことが分かりました。

検察は今日(16日)ユン大統領に2次召喚を通報する計画です。しかし、尹大統領が去る12日、談話で「大統領の非常戒厳宣布権行事は司法審査の対象にならない」と明らかにしており、召喚に応じない可能性が高いとの見方が出ています。検察は、尹大統領が引き続き召喚に応じないなら、逮捕状を請求する可能性もあるとしています。ユン大統領が召喚調査を受けると、初めての、被疑者身分で調査される現職大統領になります(聯合ニュースTV)・・>>

 

<<・・召喚にも応じないだろうという見通しが多い。尹大統領が追加召喚要求にも応じない場合、検察は逮捕状を請求するだろうが・・・・この場合、大統領警備員との物理的な衝突の可能性もある。尹大統領は国会の弾劾訴追案可決で職務が停止されたが、警護はそのまま維持されるからだ。尹大統領が繰り返し出席せず、直接調査ができなかった場合、核心被疑者の陳述と確保された証拠をもとに検察が事前逮捕状を請求する可能性も提起されている。検察が異例的に、初めての現職大統領召喚通報、及び不応の事実を公開したのは、再召喚通報を控えてユン大統領の自発的な出席を圧迫しようとするものだとも思われる。

検察と、捜査競争をしている警察国家捜査本部特別捜査団も、「逮捕令状の申請も検討している」と明らかにした。検察が現職大統領を被疑者として召喚通知したのは初めてのことだ。盧泰愚・全斗煥・盧武鉉・朴槿恵・李明博大統領も検察に出席した前例があるが、いずれも大統領職から退いた後だった。朴元大統領が国政壟断と関連して検察に初出席した時点も、憲法裁判所の決定で大統領職から罷免された後だった・・・・これら元大統領たちの大部分は(※全斗煥大統領だけ応じませんでした)検察の召喚要求に応じた(時事ジャーナル)・・>>

 

個人的な見解ですが、今回の非常戒厳令は「違憲」だったと思っています。ただ、だからといってあれが内乱だったのかといいますと、それは無理があるとも思っています。弾劾の事由になるかは、いま出ている各種「噂」「証言」などが本当かどうかにかかっているでしょう。たとえば、国会議員たちが150人以上集まらないようにするとかそんな命令があったという話がありますが、その場合は弾劾の事由にもなるでしょう。でも、まさかそんなことを口頭で出したはずもないし、どこかに証拠があるはずです。ないなら、証言だけでは足りません。現職大統領を刑事的に捜査できるのは内乱と外患(外国勢力と結託した反乱など)だけなので、内乱でないなら、何かの捜査をするとしても任期が終わった後になるでしょう。でも、今の流れからすると、本当に、来年に大統領選挙があるかもしれません。

 

ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は「自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。