メモリークリスマス(強引)。さて、今年がすぎる前に、チェクしておいた記事を消化しておきたくて、また半導体関連・・というか、メモリー関連の話になりました。最近、ドイツの経済がいろいろ問題視されていますが、韓国では主に「中国経済に依存しているのに、主力産業で中国製品にやられた」という側面で、ドイツと韓国は似たような立場にあるのではないか、そんな主張が出ています。半導体関連といってもいつも日本関連、ラピダスがどうとかTSMCがどうとか、日本・米国・台湾の協力体制がどうとか、そして結論は例外なく補助金関連の、そんな記事ばかりですが・・実はいま韓国がもっとも気をつけるべきは、メモリー部門での中国の成長ではないでしょうか。
そんなところ、「最先端のAI用チップを動かすのに必要なHBM(広帯域メモリー)以外は、米国もメモリー関連では中国製にそこまで措置を取っていない」という主張と、「中国のメモリー分野での成長は著しく、(いままでは中国が韓国製メモリーを買っていたけど)近い将来、韓国も中国からメモリーを買うようになるだろう」という主張、それぞれ朝鮮日報12月11日、12月2日(朝鮮BIZ)の記事をピックアップしてみました。2日の記事は、「チップ・ウォー」の著者である米国タフツ大学クリス・ミラー教授のインタビュー記事です。『少なくとも日本で使う分は、日本国内で生産する』という目標のもと、半導体復活に挑んでいる日本。記事の『先端チップの90%が台湾で作られている現状も確かに問題』という部分は、日本という拠点の重要性にも繋がるのではないでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「10年前だけでも、中国は韓国会社が作ったメモリを輸入して使いました。今ではサムスン電子・SKハイニックスの現地工場だけでなく、長江メモリメモリーテクノロジー(YMTC)のような中国企業が、必要な半導体を直接生産しています。近い将来、韓国が中国産チップを買う可能性があります。サムスン電子とSKハイニックスが直面した問題です」。「チップ・ウォー」の著者であるクリス・ミラー米国タプツ大教授は最近、本誌のインタビューで「グローバル半導体サプライチェーンで、数年間で最も大きな変化は、中国の浮上」と述べた。圧倒的投資、豊富な内需、強力な政府支援をもとに、米国の関連措置の中でも半導体技術のリーダーシップを確保しているということだ・・・・彼は「果たして韓国と米国、台湾、日本は、中国が世界の半導体サプライチェーンでより重要な役割を果たす状況を受け入れられるでしょうか」、「現在、これらの国家は『そうはいかない』という結論を下した」とし「それが現在、米国主導で進行中のグローバル半導体サプライチェーン再編の本質です」と話した・・
・・(※韓国半導体がもっとも早く影響を受けている、という質問に)「韓国はメモリー中心だから仕方ありません。5年前までも中国はメモリーにあまり競争力がなかった。しかし、莫大なお金を投資して今はDRAMとNANDで韓国のサムスン電子とSKハイニックスに実質的なリスク要因となっています。ファウンドリーでは、まだTSMCが中国より5年先を行っています」と話した。実際、韓国企業は以前「キャッシュ・カウ」の役割をしていたレガシー半導体で、中国がシェアを取り、大きな打撃を受けている。
(※最先端チップがTSMCに集中するのも韓国にとってはリスクだという話に)「最先端の半導体生産の90%が台湾にある構造は明らかに問題です。台湾は中国の侵略という安保問題がかかっている。 TSMCが台湾の安全を保障しているという見方もあるが、中国は政治的目標達成のためならなにをするかわからない。製造基盤をより分散させようとする米国の目標を考慮すると、サムスン電子は潜在的に非常に重要なプレイヤーとして残るだろう(朝鮮BIZ)・・>>
<<・・トランプ政権2期が控えている中、バイデン政権は任期満了直前に中国半導体産業に対する追加措置を出した。新たに追加された措置の核心は、人工知能(AI)メモリ半導体である広帯域メモリ(HBM)輸出に関するものだ。しかし、汎用メモリー半導体市場で低価格物量攻勢を行っている中国のCXMTは、その措置の対象に入っていない。中国企業のAI核心技術へのアクセスは封鎖しながらも、米国企業が汎用メモリを安く購入できる道は開けておいたのだ・・・・サムスン電子とSKハイニックスの販売は制限されたが、技術面で追い上げてくる中国メモリ半導体企業は許可したとも言える。
今回の措置で、日本最大の半導体装備企業である東京エレクトロン(TEL)も対象に入らなかった。先端半導体製造に必須で投入される装備を供給する会社だが、日本政府とTELが一つになって米国政府にロビーしたことが功を奏したのだ。東京エレクトロンの中国市場の売上比重は50%に迫るだけに、関連措置が強化されればその影響は避けられない。政府の役割の重要性を示すところだ。一方、私たちは大統領の国政運営ができなくなった状況で、実務を担当する政府省庁官僚たちも事実上、なにもしないでいるという批判が出ている。半導体業界関係者は「外交首長から政府省庁、国会、企業が緊密に協議して総力を傾けても足りないところなのに、戒厳事態収拾もあって戦略自体もない」とし「メモリ分野で中国企業の躍進が目立つのに、私たちはただ見ているだけ」とした(朝鮮日報)・・>>
ええっと、明日はクリスマスで(言い訳)、1日休みをいただきます。そのあと26日に更新再開して・・それから、年末年始にいつからいつまで休むのかまだ決めておりません。久しぶりに富士山近くまで行ってみたいと思っていますが、まだちょっと日付が決められなくて。決まり次第、すぐブログで報告いたします。 で、ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は「自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。