韓国、「少年時代、野党代表が働いていた」だけで企業の株価が400%以上も上昇

前にも、韓国でテーマ株について書いたことがあります。例えば、常温超伝導体が話題になると、その製造に関わる企業の株価が上がる、そんなものがテーマ株と呼ばれます。ある人が国会議員に当選したとなると、その人と少しでもなにか「縁」がありそうな企業は株価が上がったりもします。でも、多くの場合は、急騰して、すぐまた大幅に下るだけです。この前、ハンガン氏がノーベル文学賞を受賞したときにも、その本の紙を作ったとされる会社がテーマ株とされました(韓国製紙という会社の株価が一気に25%も上昇)。

ガス・油田が見つかったという話が出たときには、「間違った情報」で、エネルギー生産・輸送とは関係のないメーカーも急上昇しました。たとえば「韓国石油」という会社は、単に韓国石油公社と「間違えられて」、株価が高騰しました。この会社はアスファルト加工会社です。ある意味、韓国の社会像をよく表しているとも言えるのでは・・そんな気もします。そんな中、最近は、共に民主党の李在明代表関連でも、またテーマ株が話題になっているそうです。どういう関係があるのかというと、週刊東亜の記事によると、「少年だった頃(当時は少年時代にも普通に働いていましたので)、李代表が働いたことがある」だけです。いわば、韓国で言う「縁故」関連ですが・・時計関連企業の株価が一気に400%以上も上がりました。以下、<<~>>で引用してみます。

 




 

<<・・最近、オンライン投資コミュニティーには「イジェミョンテーマ株」投資状況と、今後の展望を共有する文があふれている。戒厳事態で国内証券市場が混乱に陥った中でも、次期有力大統領候補として評価される共に民主党のイジェミョン代表と関連した種目は急な上昇傾向を示している。その中でも特に数百%ずつ株価が急騰したオリエント精工、オリエントバイオに注目が集まる・・・・オリエントグループの株式がイジェミョンのテーマ主に浮上した理由は、李代表がオリエント系列会社であるオリエント時計の時計工場で少年工として働いた履歴があるからだ。李代表は19代大統領選挙のときも、京畿道城南に位置するこの工場の前で「大韓民国で初めて、労働者出身大統領になる」と出馬宣言をした(※李代表はその地域の市長出身です)。だが最近戒厳事態で早期大統領選挙が予想されると、李代表とこれら企業の関連性が再度浮上して、株価が揺れ動いているのだ。

 

オリエント精工は422%上昇、オリエントバイオは150%上昇し、12月3~17日、国内証券市場でそれぞれ株価上昇率1位、2位種目になった・・・・オリエントグループは、李代表がしばらく働いた職場であること以外に、これといった直接的な関連性がない・・・・オリエントバイオ側の関係者も「2021年にもイジェミョンテーマ株とされ、最近と同様に株価が上がったことがある」とし「当時も今も、会社としては、前に李代表が働いたことがあるという点以外は何の接点もないという立場だ」と話した・・

・・イジェミョンテーマ株に分類された他の種目も、株価がジェットコースターに乗っている。イスタコ社は李代表の公共住宅公約と関連性があるという理由で、ドンシン建設は本社が李代表の故郷である慶北安東に位置したという理由で、コナアイ社は李代表が京畿道知事在任時期、京畿地域通貨運営代行を任せたという理由で12月3~17日とも3桁の株価上昇率を記録した(3~5位)。ハンドンフン前国民の力代表関連株に分類されるDTNCRO、デサンホールディングスも同様に株価が大きく上がったが、ハンドンフン代表の代表職辞任の後に急落した・・

 

・・専門家たちは、「政治テーマ株はその材料が消滅すれば毎回驚くほど株価が下がるため、投資に慎重でなければならない」と呼びかけている。ヨム・スンファンLS証券理事は「同じ政治テーマ株でも、たとえば米国テスラ社は政府の確実な政策的恩恵を受ける可能性があって株価が上がる場合だと言えるが、私たちの場合は学縁(※同じ学校出身)、縁故など実体のない期待感によってる中小型株が雨後の筍のように出てきて急騰する」とし「特に与党側はまだ有力な大統領候補が出ていないので、後で誰が出てくるかによって同じ現象が起きるのではないかと懸念される」と話した(週刊東亜)・・>>

出世にもっとも必要なのは、『強者』との3つの縁だと、随分前から言われていました。学縁(同じ学校出身)、地縁(故郷が同じ)、そして、親戚としての縁。こういう風潮が、このテーマ株騒ぎに繋がっているのではないか・・そんな気がします。ちなみに、株式取引所も専門家たちもこのような現象については何度も何度も『このような投資はのぞましくない』としていますが、効果は見られません。李代表の大統領当選は、超伝導体よりは現実味があるとも言えますが・・時計との関連性はよくわかりません。

 




 

ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は「自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。