韓国で、尹大統領関連でまた騒ぎがありました。ソウル西部裁判所(地裁)が拘束状態の尹錫悦大統領に逮捕状を発付したためです。これがないと、拘束状態を維持することができないため、支持者たちは発付に強く反対していました。15日から数えて、最長20日間の拘束が続くことになり、多くのメディアが「捜査が本格化するだろう」と報じています。捜査機関と裁判所からすると普通の流れではありますが、事案が事案なだけに、昨日の午前に「公捜処」が裁判所に逮捕状を請求してから、韓国では大きなニュースになり、昨日の夜遅くまで「いつ結果がわかるのか」とニュースが続きました。
それに、これはこれからの裁判にもかなりの影響を及ぼすと思われます。そもそも、裁判所側が相応の理由を認めない限り、逮捕状が発付されることはないからです。また、尹大統領側は裁判所に「大統領の非常戒厳宣布は、裁判判断の対象になるものではなく、大統領の権限による統治行為」と、そして「公捜処にはこの件(内乱関連)を捜査する権限がない」という既存の主張をしましたが、それが公式に受け入れられなかったことになります。この2つ、尹大統領および支持者たちが強く主張してきただけに、影響は大きいでしょう。朝鮮日報によると、支持者の一部が西部裁判所に入り、ガラスなど器物が破損されました。一部のメディアによると、支持者たちは数万人規模で集まっていた、とも。また、京郷新聞が、これからどういう手続で進むのかを記事にしました。2つの記事、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ソウル西部地方裁判所が、内乱容疑を受けている尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する拘束令状を発付し、初の「現職大統領拘束」が現実化した。このニュースが伝わり、ソウル西部地法の前に集まっていたデモ隊は、裁判所内に進入し、器物を破損、警察官と物理的に衝突し、連行された。警察は午前6時8分ごろ「現時間で西部地裁の近隣秩序を完全に回復した」と明らかにした・・・・この日の午前2時59分ごろ、ソウル西部地裁チャウンギョン判事は公捜処が申請したユン大統領の拘束令状を発付した。このニュースが伝わると、午前3時ごろ裁判所の前にいたデモ隊数百人が裁判所に入ろうとした。この過程で警察と現場にいた記者と物理的に衝突し、裁判所の壁を越える試みもあった。警察力のない後門に集まる人たちもいた。
午前3時21分ごろ、警察の阻止線を突き抜けて裁判所の進入に成功した彼らは、裁判所の内部で消火器を振りかけ、家具を利用して裁判所入口のガラスガラスドアと窓を壊した。ソウル西部支法の扁額を剥がしたりもした。裁判所に入った彼らは「ユンソンニョル」を連呼し、審査を引き受けたチャウンギョン判事を探し・・・・警察は午前6時8分ごろ「現時間で西部地裁近隣の秩序を完全に回復した」と明らかにし、尹大統領の拘束令状発付から始まった3時間の騒ぎは終了した。警察はこの過程で40人余りを逮捕した(朝鮮日報)・・>>
<<・・尹大統領の身柄を確保した公捜処は、二次調査を試みると予想される。しかし、ユン大統領から意味のある陳述を引き出すことができるかは未知数だ。尹大統領は15日1次調査の時も陳述に応じず、関連した調書に署名・捺印もしなかった。法律上、最大拘束期限は20日だが、公捜処は半分の10日ほどを使用し、起訴権を持った検察にユン大統領の身柄を渡すと合意した状態だ。公捜処はこの日、「今後の法と手続きにより捜査を進める予定」と明らかにした。
検察は公捜処から尹大統領の身柄を引き継ぐと、すぐに強度の高い調査を行う準備をしている状態だ。検察は補完捜査を経て拘束期限が満了する来月3~4日ごろ起訴するものと見られる。ただし、尹大統領が拘束に対しても裁判所に適法さを再判断してもらうよう「拘束適否審」(※拘束された状態で捜査することが適切なのかどうか、裁判所に判断してもらうための手続き)を請求する可能性がある。拘束適否審が進行すれば、それだけ起訴は遅れるようになる(京郷新聞)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。