キオクシアが上場し、ラピダスには予定通り先端半導体製造に必要とされる極端紫外線(EUV)露光装置の搬入が始まりました。個人的に、「とりあえずは」よかった、と素直に思っています。これからの展開次第ではありますが。韓国経済など多くのメディアが報じています。他にも、半導体関連で、またまた市場が揺れているとか、中国企業がDDR5量産に成功したようだとか、そんな半導体関連ニュースが増えてきました。その中でもやはり、日本と、補助金関連のニュースが目立ちます。『政府は、様子見する必要などありません(すぐにでも払っていい、というニュアンスで)』というよくわからない記事もあったし、中央日報によると、TSMCのような「KSMC」を設立する必要がある、320兆ウォン(約33兆円)の資金が必要だとか、そんな話も提起されています。いろいろあって賑やか(?)ですね。
中には、経産省の職員たちが、サムスン電子が龍仁に建設予定の先端システム半導体団地(の敷地)を見に来ていた、という記事もあります。マネートゥデイです。なぜこれが問題なのかというと、記事は「2029年の輸出関連措置を下したのは経産省だったから」としています。朝鮮日報は、中国企業がDDR5の量産に成功したようだ、という話を記事にしています。個人的に、経産省よりも他の案件よりも、韓国としてはこういう話をもっとも重く見るべきではないか、そんな気がしますが・・あまり話題にはなっていません。半導体輸出の約40~50%が中国に向かっているわけですから。一つずつエントリーするほどではないので、以下、複数のメディアから複数の件を<<~>>で引用してみます。
<<・・日本経済産業省が最近、サムスン電子用の先端システム半導体クラスター敷地を視察したことが確認された。産業通商資源部に該当する経済産業省は、2019年半導体核心素材に対する輸出関連措置を主導した省庁だ。日本政府の今回の動きは、サムスン電子の特定施設関連投資規模などを現場で直接把握するためと推定される。政府は政局の中でもここを年内に国家産業団地に指定し、来年着工を本格推進する方針だ。18日、関連業界などによると、日本経済産業省の関係者たちは今月初め、サムスン電子龍仁先端システム半導体クラスター敷地を見回したと把握された。彼らの訪問は政府やサムスン電子側に事前通知されていないと伝えられた(マネートゥデイ)・・>>
<<・・中国最大のメモリ半導体メーカーCXMTが韓国企業の最新主力製品である先端DRAM「DDR5」量産に突入したことが18日確認された。これまで技術の差のために旧型DRAMだけ生産していたCXMTが人工知能(AI)サーバー、AI PCに入る先端DRAMまで量産に成功したのだ。前世代のDDR4 DRAMでは中国が韓国に追いつくのにかかった時間は6年だった。しかし、DDR5では韓国が発売してから4年ぶりに量産に突入した。韓国半導体の主力であるメモリでも、中国が追いついてきたわけだ。これにより、旧型半導体で中国に追いつかれたサムスン電子とSKハイニックスの対応戦略も修正が避けられなくなったという分析だ。半導体業界の関係者は・・・・「サムスン電子とSKハイニックスには大きなリスクになるだろう」「中国市場で国内メーカーへの影響は避けられない」と話した(朝鮮日報)・・>>
<<・・キオクシアがIPO再挑戦に成功したのは、AI半導体競争で遅れるわけにはいかないと考えているからだ。キオクシアは公募で調達した資金の大部分を企業向けソリッドステートドライブ(eSSD)などAI半導体施設に投資する計画だ。日本半導体産業の再建の動きはファウンドリ市場でも確認される。代表的な事例がラピダスだ。同社はキオクシア、トヨタ、ソニー、ソフトバンクなど日本大企業8社が集まり、2022年10月に設立された。「半導体復活」を宣言した日本政府は、ラピダスに約8兆5000億ウォンの補助金を投入した。2027年最先端の2nm製品量産を目指している(※来年テストモデル生産予定)。米国IBMなど最先端半導体プロセス技術を保有した企業との協力にも積極的だ。日本政府はラピダスに2000億円を追加支援することにした。サムスン電子とSKハイニックスなど国内半導体メーカーは日本の歩みに大いに注目している。日本は半導体素材・部品・装備関連インフラが強力なため、eSSD、AI半導体ファウンドリなど高付加価値事業において、即刻のリスクになりえるからだ(韓国経済)・・>>
<<・・「施設・研究開発(R&D)に300兆ウォン、ファブレス(半導体設計)カスタマイズ半導体ファウンドリ(委託生産)ファブ構築に20兆ウォン投資が必要です」。韓国工学韓林院半導体特別委員会は18日午後、ソウルで研究結果発表会を開き、半導体関連現状克服のための提案・・・・アンギヒョン半導体産業協会専務は「大規模施設投資が必要な半導体産業の特性上、適期に投資してこそ先頭に立って投資が好循環する構造に入ることができる」とし「2047年まで半導体投資及び施設運営に必要な財源は1000兆ウォンで、そのうち直接補助金・税額控除などで300兆ウォンの支援が必要だ」と述べた。クォンソクジュン成均館大学化学工学科教授は、20兆ウォンを支援して、国内ファブレスから素材・部品・装備、パッケージング業者までR&Dと事業開発に活用できる公共R&Dファブである『KSMC』を構築しなければならない」とし「ここに20兆ウォンを投資すれば20年後に300兆ウォンの経済的効果を出すであろう」と話した。台湾のTSMCが政府投資を通じて創業したように、韓国も同様の形のモデルが必要だということだ(中央日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は「自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。