「外国人観光客8兆円消費」、韓国メディア「日本3780万人、タイ3554万人、ベトナム1750万人、韓国1600万人」

16日~17日、多くの韓国メディアが「日本を訪れた外国人観光客、8兆円以上を消費」と報じました。日本でも結構大きく報じられましたが、韓国では趣旨がちょっと異なったりします。どちらかというと、「なんで私たちはそこまで増えないのか」と。日本だけでなく、タイ、ベトナムとかも観光事業が好調で、去年の統計(まだ推定値ですが)で、ベトナムを訪れた外国人観光客の数が、韓国より100万人は多いとのことでして。それが結構気になるのでしょう。ちなみに去年日本を訪れた外国人観光客の数は3780万人、タイ3554万人、ベトナム1750万人、韓国1600万人(推定値)です。

個人的に、物価高などで韓国観光のメインだった「買い物」の魅力が下がっただけに、1600万人でもかなり頑張ったほうだと思っています。しかし、やはり『文化に惹かれる人が多い』という設定を、現実のものにしたいのでしょうか。少ない少なすぎるという記事が結構目立ちます。今回の文化日報、ソウル新聞の記事も、そんな類のものです。ちなみに10年ぐらい前にも、「伝統文化が強いから」という設定で観光客が多いことをアピールしていました。しかし、それから、実はほとんどの観光客がソウルに訪れる(文化関連の観光インフラはソウルにはあまりない)、しかも目的が買い物だったという調査結果が次々と発表されました。

 

最近も、「伝統文化」か「今の文化」かは異なるものの、似たようなズレがあるのかもしれません。それでもいまのKポップなどが、「どこも似ている」文化遺産よりは観光の役に立っていると言えるでしょう。そんなこんなで、1600万人でもものすごく頑張ったのではないか、と。本当の意味で「文化」で人を呼び寄せているのは、日本のほうでしょうし。日本だけでなく観光客が増えた国では、オーバーツーリズムなど大きな問題もありますが、観光というのはその国のイメージ。単に消費額の問題ではなく、これは金では買えないものでもあります。外国人観光客出身(?)の一人として、日本の観光大国化と、問題の改善を応援したいと思います・・

 

・・と、ここらへんでスタッフロール流せばちょうどいい気もしますが、これだけだとちょっと短すぎるので、ソース記事、マネートゥデイ(16日)文化日報(17日)ソウル新聞(17日)の記事から少し引用してみたいと思います。マネートゥデイの記事は観光メインの話ではありませんが、日本が観光大国になった理由の一つに、「日本が世界に関心を示しているから」という話が出てきます(日本で活動し、いまは引退したサムスン電子のマーケティング担当の人のインタビュー記事です)。記事は、日本で特に印象的だったのは、働く態度においての「根性」、なにもかも記録を残す「記録」、そして「世界に関心を示すこと」だと言います。根性は私たちも見習うべきものであり、自国語での記録を増やしていくことは、そのまま国の力になるものである、と。

そして、日本は世界に強い関心を示す国であり、それが世界進出への布石になってくれるというのです。そしてそれが、世界もまた日本に関心を示すきっかになる、とも。個人的に、観光という側面においては、日本は外国を必要以上に意識するより、日本のままであったほうが、むしろわざわざ日本を訪れる外国人観光客たちに良いイメージを与えると思っていますが、ここでいう関心や布石というのは、外国現地でのビジネス的な話でしょう。マーケティング担当だった人が話した内容ですので。いつだったか、右側メディアが「韓国は台湾について関心がなさすぎる」と問題提起する記事を紹介したことがありますが、そういうスタンスとも通じることがあるのかもしれません。ソウル新聞と文化日報の記事は<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※外国人観光客の消費額8兆1395億円は、統計において『輸出』に集計されるとしながら)これは日本財務省貿易統計(1~11月)の主要品目の輸出額を年率に換算した時、自動車輸出額である17兆7000億円に次いで2番目に大きい規模だ。訪日外国人観光客消費額は、半導体など電子部品(6兆1000億円)と鉄鋼(4兆4000億円)を大きく上回った(ソウル新聞)・・>>

<<・・(※日本、タイ、中国などで観光客が大幅に増えたという話のあとに)それでは私たちはどうでしょうか。まだ最終集計ができていませんが、昨年外国人観光客は1600万人水準と推定されます・・・・昨年外国人観光客誘致記録はベトナム(1750万人)に100万人以上少ないものと見られます。今年はさらにその差が広がるでしょう。ベトナムの外国人観光客誘致目標は2300万人ですが、私たちの目標はこれより450万人も少ない1850万人です。 「何でもいいからやらなければならないときではないだろうか」という気もしますが、果たして何ができるのでしょうか。混乱の中、「住んでいる人も、外国に行きたくなる」現状ですから(文化日報)・・>>

 

ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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