韓悳洙(ハンドクス)国務総理の弾劾案が国会を通過、なんと大統領だけでなく大統領権限代行まで職務停止となりました。このことで、KBSなど複数のメディアが「米国の反応はどうなのか」を記事にしています。どんなことがあろうと「韓国の合法的手続き」である以上、それについて細かく論ずることはないでしょう。ただ、弾劾のわずか4日前、ハン代行は米国側と会い、外交・安保政策の再開について話したばかりです。米国側も『ハンドクス代行と一緒に仕事する準備ができている』と話すなど、事態を安定させるために落ち着いた態度を示しました。
で、今度は次の権限代行になる崔相穆(チェサンモク)経済副総理にも同じことを言わないといけない、そんな展開になりました。すでに米国議会調査局は、尹錫悦大統領の弾劾案(初期のもの)の事由に「日本中心の外交」が書いてあったことを把握しており、これが日米韓安保協力に問題をきたすのではないか、と懸念を示しています。これは24日のSBSの報道内容です(※引用はしません)。ハンドクス代行まで弾劾された今は、このような懸念はもっと強くなっていることでしょう。あと、朝鮮日報が「日本は通貨安で株式市場が上がるのに、なんで韓国は通貨安で下がるのか」という記事を載せましたので、こちらも引用してみます。為替レートや株式市場関連よりも・・もっと広い範囲が問題でしょう。なにより、経済、外交など多くの政策が「停止」状態になるでしょうし。そして、このままだと政権交代の可能性が大きいことも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ワシントンはまだ夜明けの時間なので、米国政府の公式反応はまだ出ていません。明るくなると、国務省など政府当局者が立場が出てくるように見えます。主要外国メディアは韓悳洙権限代行に対する弾劾案可決のニュースを迅速に報道し、経済に及ぼす影響、また外交関係の影響などに注目する姿です。AP通信は「権限代行に対する弾劾はハイレベル外交、金融市場を揺るがす可能性がある」と評価しました。ロイター通信も「戒厳令で触発された憲法的リスクが深化される」と指摘しました。ニューヨークタイムズは「企業と消費者の信頼度が落ち、為替レートが急に動くなど、政治的不確実性が経済的な問題を巻き起こしている」と報じました。
アメリカは、戒厳宣布については明らかに批判的だったものの、韓悳洙代行体制を支持するとして、ハイレベル対面外交も復元すると言っていました。そのまま進行できるのでしょうか・・・・わずか4日前でした。米韓外交次官(外務副大臣)がワシントンで直接会って外交・安保日程を完全に再開することにしました。(※今回の権限代行弾劾で)韓国としては、米国に政治状況の変化を再び説明しなければならない立場になりました。これに先立ち、米国務省のカート・キャンベル副長官は、ハンドクス権限代行のことは米国でもよく知られているとし、ハン代行と一緒に働く準備ができていると明らかにしました。前例のない「代行の代行体制」を見る米国の懸念は大きくなると思われます(KBS)・・>>
<<・・この日証券市場は一斉に下落した。コスピは前取引日比1.02%下落した2404.77、コスダックは1.43%下がった665.97で取引を終えた。コスピは場中2388.33まで落ちて2400を下回った。外国人投資家も機関投資家も、コスピでそれぞれ1730億ウォン、1150億ウォン分を売り越した。外国人投資家はこの日を含め、非常戒厳事態以後、計3兆4150億ウォンを売り越した。国内政治不確実性を懸念した外国人が証券市場からお金を引き出しているのだ。一方、韓国のように通貨安になっている日本の証券市場の状況は異なる。日本代表証券市場である日経平均はこの日、前取引日比1.8%上昇した4万0281.16で取引をおえた。7月末4万を下回ってから5ヶ月余りで4万円ラインを回復したのだ。日本経済新聞は「ドル高で円安が続いて輸出関連株を中心に買収が拡散した」と分析した。
同じドル強勢にさらされたが、日本は円安が輸出企業受益という好財とされている反面、ウォン安は政治リスクに隠されたのだ。3日ユン大統領の非常戒厳宣布以後、コスピは27日まで3.8%下落した。同期間、日本日経平均(2.6%)、中国上海総合(0.6%)、香港ハンセン指数(1.7%)、台湾加権指数(1.1%)などアジア主要証券市場が上昇したのと対照的だ。イギョンミン、デシン証券研究員は「国内政治リスクが投資心理萎縮とウォン安の圧力増幅、外国人売り圧迫をつなぐ循環の輪を作っている」と話した(朝鮮日報)・・>>
その弾劾に大勢に人が賛成していたから、というのがもっとも大きな理由でしょう。それがあるから共に民主党もここまでできるわけでして(弾劾がこのまま続いていいのかと、党内で若干の批判は出ているようですが)。さて、ここで重要なお知らせです。おかげさまで、本ブログ、また1年分の更新ができました。今年の更新は、今日でお納めです・・が、これは公式更新の話で、大晦日あたりにご挨拶代わりになにか写真でも載せることが出来たら、と思っております。今年も1年間、本当にお世話になりました。ありがとうございます。良い年の瀬をお迎えください。次の公式更新は、2025年の1月3日からです。
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。