韓国国会、今度は大統領権限代行(国務総理)を弾劾か・・発議されるなら、1ヶ月で4人目

弾劾案が通って、いま尹錫悦大統領は職務停止中ですが、韓徳銖(ハンドクス)国務総理が権限代行中です。ですが、今度は野党側がそのハンドクス総理を弾劾するとし、定足数について議論しています。ちなみに、これで尹大統領含めて4人目です。時事ジャーナルKBSなど複数のメディアが報じています。 なにがあったのかと言いますと・・日本でも結構報道されていますが、金建希(キムゴンヒ)大統領夫人のことです。特検法(特別検事を任命して集中捜査すること)が何度も国会を通りましたが、その際に尹大統領は再審議要求(大統領拒否権)を行使しました。いまも国会を通過して、大統領の裁可を待っているところですが・・野党側としては、さすがにいまは大統領がいないから通るだろう(大統領権限代行であるハン総理の裁可を得て最終的に成立するだろう)と思っていました。

ですが、19日、他の6つの法案に対し、ハンドクス総理が(権限代行として)国会再審議要求権を行使しました。そこで、野党側は「ひょっとして、金建希特検法にも同じことをするのではないか」という疑問が提起されました。そこで、弾劾してしまおう、という流れになったわけです。最終的には結果を見てから(裁可するのかどうかを見てから)決めるとのことですが、すでに準備は整っていて、定足数を計算しているとのことです。なぜ定足数が問題なのかと言いますと、大統領弾劾には『総議員の3分の2の賛成』が必要です。しかし、国務総理弾劾は『過半数の議員の賛成』で可能です。後者なら、いまの野党側だけでも可能です。

 




 

与党は、「だ、大統領権限代行だから3分の2の賛成が必要だからね」としていますが、野党側は「そ、総理だから過半数でもできるもん」としています。野党側としては、「権限代行になる前」の、内乱に加担したことを弾劾の理由にしているので、問題ないというスタンスです。本ブログでも紹介したことがありますが、戒厳令には国務会議が必要です。ハンドクス総理は、その国務会議開催に応じました。すなわち、戒厳令を事前に知っていました。それを野党側は「加担した」としているわけです。さて、このまつりはいつまで続くのか・・以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・共に民主党が12月3日戒厳事態以後4回目の弾劾訴追案準備を終えたことが確認された。尹錫悦大統領、パク・ソンジェ法務部長官、ジョジホ警察庁長に続き、ハンドクス大統領権限代行兼国務総理に向けた案が用意されたのだ。国務総理弾劾案を作成したキムヨンミン民主党院内首席副代表がそのトリガーを握った。いつ引くかは指導部の最終決定による。副代表は12月20日、国会議員会館で時事ジャーナルとのインタビューを通じて、「ハン代行が特検法に拒否権を行使するかどうかに関係なく、必要だと判断されればすぐにでも弾劾するだろう」と話した・・

・・「弾劾定足数」議論についても問題がないと強調した。副代表は「国務総理に対するものであるため、いかなる場合にも在籍過半数(151人)の賛成だけが必要だ」とし「ただし、与党『国民の力』が反発しているため、確実にするため国務総理だった時期の行為に対してのみ事由とする」と主張した。憲法上、大統領に対する弾劾訴追は国会在籍議員(300人)3分の2(200人)以上の賛成が、国務総理弾劾訴追は在籍議員過半数(151人)賛成が必要だ。したがって、ハン代行に対する「総理弾劾」と考えれば、共に民主党(170席)だけで可決できるが、大統領に準ずる「権利代行弾劾」とみると国民の力(108人)から8人以上の賛成票が出なければならない(時事ジャーナル)・・>>

 

<<・・共に民主党が韓徳寿大統領権限代行に再び弾劾カードを取り出しました。いくつかの要求事項を提示しましたが、ハン代行が時間を稼ごうとすれば、すぐにでも弾劾の推進に乗り出すことができる、としています。ハン権限代行は十分に検討するとし、慎重な立場です。ハン権限代行に向けた共に民主党の圧迫は、三つです。常設特検推薦を遅滞なく国会に依頼し、二つの一般特検法も早急に受け入れるように、ということです。また、国会推薦手続きが終わると、すぐに憲法裁判官も任命するよう促しています(※各種特別検事法が素早くできるようにする、そして憲法裁判所の裁判官を任命して弾劾判断手続きに問題がないようにする、ということです)。

権限代行側はこのすべてを十分に検討するという立場、民主党はこれを時間引くと判断し、先制的な弾劾カードまで取り出しました。【ノ・ジョンミョン/民主党院内広報担当「12月31日、これはハン・ドクス首相が話した時限です。今すぐでも国務会の開いて公表すればいいだけです」】。しかし、実際に弾劾案が推進できるかは、見解が分かれています。常設特検推薦依頼の場合は「遅滞なく」することになっていますが、明確な規定がなく、一般特検法の場合、再議要求権行使の時限がまだ残っているからです。また、ハン権限代行が弾劾されて職務停止されれば、次はチェサンモク経済副首相が権限代行になることも考慮しなければなりません。副首相が大統領権限代行になった場合、憲法裁判官を任命できるかどうか、それがまたはっきりしていないからです(KBS)・・>>

 




 

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